左利きと右利きでは右脳、左脳の位置が逆なのですか？

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質問者：mirana
質問日時：2006/10/06 22:34
回答数：3件

タイトルの通りの質問なのですが、左利きの人と、右利きの人の右脳、左脳の位置は反対だと聞いたことがありますが本当なのでしょうか。
脳に関するページを調べてみているのですがなかなか見つかりません。お願いします。

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回答 (3件)

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No.3

回答者： ruehas
回答日時：2006/10/07 11:01

こんにちは。

＞左利きの人と、右利きの人の右脳、左脳の位置は反対だと聞いたことがありますが本当なのでしょうか。

これは、厳密には間違いです。
我々の身体では左脳が右半身の運動機能を司り、右脳が左半身を受け持っていますので、それぞれの脳の機能が身体左右の運動能力に影響を及ぼすということはほぼ間違いありません。ですが、このような「脳半球の機能分化」と「左右優位（利き手、利き足、利き目など）」の関係はまだはっきりと分かっておらず、これには幾つかの問題を整理して考える必要があります。

まず、「左脳・右脳」といいますのは解剖学的な分類でありまして、これが逆に付いているというひとはこの世にはいません。身体・頭部の「正中線」に対して左にある臓器を左脳、右にあるものは全て右脳と言います。ですが、脳半球といいますのは「機能分化」しており、その役割というものが分かれています。このため、それぞれには「左脳機能」と「右脳機能」というものがあることになりますが、こちらは全てのひとがみな同じでというわけではありません。

左脳といいますのは主に論理的な思考を受け持ち、右脳は感性的な処理を得意とします。これはほとんどのひとでこのように決まっていますが、右脳の機能の一部が左右両方で発達していたり、それが左右逆であったりする場合もあります。では、「左脳機能」と「右脳機能」がそっくり逆さまという事例はほとんど聞いたことはありませんが、その役割分担には前述のような個体差というものがあります。ですから、それは決して全人類に共通ということではありませんので、左脳の機能は必ずしも左脳に発達しなければならないという理由も特に見当たらないんです。ですが現実には、我々人類の左右両機能の分担は圧倒的多数でほぼ同じでありまして、これがどうしてなのかはまだ解明されていません。

我々人間の場合は、左右両半球の機能分化で最も特徴的なのは言語機能の獲得でありまして、言語を扱うための「言語中枢」といいますのは生後、大脳半球の左右どちらかに発達します。左右どちらかとは言いますが、それは９０％近くのひとで左脳の方に形成されます。そしてそれ以外のひとが言語中枢を反対の右脳に持つか、あるいはたいへん少数ですが左右両方に言語機能を獲得します。
そして、このようにほとんどのひとが左脳に言語中枢を持っているのですが、その中で「右利き（利き手が右）」というひとの割合がまた９０％に上り、左利きは１０％しかいません。また言語中枢が反対の右脳にあるひとは左利きの比率が４０％ほどになりますが、やはり半数以上の６０％が右利きということです。更に左右両方に言語機能を持つひとも前述と同様に右利き６０％、左利き４０％という比率になります。
ここに挙げました統計数値は資料によってはかなり異なりますが、ひとつ確実に言えますことは、人類全体では「左脳に言語中枢を持つ右利き」というのが圧倒的多数であり、それは左右両半球の機能分化、特に言語中枢をどちらに持つかということと何らかの関係がある、ということですね。

このようなことから、左利きのひとは左脳と右脳が反対なのか？　というこのご質問には、左利きのひとの脳は右利きのひとと何処が違うのかということでお答えしなければならないのですが、それにはこれといった回答はなく、以下の三つがのケースが考えられます。

１．何処も違わない
２．左右で発達した機能が違う
３．左右で発達した機能のうち、言語中枢が反対にある

このように、左右両機能と利き手といいますのは統計的にもはっきりとした関係が見られるのですが、左利きでも脳の機能は右利きと同じ場合もありますし、言語中枢が反対の右脳にあっても右利きというひとはいるわけです。
そして残念ながら、
どうして人間の言語中枢の多くは左脳に獲得されるのか、
どうして人類では右利きが多いのか、
このようなことは、諸説はありますが、まだはっきりとは解明されていません。

但：左脳・右脳には「優位半球」「劣位半球」という解釈もありますが、一般的には左脳が優位脳であるとか、便宜上、言語中枢のある方を優位脳とするなど、これはあまり明確なものではありませんので、今回は説明を省かせて頂きます。