参考書を読んでいて、「カルボン酸は「炭酸水よりも強い酸」であるから、炭酸の塩である炭酸水素ナトリウムや、炭酸ナトリウムと反応して、炭酸(水+二酸化炭素)を遊離させる(二酸化炭素を発生させる)」
と書いてありました。
酸性+塩基性→塩+水 っていうのは知ってるのですが、これは関係ないですよね・・・。
☆有機化合物で酸性を示すのはカルボン酸ってのは覚えましたけど、炭酸よりも強い酸とはどうしていえるのですか? これは高校の範囲内では暗記で済ませればいいでしょうか・・・?
☆「酸」と、「酸」の塩が反応するのがいまいちピント来ませんでした・・・
☆塩の定義は何ですか?
NaHCO3は、カルボンさんより弱い酸の塩のようですけど、 ナトリウムは塩基で、炭酸は酸だから中和反応みたな感じでNaHCO3は「塩」なんでしょうか?
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
弱酸の塩+強酸→強酸の塩+弱酸
という反応は良く出てきます。逆にこの反応が成り立つかどうかを実験的に調べて強弱の順位をつけることも出来ます。なぜこの反応が起こるかを高校では電離度で説明しています。
HClは強酸ですが酢酸は弱酸です。これは水中でどれくらい電離するかの程度の違いです。よく電離してH+をたくさん出す物質は強い酸です。弱酸は少ししか電離しません。
HCl→H++Cl-
はほとんど一方的に右側に進む反応です。これに対して酢酸は一部しか電離しません。0.1mol/Lで1%ほどです。
CH3COOH⇔CH3COO-+H+
酢酸は塩酸に比べてイオンに別れる性質が弱いのです。イオンに別れる性質が弱いということはイオンが出会ったときにくっついて元に戻る性質が強いということです。
酢酸ナトリウムの水溶液に塩酸を加えるとどうなるでしょうか。
CH3COONa→CH3COO-+Na+
HCl→H++Cl-
このH+とCH3COO-が出会うとくっついてCH3COOHに戻ります。酢酸の匂いが強くなります。
弱い酸の方がH+とくっつく性質が強いということです。
これは相対的な強弱に対して成り立つことです。炭酸ナトリウムの水溶液に酢酸を加えると泡が出ます。このことで酢酸の方が炭酸よりも強いと言うことがわかります。もし炭酸の方が酢酸よりも強かったら泡は出ないはずです。石灰石の中にある化石を浮き出させたいときは塩酸よりは酢酸の方が具合がいいです。塩酸は強すぎて全部溶けてしまいます。酢酸の場合は表面の凹凸を強調してくれます。
フェノールよりも炭酸が強いということも同じようにしてわかります。
教科書に出てくる酸は大きく4つのグループに分けています。
(1)>(2)>(3)>(4)
(1)塩酸、硫酸、硝酸
(2)酢酸(カルボン酸)、亜硫酸、
(3)炭酸
(4)フェノール
(2)のグループは他にもあります。カルボン酸の中でも強弱があります。
サリチル酸のようにカルボン酸とフェノールと両方の性質を持つものもあります。エステルも2種類在りますが酸の強弱によってどちらの酸の構造が残っているかを判断する問題もあります。
同じ事は塩基についても言えます。
弱塩基の塩+強塩基→強塩基の塩+弱塩基
NH4Cl+NaOH→NH3+NaCl+H2O
2NH4Cl+Ca(OH)2→2NH3+CaCl2+2H2O
2つ目の式はアンモニアソーダ法でアンモニアを回収するときに使われている反応です。
アンモニアは電離度の小さい塩基ですからNH4+とOH-が出会うと元に戻ってしまいます。
金属の水酸化物の塩基性は溶解度で決まるのですが電離度と同じように考えることも出来ます。溶解度の小さい水酸化物は水中にOH-をたくさん出すことが出来ません。弱い塩基になります。アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物は皆溶解度が大きいです。強塩基はこのグループの水酸化物だけになります。(だから「アルカリ」という言葉がついていると考えていいでしょう。Mgをアルカリ土類金属から外すのもアルカリ性が弱いのが理由とすればいいです。フェノールフタレインがかすかに発色するぐらいですからCaとははっきり差があります。)
2NaOH+CuSO4→Cu(OH)2+Na2SO4
の反応も同じ仕組みで考えることが出来ます。
なるほど、ありがとうございました!
はじめフェノールはOHだから塩基じゃ・・・?などとおもいましたが、フェノキシドとH+に電離するわけですね。なので酸性ということですね。ありがとうございました!
No.3
- 回答日時:
>酸と酸の塩が反応
無機化学でも、炭酸カルシウム(炭酸の塩)と塩酸(強酸)が反応して、炭酸(弱酸)が追い出される、という反応がありますよね?
別に有機酸だからといって何も違いはありません。同じことです。
カルボン酸と炭酸だとどちらも同じ官能基を持っているので、どちらが強酸?と理解するのは難しいですね。
残念ながら、高校化学の範囲を逸脱せざるを得ません。
もしも質問者さんが共鳴理論について授業で習っているのなら、説明はできますが、暗記されといた方が良いでしょう。
No.2
- 回答日時:
>☆有機化合物で酸性を…
水素イオンを炭酸よりも大量に生じさせる事が出来るから。かな?
正直質問の意味が分かりません。
>☆「酸」と、「酸」の塩が反応…
炭酸を近所のチンピラとします。
このチンピラは喧嘩が強いのでナトリウム君を配下に従えています。
道を歩いていると、もっと喧嘩の強いヤクザ(カルボン酸)が現れました。すると強い人についていくだけしか出来ないナトリウム君はチンピラを見捨ててヤクザとくっついてしまいました。寄らば大樹の陰って事ですね。
後には一人ぼっちになったチンピラが残されましたとさ。
と、たとえ話ではこんな感じです。
同じ酸性物質でも喧嘩の強いのもいればそうでも無いのもいる、って事です。
>☆塩の定義は何ですか?
中和反応によって生じる水以外の物質全般を塩(エン)と呼びます。
No.1
- 回答日時:
>酸性+塩基性→塩+水 っていうのは知ってるのですが、これは関係ないですよね・・・。
関係ありませんといった方がわかりやすいでしょうね。弱酸の塩(炭酸水素ナトリウム)に強酸(酢酸)を加えると、強酸の塩(酢酸ナトリウム)が生じて、弱酸(炭酸→二酸化炭素+水)が遊離する反応で、比較的ポピュラーな反応形式です。
>☆有機化合物で酸性を示すのは・・・暗記で済ませればいいでしょうか・・・?
暗記して下さい。
>☆「酸」と、「酸」の塩が反応するのがいまいちピント来ませんでした・・・
上述のような反応形式(弱酸遊離)です。つまり、酸の強弱が重要な要因になります。
炭酸ナトリウムは、形式的に、炭酸という酸と水酸化ナトリウムの塩です。ナトリウムが塩基なのではなく、水酸化ナトリウムあるいはOH-が塩基であると考えるべきです。塩基というのは、他の物質からH+を奪う性質がある物質であり、酸はH+を与える物質のことです。
酸、塩基には強いものや弱いものがあり、その強弱も反応に関係してきます。
「弱酸の塩に強酸を加えると、弱酸の塩が生じて弱酸が遊離」ということだったんですね。
弱酸と強酸が入れ替わるって感じみたいですね。
ありがとうございました!
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