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No.5
- 回答日時:
anthraceneさんの回答を拝見させて頂いた後にgoogleでちょっと調べたのですが蒸留だけでも大学の授業の一コマで1年ぐらいかかるんですね。
大学の研究室で有機合成での蒸留(共沸と減圧)はしていたのですがあまりの深さにちょっとビックリしました。ただ物理化学での記憶ではベンゼン・水系は気液相平衡に依存しているので共沸だったと思います。
ちなみに抽出に関してですが溶けるという点では液体に限らず、気体、超臨界流体(液体でも気体でも無い状態)で固体や液体状態の混合物から目的物を分ける作業を抽出と定義していたと思います。気体から液体へと相が変わることによって溶けていた物質が溶けなくなるため、非常に単離が容易となります。最近グリーンケミストリーで有機溶媒の利用を抑えるために二酸化炭素を利用して混合物から目的物の抽出を行っています。超臨界状態で抽出を行い、常圧に戻すと二酸化炭素が無くなるので目的物のみとなります。水蒸気も気体の状態であれば液体より親油性が高いのですが、液体になるととたんに親油性が無くなります。水蒸気蒸留は理論段数が低いと認識していたので抽出に近いのかなと考えていました。
何か質問者の意図とはかなりかけ離れたかもしれませんね。すみません。
いえいえ、ありがとうございます。
蒸留って深いんですね~
なんだか、だた蒸留の事だけを調べようとしたけれども、
それだけでは理解し難い部分が沢山あるんだと分かりました。
抽出についても詳しく説明してくださってありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
共沸の場合もそうでない場合もありえます。
水蒸気の分圧+有機化合物の分圧=大気圧となって、有機化合物と水が一緒に蒸気として蒸留塔を上がってきます。
蒸留塔のてっぺんで冷やされて、水蒸気は液体の水に、有機化合物も液体(場合によっては固体)になります。
質問者さんが熱力学や状態図についてどこまで学習されているのか分かりませんが、気液の状態図について学習されていないのなら、以下の説明まで理解される必要は無いと思います。
まず共沸の場合だと、takes87さんの回答にあるとおり、蒸気中の水:有機物の組成は、出てきた液体中の水:有機物の組成と同じです。
共沸でない場合は、両者の比率は違います。
それでも出てきた液体には有機物は含まれており、これを取り出すことができます。
実際、共沸であろうとなかろうと、我々は水蒸気蒸留を使ってます。
そこまで深いことを考えてない、という説もありますが(汗
水蒸気蒸留と抽出は違います。
抽出は、例えばアニリンのエーテル溶液を塩酸と混ぜると、アニリン塩酸塩となって塩酸の方に動きます。これが抽出です。
あるいは、塩化ナトリウム(食塩)とアニリンをぐちゃぐちゃに混ぜた泥みたいなものをエーテルと混ぜると、アニリンは溶けてエーテル溶液となります。これも抽出です。
もっと良い例はいくらでもあるでしょうがいまいち思いつかず。
お茶の葉に熱湯を通すとお茶ができます(何を言っているのやら、という感じですが)。これも抽出ですね。
抽出とは、なんらかの化合物を、それが溶ける溶媒に溶かして取り出す操作です。アニリン塩酸塩は水に溶けますし、アニリンはエーテルに溶けます。
水蒸気蒸留の例として、ニトロベンゼンの合成実験を行って、ぐちゃぐちゃの混じりものからニトロベンゼンを水蒸気蒸留で取り出すというものがあります。
ニトロベンゼンは水に溶けません。従って抽出ではありません。
上述した水蒸気蒸留の原理に基づいてニトロベンゼンと水の混合物が蒸留により得られます。
分液すればニトロベンゼンを得ることができますね。
蒸留と抽出の違いはよく分かりました。
なんか凄く深く説明してくださってありがとうございます。
熱力学や状態図については全く触れていないです。
ただ、レポートの考察で、常圧・水蒸気・減圧蒸留について調べなさい。としか言われていなくて・・・
でも、だた単に蒸留だけ調べるのではなく、
色々なことが関連しているということがわかってよかったです。
ありがとうございます!!
No.3
- 回答日時:
anthraceneさんの水蒸気蒸留の説明は不均一共沸混合物に当たると思いますがいかがでしょうか?ちなみに共沸とは混合物の液体が蒸留の際の気体と、その後冷やされて液体になった時の組成が一緒の現象です。
エタノールと水の混合物は1気圧では何度蒸留しても96%エタノールにしかなりません。ウォッカなどで96%が最高のエタノール含有率といわれているのはそのためです。ちなみに水蒸気蒸留はその名の通り水蒸気を利用して高沸点の物質を得る方法です。主にアロマオイルなどを得るために使われています。原理は目的の物質が含まれている混合物の入った釜に連続的に水蒸気を導入し、出てきた水蒸気を冷却管に通し冷却すると水に溶けない高沸点の物質と水が受け器側で2層になって分かれて出てきます。水蒸気が高沸点の物質のキャリア(運び手みたいな感じ)となっています。どちらかというと蒸留より抽出に近い感じで使われています。身近ではエスプレッソがそれに近いですね。高圧の水蒸気で抽出することにより普通のコーヒーよりも多くの成分を抽出しています。
No.2
- 回答日時:
>1atmってことは・・・
そうですね。大気圧下で蒸留する、というと大げさに聞こえますが、要は単純な蒸留装置でやる場合はこれになります。
なお、空気あるいは水に不安定な化合物の場合、窒素やアルゴン雰囲気で蒸留を行いますが、この場合も不活性気体1気圧の閉鎖された装置(あるいは不活性ガスが常に流れている装置)で蒸留します。
水蒸気蒸留はやや分かりにくい方法かと思います。
水と混ざらない化合物(ベンゼンや石油などの有機化合物)を一緒に加熱すると、両者の蒸気圧の和が大気圧に等しくなったところで両者が一緒に出てくるようになります。
出てきた蒸気の中身は水と有機化合物の混じり物なわけですが、これらは分液操作により簡単に分けることができます。
実際には両者を一緒に加熱するのでは蒸留のスピードが遅く効率的ではないので、水蒸気を有機化合物にバブリングさせて通し、水蒸気に乗せて有機化合物を運び出す感じで行います。
凄いですね!!
常圧というのは一般的に行う、普通の蒸留の事なんですね。
水蒸気というのがイマイチ難しいですね。
でも、凄くまとめて下さって、とても助かってます!!
いつもどのように調べているのですか?
No.1
- 回答日時:
簡単にまとめてみると…
常圧蒸留(単蒸留)は大気圧(1atm)下での蒸留をすべていいます。液状物質から一定の沸点をもつ純粋な成分のみを取り出す操作です。
減圧蒸留は圧力を大気圧以下にすると、それに伴って物質の沸点も低下します。この性質を利用し、減圧下、高沸点物質や熱分解しやすい不安定な液状物質を常圧蒸留よりも低温で蒸留する操作を減圧蒸留といいます。
水蒸気蒸留も通常は大気圧下で行いますから、常圧蒸留の一種ですが、蒸留の原理が普通の蒸留と少し異なります。液体混合物中の高沸点あるいは熱分解しやすい非水溶性物質は単独で蒸留するよりも水蒸気と共存することによってはるかに低い温度で蒸留することができ、これを水蒸気蒸留といいます。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%92%B8%E7%95%99
わぁ~ありがとうございます!!
常圧のことを調べても全く分からなかったんですよ!!
1atmってことは通常の状態の蒸留ってコトですか??
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