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最近新聞に時々治験の募集広告が載っています。そこで質問があります。
1.治験の募集広告は、以前は無かったと思うのですが、薬事法?が変わったのでしょうか。(私の勘違い?)
2.治験は人体実験ではないのでしょうか。
3.治験は薬として、一般の患者に使われるまでの過程の、どの位置で行われるのでしょうか。それとも承認されてから行うもの?
詳しい方教えてください。

A 回答 (4件)

昔、治験担当者(開発といいます)でしたので、わかる範囲で回答します。



1.治験は厚生労働省令の「GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)」によって基準が定められています。
昔は、その病気の専門医に依頼を行い、患者さんの選定などは医師に任せきりになっていましたが、広く募集できるように変わってきているようです。
※この件の現在の情報はよく知りません。すみません。

2.見方によれば人体実験と言うことになりますね。

3.薬ができるまでの課程は次にようになっています。

・研究所において、化学合成などにより「薬」として使えそうな物質を作成し、その「効力」や「安全性」について動物実験を行います。
マウスなどを使い人工的に病気の症状を発生させた状態での実験や、高濃度・長期間などの投与方を使い、効果が現れる血中濃度や安全性が認められる血中濃度などが見積もられます。
もちろんこの段階で効果のない(少ない)ものや安全性に問題があるものは脱落します。

・動物実験において効力・安全性が認められた「もの」であっても人間で同じように働くとは限りませんので、実際に人間で試験を行う段階に移ります。

・第一相試験:
健康体の成人に対し「物質」を投与し、物質がどのように取り込まれ、どのように排出されるかを「血中濃度」や「尿中濃度」などで検査し、副作用などの問題がないかを検証します。
この血中濃度の推移は、「効果」が見込まれる「時間」の目安をつけ、実際の投与方法の参考となります。
8時間ほどしかもたないものは一日3回投与、12時間もつものは一日2回投与などですね。

・前期第2相試験:
1相試験で安全性が認められた「もの」は、少数の患者さんに実際に服用してもらい、その「効果」について検証を行います。
このときは、特にその病気に詳しい数名の専門医に依頼し、医師による患者さんへの投与が行われ、投与期間中の症状の変化や副作用と思われる症状も含め状態の詳細な記録を行います。

・後期第2相試験
効果が認められた「もの」については、実際の用法用量を見積もる段階へと進みます。
患者さんの人数を増やし、患者さんごとに数種類の投与量を設定し、効果の度合いや副作用の度合いなどを検証して適正な投与量を設定することとなります。

・第3相試験
最後の段階は、「本当に効果があるのか」をもう一度検証することです。
既存の類似薬を対照薬として設定し、開発中のものと効果比較を行います。
このとき投与する医師も、投与される患者さんもどちらの薬を投与されているかわからないようにして実施し、効果判定をまず行います。
その後にどの患者さんにどちらの薬が投与されていたのかの「割付表」が開封されて、それぞれの薬ごとに評価をまとめます。
この評価を比較し、十分な有効性が認められた場合には「薬」としての承認申請を行えるようになります。

・承認申請は、ここまでのすべての実験結果や参考文献などをすべてまとめて「厚生労働省」へと「承認申請」を行い、「承認」された後に、初めて「薬」として発売できるようになるわけです。


通常「治験」とは「第1相試験から第3相試験」までをいいます。
すべての段階で「医師」の立ち会い(というよりも医師による実施)が行われ、投与される患者さんへも「効果や副作用も含めての情報の提示」および「文書による参加了承」が行われて初めて実施されます。
一旦了承した参加を取りやめることも自由意志でできますし、これによる不利益はありません。

大昔は「人体実験」というようなこともあったのかもしれませんが、今ではそういうことはないということですよ。

参考URL:http://www.chiken-net.com/
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この回答へのお礼

有難うございました。そうですね、いくら動物実験でよい結果が出ても、人間が使うのだから最後は人間で試さなくてはならないですね。またよろしくお願いします。

お礼日時:2002/03/18 16:01

補足ですが・・・・


1.は、haku-yさんの内容が正しいです。
2.は、その通りです.MiJunさんの意見が参考になると思います。
3.は、広告で募集している対象者の場合、第3相のとき行われます。すなわち、医薬品製造許可承認前です。このときのデータを元に厚生労働省で審議されます。

何故このような広告が出回るようになったかと言うと、産業の空洞化ではないのですが、治験の空洞化も起こっていることが大きな理由です(他にもあります;医者が勝手に治験を行ってしまうような場合とか)。
医薬品は、遺伝の問題とかで人種によって効き目が異なると言われています。よって、海外でどんなに効き目の素晴らしい薬があったとしても日本でその外国人のデータを使えなかったのです。奇妙な話もあるのですが、日本で非常に効果のある新薬開発され、海外でその効き目が認められても、その新薬は日本でそのデータが認められず、再度治験をしなければなりませんでした。その結果、日本の患者さんは日本国内の日本人のデータで承認を得るまで苦しんだそうです。
話はそれてしまいましたが、どうも日本人はこう言った治験について誤解「人体実験ではないのかということ」があり、一方で治験に対する説明が十分にされてこなかったため新薬を開発するための治験が日本で行い辛くなってきた。そこで、正々堂々と内容を明らかにして公募することが認められてきたのです。
なお、現在ではそれほど人種による違いは無いのではないかということで、外国人の治験データを認めてはどうかといった会議も行われています。しかし、医薬品にせよ輸入品はできる限り排除し、輸出したほうが国益になりますよね。その意味で異常なくらい厳しい検査をする国もあります。でも今の厚生労働省はもうすこし真面目にやってもらいたい気もします。製薬産業のためではなく、日本国民のためのお仕事をね。

補足でした。
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この回答へのお礼

有難うございました。よく解かりました。また、何故欧米では薬局で買える薬が、日本では一からやりなおさなければならないか疑問に思っていました。役所の島国根性だと思っていましたが、人種によって効果が違う可能性を考えてのことだったとは。参考になりました。またよろしくお願いします。

お礼日時:2002/03/18 15:51

1.に関しては最近の情報がわかりませんので、他の方の回答を。


2.に関しては、「治験」とは新薬の製造承認を得る為に行う臨床試験のことです。
一般の方には「人体実験」と取られることがあるかと思いますが、「治験」に参加(患者・ボランティア)するのは個人の判断ですし、参加する前に医師からインフォームドコンセントが行われます。当然、参加拒否も出来ます。
この治験を経てそれらを集計して製薬会社が厚生労働省に申請して、審議されて承認されます。
3.に関しては、製薬メーカー等で動物実験を経て効果・毒性等が確認された後に、第1相、第2相、第3相試験を経て申請されますので、この間の試験を治験と言います。
従って、一般の患者に使用されるのは、申請されて製造承認されて、更に薬価収載されて発売されてからになります。

ご参考まで。

補足お願いします。
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この回答へのお礼

有難うございました。参考になりました。

お礼日時:2002/03/18 15:52

医薬品の開発にはいろいろな段階があります。



1、開発目標を設定
2、開発目標に合致するような作用を及ぼすであろう物質を探す
3、植物や動物によるスクリーニングテスト(いくつかあった場合にどれが一番効きそうかどうかをスクリーニング)
4、前臨床試験
 これは、薬効薬理試験・一般薬理試験・毒性試験・薬物動態試験に分けられます。
 要は、動物実験によって、ねらった作用が出るかどうかなどを詳しく調べます。
5、臨床試験
 これは薬物を人に使い始める段階ですね。三段階に分かれています。
 第一相臨床試験:少数例に行われます。健康成人男子に対して行われ、安全性を主に調べます。
 第二相臨床試験:少数例から数十例に対して行われます。患者さんに対して行われ、有効性・安全性を調べます。
 第三相臨床試験:多数例に対して行われます。患者さんに対して行われ、有効性を主に調べます。

この段階を経て、薬は発売されます。
しかし、発売された後も再評価され、その都度その薬を売り続けるかを決めます。
それに用いられるのが第四相臨床試験です。
多数例の患者さんに対して行われ、長期的にみた有効性や安全性を調べます。

従って、募集しているのは第一相臨床試験を手伝ってくれる健康成人男子です。
言うなれば人体実験ですが、動物実験をクリアしてきた薬ではあります。
あと、募集は昔からしていたはずですよ。
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この回答へのお礼

有難うございました。参考になりました。

お礼日時:2002/03/18 16:03

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