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シクロペンタジエンの分子軌道をヒュッケル法で計算するために永年行列式を立式しようと思うのですが、シクロペンタジエンの一つのメチレンの扱いがよくわかりません。メチレン炭素を考えずブタジエンと同じ扱いをして良いのでしょうか。

分子軌道法については、最近独学で学び始めました。廣川書店の「分子軌道法計算入門」「~演習」という参考書を用いています。「~演習」は解法が丁寧に説明されていて、とてもありがたいのですが、この2冊だけでは私には少々難解すぎるようです。(古めかしい文章がちょっと苦手です^^;)

分子軌道法を学び始めるのに最適な参考書も合わせてお教え願えないでしょうか。
よろしくお願いします<m(_ _)m>

A 回答 (4件)

補足への回答ですが、エクステンドな内容なので、あー、そんなことあるんだ、くらいに聞いてください。



HOMOの上昇は、アルキル基の電子供与性で説明できます。
しかしLUMOの低下は説明できません。
だって、電子供与基は常に軌道を押し上げますから、LUMOが低下するのはおかしいです。
これは、C-Hのシグマスター軌道と、ブタジエンのLUMOが電子的に相互作用することで、より低エネルギーのLUMOが形成されるためです。
こういう、シグマ軌道(またはシグマスター軌道)が関与した共役のことを、超共役(hyper-conjugation)と呼びます。

おそらく、超共役と言う言葉が最初に出てくるのは、カルボカチオンをアルキル基が安定化する、という事実の説明のときでしょう。
アルキル基が電子を与える効果を「超共役」と呼びます。
一方、電子求引基(シリル基、CF3基など)が電子を引き寄せる効果のことを「負の超共役, negative hyper-conjugation」と呼びますが、この効果のことは、大学の普通の有機化学を習う場合は、一生耳にしないかもしれません。

わたし&zoo123さんが書いた、メチレンの効果には、超共役と負の超共役の両方が含まれます。
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この回答へのお礼

「超共役」というのは聞いたことがあるんですが「負の~」は初耳ですね。おまけに、なぜ電子供与性基が軌道を押し上げるのかさっぱりわかりません。

その答えを知るためにも、もっと勉強してみようと思います。


親切にお教えいただき、ありがとうございました。

お礼日時:2006/10/09 09:22

ためしに、低レベルのab initio法(ハートリー-フォック、基底関数は3-21G)で、シクロペンタジエンと、シクロペンタジエンからメチレンを除いたシスブタジエンについて計算してみました。


シクロペンタジエンの方がわずかにHOMOが上がり、LUMOが低下したことで、HOMO-LUMOギャップが縮小しています。
これはzoo123さんがコメントされておられる、メチレンのC-H結合のシグマ軌道、シグマスター軌道の効果によるものです。

しかし、その変化は小さく、No.2でも書いたようにヒュッケル法レベルでは無視できる(というか計算に現れない)レベルの話です。

以下は関係の無い話で、特に記憶される必要は無い余談です。
シクロペンタジエンだと、メチレンの効果は小さなものでした。
ところが、メチレン炭素をひとつしたの珪素に変えた化合物(シラシクロペンタジエン、シロール)では、その電子状態はシスブタジエンとはまったく異なります。特に、LUMOが大きく低下します。
これは、C-H結合のシグマスター軌道の電子的な影響が小さいのに対し、珪素のSi-H結合のシグマスター軌道は強力なアクセプターとして働くためです。
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この回答へのお礼

お返事遅くなりました。


>シクロペンタジエンの方がわずかにHOMOが上がり、LUMOが低下したことで、HOMO-LUMOギャップが縮小しています。

これは、アルキル基が電子供与性基として振舞う、というのと似たような考え方なのでしょうか?


>ところが、メチレン炭素をひとつしたの珪素に変えた化合物(シラシクロペンタジエン、シロール)では、その電子状態はシスブタジエンとはまったく異なります。特に、LUMOが大きく低下します。

同属の元素であってもその振る舞いは大きく違うのですね。炭素一つが窒素に置き換わっただけで、計算ができなくなっているような私にとっては、まだまだ先のお話のようです^^;


No.2でお勧めいただいた本は「有機化学への応用」ということですが私の知識が化学反応の予測などに応用するために追いついていませんので、十分知識が達したと思ったときチェックしてみようと思います。


ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2006/10/07 11:14

No.1さんのご回答と同意見です。


ひゅっける法で計算するくらいなら、シクロペンタジエンはシスブタジエンと考えて問題はありません。

きちんとした理論をおさえるには、No.1さんのおすすめの本などが良いでしょう。
有機化学への分子軌道法の応用については、
講談社サイエンティフィック
フロンティア軌道法入門
フレミング著、福井謙一訳
がおすすめです。
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シクロペンタジエンの分子軌道をヒュッケル法で計算するにはブタジエンと同じ扱いで良いと思います。

近似を進めた分子軌道法ならσ結合も考慮しますが、ヒュッケル法では同じで良いと思います。

お勧めの本は
「大岩正芳著 初等量子化学 化学同人」 はいかがでしょう。大変詳しく書かれています。
もともと、著者が「米沢貞治郎著 量子化学入門 化学同人」を理解するために書かれた本です。
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この回答へのお礼

お返事遅くなりました。

メチレンは考えなくても良いような気がしていたのですが、シクロペンタジエニルラジカルやカチオンの計算のときは、その炭素上の軌道も考えて計算しているようだったので念のため質問いたしました。(ラジカルやカチオンと一緒くたにするな、と怒られてしまいそうですが^^;)

お勧めいただいた本は早速チェックしてみようと思います。


ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2006/10/07 10:43

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