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先日「穀物相場」の翻訳を経験して、今まで身近に感じなかった産業翻訳に興味を持ちました。
それまで産業翻訳は専門分野がないと仕事にならないと聞いていたので、自分には絶対に無理だと思っていたのです。翻訳に関する本を読んだこともありますが、入り口がはっきり見えなくて具体的にどこから始めていいのかわからず、そのときは自分には向いていないという印象をもちました。

先日トライアルを経験した「飼料穀物の訳」ですが、ひょんなことから翻訳トライアル(の真似事かも知れないけれど)を受けることになって、初めは知識が皆無だった分野が、情報を収集するうちにだんだん見えてくるのは興味深い体験でした。
きっとこんな風に、今までの人生では「知らない」というだけで自分は興味をもてない、という分野が他にもあるのではないかと思います。
食べてみて初めて美味しさに気がつく、ということもあるかと思います。

そこで質問ですが、私のように今は専門分野はないけど、産業翻訳の仕事をやってみたいという者へのとっかかりはないものでしょうか?
どこから始めていいのかよくわからないのです。
でもやってみたいとは思うのです。

先日のトライアルが通れば、自分の興味からのスタートではないものの、産業翻訳の世界に足を踏み入れることができるとは思いますが、結果待ちの今、この質問を投稿させていただきたいと思います。

具体的に教えてください。
よろしくお願いいたします。

A 回答 (3件)

 


  参考書というのは、大きく分けると二種類になります。一つは、英和・和英のため、特定分野の専門用語を調べるためのものです。つまり、英語で単語として出てくるが、日本語では普通何というのか分からない場合が、専門的な分野の翻訳になると必要になります。例えば、「kerner の fill とは何のことなのか」。fill とは、実って来て、穀粒が段々大きくなり、内実が膨らんで来ることは分かるのですが、こういうことを日本語では何というのかです。「充填」と言いましたが、硬いと思います。「実り」のことですが、「成熟」かも知れません。もしかすると、小麦やとうもろしの栽培の世界では、「熟実」などという用語があるのかも知れません(こんな言葉はないと思います。ただ、知らない分野では、自分で考えるより、もし聞くことができるなら、そういう分野の専門の人に、日本語で何というのか聞ければよいし、聞けない場合、用語事典があって、英語の単語で、fill と引くと、とうもろこしの「実り」のことで、それに適切な用語がある場合は出てくるというものです)。
 
  もう一つは、そういう英和対照的な用語集がなく、日本語だけであっても、それを読むと、例えば、上の fill に当たることを、日本語では何と言っているのか、説明から分かるような本です。その分野について知識を得て理解するのに使います。或る程度、その分野についての参考書を見ると、fill は何と日本語で言うかが分かることがあり、作物の生長プロセスなども分かるのです。
 
  以下は、Amazon.co.jp から検索したものですが、大きな書店に行って、農学などの分野の所で、本を探し、「用語集」「事典」「辞典」、または「概説書」などを見て、その最後に「英語での用語索引」があるかどうかを調べます。英語の用語索引がかなり豊富にあれば、その分野での用語英和事典として使えるのです。
 
  実際に書店に行って、本を色々見てみて、用語集索引が付いているもの、いま自分がする仕事において、十分有効だと思える内容がある本などを調べます。以下のなかの文部省の「学術用語集」の「農学」の分冊本は、多分、英語の索引が付いているはずです。予めに、こういう単語を日本語で何というのか、という疑問で、候補英語単語を五つとか十個とか用意して、書店で、それらしい本があれば、英文索引があれば引いてみて、出てくるかどうか、また、内容を見て、それに対応する言葉が出てるような記述があるかどうか、調べて、今後のことも考えて、応用性のある本を購入するのです。
 
  アメリカでは、穀物や作物は、どういうものがあって、どういう風に造っていて、どういう風に売っているのか、などが書いてある本があれば、英文索引がなくとも、内容によっては、是非買っておいた方がよいということになります。目下の仕事においてはです。それを読むと、翻訳したような内容が載っていれば、丁度平行するので、そこで使われている用語を使えばよいということになるのです。
 
  とりあえず、アメリカの作物、作り方、売り方、貿易などの本でしょう。農学の本が必要だということです。それと、「経済用語事典」があった方がよいと思います。技術翻訳の場合、スタンダードな総合大型事典・辞典を先に三つあげました。商業翻訳では、どういう本があるのか、わたしは知りません。総合大型事典はないような感じがします。「商業英文用例大辞典」のようなものはあったと思いますが。ただし、これはかなり高かったはずです。
 
  とまれ、「経済用語辞典」は一冊は必要です。必要に応じて、色々増やして行ってもいいですが、これは経済関係の用語を調べようとすると断然、経済分野の用語辞典で引くのが、普通の辞書で引くのより合理的です。(何万円とかいう高い本は、よほど必要でないと買う必要がありませんが、経済用語辞典のような基礎的なものは、あまりに簡単なものは意味がありません。英和大辞典を引いて出てくるような用語しか載っていない辞典では意味がないのです。載っていない用語が載っている辞典です。4千円か5千円ぐらいはするはずです。もっと高いかも知れません。需要はあるのですが、高校生・大学生他一般社会人の膨大な需要がある英和事典や、大学生の需要が膨大な仏和辞典・独和辞典に較べ、経済学の英和・和英辞典は、やはり特殊なものになるのです。ビジネスで海外勤務する人には必需品ですが、日本国内にいる人には、あまり関係がないのです。ただ、貿易担当は必要です。それと、翻訳する人にも必要なのです。
 
  「貿易用語辞典」「貿易コレスポンダンス用例集」などもあった方がよいかも知れませんが、とりあえず、経済学経営学用語事典の方が優先します。経済学用語辞典なら、貿易用語もカヴァーしているからです、相場関係の用語もカヴァーしています。
 
  余談ですが、自動車は、もの凄い数のパーツでできているのはご存じでしょうか? 分解して行くと、シリンダーについている付属金具の名前まで細かく決まっているのが分かります。座金(ワッシャーです)の名前とか、ボルト、ナット、ねじ、なども色々種類があり、皆、名前が付いています。自動車は、分解図というか、どういうパーツがあるか、図になって、矢印で引っ張って、名称を示している本があるのですが(昔の本で、無論、翻訳に使う資料です)、これで見ると、千ではきかない数のパーツから自動車はできていて、全部、名称が付いています。
 
  英和大辞典では、そんな細かいパーツの名前まで出てくる訳はないので、自動車の内部構造が問題になる翻訳では、こういう資料を見ながら・調べながら訳すということになります。翻訳会社では、オフィスに本棚を置いていて、参考資料の書籍を並べて置いてあるところがあります。そういう書棚を見て、本を見ると、なるほど、こういう参考本が必要なのかということが分かります。しかし、自分で翻訳の仕事をしていると、必要な資料として、書店で色々本を探して購入すると、結果的に、翻訳会社の書棚と似た内容になって来ます。つまり、或る分野で、翻訳に役に立つ本というと、大体決まってくるということです。
 
  >「学術用語集―農学編」
  >文部省 (編集)
  >価格: ¥4,204
  >
  >単行本 - 962 p (1986/03/01)
  >日本学術振興会 ; ISBN: 4818186031 ; サイズ(cm): 19
  
  >「農業施設用語事典」
  >農業施設学会 (編集), 農業施設用語事典編集委員会 (編集)
  >価格: ¥4,000
  >
  >単行本 - 391 p (1998/10/01)
  >筑波書房 ; ISBN: 481190172X ; サイズ(cm): 18 x 13
  
  >「農業の基礎」農学基礎セミナー
  >鈴木 芳夫 (著), 津野 幸人 (著), 松本 重男 (著), 相原 修 (著), 上松 信義 (著)
  >価格: ¥1,619
  >
  >大型本 - 214 p (2000/03/01)
  >農山漁村文化協会 ; ISBN: 454000025X ; サイズ(cm): 26 x 18
 
  >「作物栽培の基礎」農学基礎セミナー
  >栗原 浩 (著), 蓬原 雄三 (著), 津野 幸人 (著), 山田 盾 (著)
  >価格: ¥1,714
  >
  >単行本 - 353 p (2000/03/01)
  >農山漁村文化協会 ; ISBN: 4540000241 ; サイズ(cm): 21 x 15
  
  英和辞典等については、次の質問の回答を見てください(もうご存じかも知れませんが)。
  
  >No.211310 質問:翻訳者必携の辞書は?
  >http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=211310
  
  しかし、貴方の回答を少しだけ読ませていただきましたが、貴方もたいへんだと思います。頑張ってください。それと、自分のための用語集は、手書きで紙に書くのが一番手っ取り早いですが、ワープロに入れておくと、あいだに新しい用語を追加できます。更に、データ・ベース・ソフトのなかに、辞書作成用データベースというのがあります。昔の単語帳を、データベースにするというソフトで、VECTORで、幾つかあったはずです。これの形で作成すると、パソコンで、自分専用の電子辞書が作成できることになります(わたしは、ソフトのダウンロードはしたのですが、実際に使っていません)。
   

参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=211310

この回答への補足

starflora さん、参考書の情報をこんなにもありがとうございます。
すぐにお礼を書きたいのですが、今日は本業で忙しいので、また帰ったらゆっくり
読ませていただいて、お礼を書かせていただきますね。
いろいろとアドバイスいただいて、本当に嬉しいです。ではまた後ほど・・。

補足日時:2002/04/06 05:45
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この回答へのお礼

starfloraさん、お礼が遅くなり、申し訳ありません。
再度じっくり読みました。
「参考書」のこと、細かく説明していただいて、よくわかりました。
仕事が確実に決まり次第、早急に大きな書店で見てきます。
翻訳という緻密なことが私にできるかどうかわかりませんが、一歩ずつがんばって
いこうと思います。
またどこかでお目に留まりましたら、よろしくお願いいたします。
本当にためになるお話をありがとうございます。
参考にさせていただきます。

お礼日時:2002/04/07 18:39

 


  わたしは、翻訳者になるのは、「コネ」と「チャンス」と「実力」だと述べたはずです。この三つはばらばらでなく、実力のある人にコネができ、チャンスが訪れるとも言ったはずです。貴方が英語の勉強をしていて、それを誰かが知っていなかった場合、チャンスはそもそもなかったでしょう。トライアルが合格で、仕事をもらえるというなら、それは非常な成功というべきです。
 
  >英語も28のとき再勉強を始めるまで縁はありませんでした。今はドライバーの仕事ですし、翻訳からは一番程遠い位置にいるということになるかも知れません。
 
  何歳の時、英語を再勉強したとか、何の関係もないです。3)の道で、履歴書と売り込みの文章を郵送すれば、トライアルは受けさせてくれると言わなかったでしょうか。要するに「実力」次第だと言ったのです。実績のある翻訳希望者は、いま獲得できたらしい仕事を半年でも一年でも続けられれば、それですでに実績になるし、まず、訳文が、そういう訓練を経過したのとしないのでもの凄く違って来るのです。
 
  ドライバーで、車の整備とまでは行きませんが、自動車のメカニズムについて知識がありますか? 何でもやっていること、経験していることが、「知っている世界」の知識として、役立つのです。もし、車の構造について、幾らか知っておられるなら、もう少し、またもっと詳しく知るように努力してください。車のメカから、その他の機械のメカへと知識が展開できるのです。(これは本当です)。
 
  >多分、回答にもあったように、これも翻訳のプロに任すほどの資金をかけられないケースだと思われますね。
 
  そんなことは関係がありません。その仕事で、お金がもらえれば、どういう経緯であろうと、貴方は、翻訳で収入を得たので、そういう人を「プロ」というのです。幾ら英語の力を自慢しても、翻訳実務でお金になる仕事をしていない人は、プロとは、呼べないのです。また、貴方は、翻訳のプロなどでは今ないでしょう。これは、2)のケースで、こういう有り難い話やチャンスは滅多にないのです。また、先方も、独り立ちできるまでサポートを付けてくれるというのは、またはサポートを認めてくれるのは、少なくとも、貴方を育成しようと思っているからです。翻訳料金は、もしかすると安いものかも知れませんが、実務の勉強をさせてもらって、経歴に実績が付き、その上、お金が稼げるというのは、非常に珍しい幸運なことです。
 
  貴方の延び方次第で、将来どういう風に展開するか、分かりません。ただ、云えることは、その仕事をこなせばこなすほど、貴方の実務翻訳能力は向上し、実績ができ、履歴書に書く時、「経験あり」と書けるのです。こんなGOOで(とは失礼ですが)、幾ら無料の翻訳をしても、そんなもの経歴の足しになりません。
 
  これまでの実務経験は、産業翻訳で、穀物相場のレポートの翻訳を、半年、これぐらいの分量、経験して来ました、と云えるのは、同じトライアルで同じ成績の場合、貴方の方が圧倒的に有利なのです。少なくとも、「最初の試験的な仕事」を出してくれる確率が非常に高くなります。「実務翻訳でお金を稼いでいました」というのは、貴方の翻訳技量にお金を出していた者がいたということで、なかなか、翻訳にお金など出さないのが企業です。企業は、無駄なものには金を出さないのはご存じでしょう。ともかく、頑張られて、実績を積まれることです。
 
  なお、仕事が来るのでしたら、この前訳した文章から、重要な単語や、これはよく使いそうな言葉を選んで単語帳とか造って、基礎勉強すべきです(わたしは、遙か過去のことになりますが、そういう自分で作成した用語集をかなりたくさん造りました)。また、とうもろこしとか大麦とか、その辺の生育状態ごとの名称を英語で何と言うのか、参考資料を入手すべきです。
 
  なお、参考書などは、英語で用語が乗っているもの、最後のページ当たりに、英語単語で、索引が付いているものを入手します。普通、こういう本を使って、翻訳者は翻訳をしています。(参考書や用語集は、本当に貴重なものなのです)。
  
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この回答へのお礼

starfloraさん、再度お世話になります。
starfloraさんに言われて初めて、自分がこれから経験することが、正真正銘の「実務経験」となるということをひしひしと感じました。
そうなんですよね、これは「翻訳の勉強」とか、トライアルとかではなく、経歴の一部に直接つながるのですね。
なんて有難いことだろうと思いました。
そしてこんな私にこんなにも親切に話を聞かせてくれる人がいてくれる。
starfloraさんの他の方の投稿への回答を拝見している限り、starfloraさんにとって書く作業は難しくはないことかも知れないけれど、確かに時間と労力を費やして回答くださっているはずです。そのことを思うと、本当に心から感謝したい気持ちです。
ありがとうございます。

>もし、車の構造について、幾らか知っておられるなら、もう少し、またもっと詳しく知るように努力してください。車のメカから、その他の機械のメカへと知識が展開できるのです。(これは本当です)。

そうなんですね。どんな仕事も翻訳に何かプラスになる見方ができるんですね。
これは目からウロコでした。

>仕事をこなせばこなすほど、貴方の実務翻訳能力は向上し、実績ができ、履歴書に書く時、「経験あり」と書けるのです。

本当に仕事が始まったら、立ちはだかる困難一つ一つを血にも肉にもして行かなくては、と思います。
がんばります。

ところで「参考書」とは例えばどういうものを指すのでしょうか?
「参考にする本」という意味ですか?
もしよろしければ教えてください。

お礼日時:2002/04/05 10:16

 


  どうも、こういう具体性のない質問には、誰も返答のしようがないとも思えます。ここのサイトはヴォランティアで回答している人が多く、本当の専門家は回答しないようにも思えます。
  
  「産業翻訳家」というのは、そういうのが本当にあるのですね。まあ、わたしが使う「技術翻訳」と「商業翻訳」が、産業翻訳の二大分野ということになるかも知れませんが。
 
  確か、「タイトルライターになりたい」という質問に対する回答で、わたしは、「実力」と「チャンス」と「コネ」だと書いて、ポイントが得られなかったです。しかし、他の人の回答は、質問者には有力な情報・回答と思えたのかも知れませんが、結局、わたしの言っているように、どんな学校を出ようと、どんなコースを取ろうと、この三つというのは変わりない原則なのです。どういうところに行っても、それなりに「目立たない」と、「コネ」にはなりませんし、「チャンス」も来ません。「タレント養成学校」とかに行けば、タレントになれるのかと言うと、そういうことはない訳で、そこで「コネ」というと、やはり、実力で「目立たないと」相手にされないということがあります。
 
  「翻訳者養成コース」とかに通っても、またそこの課程を卒業しても、そういうコースは、事業としてやっているので、実際に翻訳家になれるのは誰か、というようなことは、明示的には述べないはずなのです。また、そういうコースを優秀な成績で卒業したとか言っても、クライエントが試験してみて話にならないと判断されれば、それだけのことです。一時的には通用しますが、結局、「実力本位」なのです。
 
  産業翻訳者には、どうすればなれるか。あまり、こういう回答はないので、わたしが答えてみます。
 
  大体、三つのコースがあります。
 
  1)「翻訳家養成コース」などを出て、その直後、翻訳会社等に売り込みをかけたり、そのコース主宰者のコネで何か仕事の手がかりを貰う。こういうコースの主宰企業または主催者は、自分の所からプロの翻訳者が大勢出ていますと言うのが、宣伝になりますから、売り込みに協力してくれます。つまり、ここに、微かな「コネ」と「チャンス」があるのです。この時に、うまく実力を発揮でき、うまく、チャンスを掴んだ人は、翻訳家になれると云えるでしょう。
 
  2)普通の企業で勤務していて、何かのきっかけで、この翻訳をしてくれないか、と依頼されて、それを引く受けうまく対応し、次々に依頼が来るようになって、その企業または部署で、翻訳の依頼できるAAAさんとか言うことになって、翻訳会社に出すには、少し費用がなく、あまり難しくなさそうだという翻訳が、その人のところに回って来だした場合。または、企業は、「翻訳のできそうな社員」を最初から選んでいることがあります。翻訳会社や翻訳サービスに訳を出していては高いので、内部の社員にやらせようと言うことです。これは、社員ならよく業務内容に通じており、かつ企業秘密も維持できるので、かなり好都合なのです。こういう形で、ある企業のなかで、翻訳の仕事を実質的に数年またはそれ以上行い、「実績」ができた場合、場合によりますが、独立して翻訳家になるという可能性があります。企業に残る方が有利な場合が、多いですが、翻訳の実力が、あまりに大きくなってくると、翻訳者養成コースの教師でもできるとか、民間翻訳会社が、是非とか言うとか(そんなことはまずありませんが)、または、自分で翻訳会社を設立する方が、儲けがあると言うほど、実力や信用ができると、自立します。また、企業はあくまで、仮の仕事だと思っている場合、独立してやって行けると言うことにもなります。
 
  これと似ているのが、正社員ではないが、アルバイト的に、こういう翻訳や通訳をしてくれないか、という形で話があり、段々進んで、パートの翻訳者のような立場になることがあります。企業の側で、時間をかけて、訓練してくれるのです。こうして実績ができると、独立あるいは企業内の翻訳家として、一応、成立することになります。
 
  3)翻訳家として認められるには、「実績」が必要で、しかし、どこかで開始点が必要で、それは以上のような契機で、チャンスを得て、翻訳実績が蓄積できる場合です。しかし、上の二つとも縁がなくとも、「実力」が勝負なのが、翻訳業界なのです。自分の地域の大都市の職業別電話帳で「翻訳」を捜すと、大都市圏なら、数件から数十件があります。これらの翻訳会社に、履歴書と売り込み文書を送り、是非トライアルを受けさせてください、と郵便で送るのも可能なのです。翻訳会社が募集していなくとも関係ないのです。というのは、どこの翻訳会社も、実力のある、有能な翻訳者を求めているのです。履歴書の段階で落とされることもありますが、トライアルを受けさせてくれる翻訳会社が多いです。しかし、トライアルは、「見込みがある」というトライアルで、よほど優秀な成績の場合は別ですが、普通のレヴェルでトライアルを合格になっても、「予備人材」として名簿に載せてくれるだけで、それで仕事が来るのではないのです。「普通のレヴェル」というのは、もの凄く高いレヴェルだと考えてください。
 
  どうしてかと言うと、数年以上の実務翻訳実績があると初めて分かるのですが、単に英語が得意では、産業翻訳はものにならないのです。
 
  これ以上のことは、具体的場面がないと何も云えません。ただ、翻訳の仕事ができるには、実務翻訳の経験が必要で、実務翻訳の仕事をもらうには、実務翻訳の「実績」が必要で、と何か堂々巡りのような話になるのです。2)の企業のなかで、翻訳実績を積み、というのが、翻訳者になるもっとも有望な道だということが分かるでしょう。
  
  実際の翻訳経験があるとないので、まったく違って来るのです。産業翻訳とかの分野はあまりに広大で、色々なものがあり過ぎるのです。しかし、基本的な「実務テクニッック」というか、或る言葉は、こういう文脈ではこういう意味だというのがあり、それは、基本を把握すると、産業翻訳全体の分野で適用あるいは応用がきくのです。しかし、そういうテクニックを身につけるには、実務翻訳を色々と経験しないと身に付かないということで、ここで、また堂々巡りになって来ます。
 
  参考URLの回答で述べたのですが、商業翻訳は、実務経験が必要になります。貴方の場合だと、少なくとも五年以上は、社会人として、どこかの企業で、何かの仕事をしているはずです。貴方は、貴方の仕事の分野では「プロフェッショナル」なのです。少なくとも、どういう仕事であろうと、それで給料が出るのは、プロフェッショナルだということなのです。
 
  従って、自分の社会での「実務経験」を、まず中心に置き、(つまり、貴方が何の仕事をしているのか分かりませんが、その仕事はどういう仕事かは、貴方は分かっているのです。この「仕事が何か分かっている」というのが、強みになるのです。いわば、これが貴方の「専門」なのです)、そこから展開して、自分の経験で理解できる、どういう仕事か想像が付く分野に自分の手がかりを求めるのが、もっともスタンダードな道です。
 
  おかしな話なのですが、実は「産業翻訳家」は、「何でも知っていなければならない」のです。そんなことは不可能なことで、しかし、そういうことが求められます。翻訳家はどうするかというと、翻訳しつつ、調べ、学ぶのです。そうすると、ある所まで訳すと、最初の訳が間違いだと気づくことがあります。そこで、最初の訳を見直して、修正翻訳します。しかし、こういう作業ができるには、「あまりに分からないことが多すぎてはなりません」。つまり、産業翻訳文書で、或る程度、基礎になる知識分野、また辞書を引かなくとも、こういう言葉や、こういう表現は、こういう意味で、こういう訳語があるという知識蓄積が必要になります。
 
  そして、困ったことに、そういう実践的知識蓄積は、実際に翻訳作業を多くこなしていると身に付くということがあります。
 
  貴方の場合、トライアルが、まさに実務文書であって、翻訳会社が出す「トライアル用試験文書」でなかったのは幸運だったと思います。一応完結している、一つの文書全体を訳すというのは、非常に勉強になるし、また、全体の見通しが得られ、これは、翻訳経験の実績になるのです。翻訳会社のトライアルは、断片文書で、要するに、訳しにくい落とし穴が用意してあって、これをどう訳すか見てみるという形なので、こんなトライアルを幾つ訳しても、翻訳の実力に結びつかないのです。トライアルは、「実力を見るため」のもので、「実力を付ける」ための文書ではないのです。
 
  実力を付けようと思われるのでしたら、実務文書と、その模範翻訳……実際に翻訳家がどう訳してるのか、サンプルを入手し、そのサンプルを念入りに研究し、分析し、勉強することです。どこでそういうサンプルが入手できるのか、参考URLの回答のなかで、有益なサイトと紹介されているものがあります。どういうサイトか分かりませんが、産業翻訳家と自称している人の紹介ですから、有益なこと間違いありません。また、特許翻訳をしているという人の回答もよく読んで、紹介している文書(技術特許文書ですが)と、その訳を参照して見られることです。
 
  翻訳の基本テクニックを駆使して翻訳を造っていますから、どうやって日本語にするのかの勉強になります。また、技術文書は難しいですが、挑戦されることです。技術翻訳も商業翻訳も、それなりのツールがあります。基本的には、「用語辞書」です。穀物相場の話だと、「作物用語辞典」とか、名前は色々ですが、産業分野がある所、その分野の用語辞典があるのが普通です。そういう用語辞典を引くと、的確な訳語が出てきます。普通、産業翻訳家は、この種の用語辞典を、最低で数十冊、多くなると百冊とか二百冊とか持っています。タームに関し、的確な訳語を得ようと思えば、その分野の用語集を引くと言うのが普通です。用語辞典を引いてみて、英和大辞典を引いてみて、訳語を考えます。
 
  技術分野に限って言えば、技術用語は、少なく見積もって、50万語はあります。つまり、実際はこれ以上だということです。こんなものに、普通の大英和辞典で対応しようとしても無理なのです。分野ごとの用語辞典をコレクトし、また他方、マグローヒルの『科学技術辞典』とか、インタープレスの『技術用語辞典』とかを持っていないと、話にならないのです。『JIS用語大辞典』というのもあったはずです。これは、分野ごとに分冊のJIS規格本から、用語だけ集めて、対応英語単語と、用語の簡単な説明がついていたはずで、これは、基礎として、技術翻訳の場合、必要になります。
 
  必要に応じて参考書や用語辞典を買うのですが、問題は、それらの用語辞典に書かれている説明が理解できるか、です。技術分野の場合、基本的な理工系の素養がないと、まず、JISの本の説明を読んでも、そこで使われている日本語の単語の意味が分からないので、色々調べて行くと、段々分からなくなるということが起こります。
 
  色々調べると、段々分かって来るならいいのですが、分からないということが、分かることがあります。しかし、それも、チャレンジ精神次第かも知れません。数学や物理学や機械工学や電気工学の教科書を買ってきて、それらを見ながら、学びながら考えて行くと、ある程度まで追いつくことができます。
 
  これは技術分野ですが、商業分野では、経営学とか簿記とか財務諸表とか、貿易実務とか、色々あるわけで、専門知識がないのなら、身につけようと、思うぐらいの気概がないと、無理だということです。逆に「気概とチャレンジ精神」があれば、道が開ける可能性があるということです。
  
  >http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=235785
  

参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=235785
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この回答へのお礼

starfloraさん、お世話になります。
投稿後回答がないのは、私のした質問がstarfloraさんが回答の中でずばりおっしゃっているように、具体性がないせいだというのはわかっていました。
私が以前翻訳に関する本を読んで「私はお呼びでない」と感じたのは、やはりstarfloraさんがおっしゃっているように、「翻訳の仕事ができるには、実務翻訳の経験が必要で、実務翻訳の仕事をもらうには、実務翻訳の「実績」が必要で、と何か堂々巡りのような話になる」という図式があるとわかったからです。

私は30代後半の女性で、結婚が早く、恥ずかしながら5年以上の実務についたことがありません。英語も28のとき再勉強を始めるまで縁はありませんでした。今はドライバーの仕事ですし、翻訳からは一番程遠い位置にいるということになるかも知れません。

どうやら翻訳の仕事が決まりそうです。慣れるまでサポート付きでという条件で、仕事を紹介してくれている知り合いも協力してくれるそうです。
多分、回答にもあったように、これも翻訳のプロに任すほどの資金をかけられないケースだと思われますね。

確かに先日のトライアルが実務文書だということはラッキーだったと思います。
入り口は私でもよいということで、ここは勉強しつつ頑張っていきたいと思います。

詳しい説明をありがとうございます。
貴重な情報として大切にさせていただきます。
本当に参考になりました。

お礼日時:2002/04/04 18:32

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