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映画の中でのT-REXは地響きを立てて歩いています。
でもあれではすぐに相手に気取られてしまいます。
捕食者としては失格ではないでしょうか?
あれは恐怖をあおる演出・虚構なのでしょうか?
ちなみに体長は約11~15m、重量は5~6トンと推測されているそうです。

よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

こんにちは。


アフリカ象は歩いても地響きはしませんが、走れば「ドドドッ」といったような音がしますよね。歩くときに音がしないのは、四足動物は地面に足が着くまで体重が必然的に支えられているからです。
では、我々二足歩行の人間が「忍び足」をする場合は、片方を床に着けるまではもう片方で体重を支えているという動作を意識的に、あるいは巧妙に行わなければなりません。T-REXは骨盤の形状から「獣脚類」と分類される、二足歩行を武器に時速60kmという移動能力を獲得した最強の肉食竜ですが、その構造上、この「忍び足」とうのはかなり苦手だったのではないかと思います。

「象という動物は走るか?」というのを研究した学者さんがいます。「走る」といいますのは四足の全てが地面を離れるときがあるかどうかということです。そして、この条件を呑んだ上で象はちゃんと走るそうです。当然、着地に際しては全体重が掛かりますので、地響きのような音がするわけですね。
「獣脚類」であるT-REXの骨盤は、地面に対して鉛直な二足を前後に動かせる形状になっています。アフリカ象や「竜脚類」などの四足草食竜とは異なり、二足を以って身体の重心を支えているため、移動するときには前傾姿勢を執り、後部の巨大な尾によってバランスを保っていたと考えられています。これにより、俊足の狩人としてその名を轟かせたわけですが、これではやはり、静かに歩くには不向きだったと考えざるを得ません。

歩くときだけは前身を起こし、東宝ゴジラのようにゆっくりと歩いたということも考えられます。ですが、これでゆきますとエネルギー効率が極端に悪く、陸上動物の歩行運動としては例外、つまりT-REXは動物学的に非常識ということになってしまいます。ならば、T-REXに最も適した歩き方というものを計算しますと、その歩行速度は時速6.4kmと、普通に歩いてもアフリカ象の二倍以上の速さになるということだそうです。実際に地響きがしたかどうかは分かりませんが、体重を前かがみに「ドスン、ドスン」といった、たいへん無神経な歩き方だったのではないかと思います。
では仮に、ゴジラ歩行でゆっくりと進むことができたとしまして、爬虫類であるT-REXには果たして、猫科の哺乳動物のような「獲物に忍び寄る」などという習性や知恵があったかどうかです。

T-REXは視覚よりも臭覚が発達しており、専らこれによって獲物を探し出したと考えられます。
猫科の肉食動物の足には、足音を消すための「肉球」というものが発達しているだけではなく、茂みに潜んだり、用心深く忍び寄ったりといった狩人としての習性が備わっています。ですが、現存の肉食爬虫類でありますワニにはこのような巧みな行動はありません。主に聴覚を頼りに音のするもの、動くものには即座に反応し、ただ一気、一思いに食らい付くだけです。恐らく、水音がすれば石でも飲み込んでしまうのではないでしょうか。ワニが水の中で動かないのは、それは潜んでいるのではなく、体力の消耗を防ぐためです。
T-REXは爬虫類の脳しか持っていません。獲物の臭いを嗅ぎ当てたならば迷わず突進し、その鋭い牙を突き立てて有無も言わさず狩り倒してしまったのではないかと思います。竜脚類・四足草食竜には時速60kmの突進から逃れる術はありませんので、結局はこのパワー・バランスによってT-REXの食生活は成り立っていたということになるのではないでしょうか。

質問者さんの仰る通り、T-REXには猫科の動物のような巧妙な狩りのテクニックはなく、視覚もあまり発達していませんでした。ですから、強靭・無敵ではありますが、必ずしも最高のハンターであったとは言えません。まして、獲物には幾らでも恵まれるなどということはまずありませんので、野生の世界では狩りのチャンスは確実に物にできなければなりません。このため、T-REXは捕食者プレデターであると共に、死肉を食べる腐食者スカベンジャーでもあったのではないかという説もあります。
T-REXが一日に必要な食料は約50kg、人間ひとり食べれば十分です。何トンもの草食竜を倒しておいてひとかじりかふたかじりで終わりなど、そのような贅沢は生物界では許されません。つまり、生態系自体の効率が悪すぎるんですね。仲間を連れて来て綺麗に平らげるか、何日か掛けて食べられるだけ食べるかしなければ、T-REXは毎日全力で狩りをし続けなければならないことになります。運悪く獲物を逃してしまうならば、下手をすればお腹を空かして力尽きてしまいます。
このようなことから、質問者さんがご指摘をなさいま通り、もしT-REXがそれほど優れたハンターでなかったとするならば、ある程度は死肉によって食い繋ぐ必要があったのではないかというのが、このスカベンジャー説のひとつの裏付けになっています。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
大変参考になりました。
T-REXが忍び足が苦手だったとすると、待ち伏せしていたのかもしれませんね。
すると生息環境は森林であったことになります。
草原では逃げられてしまいます。(背も高いですし)
ただ狩のスタイルが「待ち伏せ」ならあんなに速く走れる必要がないのですが。
瞬発力さえあればいいわけですから。(とかげのように)
群れで狩をしていたのかもしれませんね。

>T-REXは爬虫類の脳しか持っていません。
 T-REXはものを立体的に捉えることができるように、目が前を向いています。
 これにより知恵が発達したと思います。脳の容量も大きいですし。
 知的に狩をしていたようにおもえてなりません。

>T-REXが一日に必要な食料は約50kg
 そんなに少ないとは知りませんでした。
 食いだめできそうですね。
 屍肉も食べていたと思います。
 ハゲタカ翼竜とかいたかもしれませんね。
 空からだと発見にとても有利です。

お礼日時:2006/10/20 18:04

映画「ジュラシック・パーク」では、T-REXは時速80kmくらいで


走る、という設定でしたが、最近の学説では「まったく走れなか
ったのでは」というのもあるそうです。死肉を食べていた、とか。

映画では、尻尾をあげてバランスをとって走っていますが、尻尾
を地面につけて、三点でやっとバランスをとって歩くのがやっと、
という説もあります。

確かに、地響きを立てていたら逃げられてしまいますよね。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2006/10/20 17:47

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