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ポリエチレンの結晶化度をDSC測定で求める場合,ΔHを100%結晶状態のポリエチレンのΔHで割るかと思います.この100%結晶状態のΔHの値はポリエチレンの分子量やその他の違いによって変わるものなのでしょうか?例えば100%結晶状態のLDPEのΔHと同じく100%結晶状態のUHMWPEのΔHは異なるでしょうか?できれば理由もあわせてご教授いただけると助かります.

A 回答 (2件)

私は高分子結晶の専門家でないのですが,わかる範囲で・・・


結晶性高分子の結晶部分が示す現実の融点は,その分子構造,分子量,熱履歴などによって大きく左右されます。
文献に載っているいわゆるΔHはたいてい,平衡融点を示す結晶の融解熱を指すもので,いくつかの条件を振って測定した結果を外挿して得られる値だと思います。理想的な状態です。
それに対して実際のDSCで得られる融点は,たとえ昇温速度を非常に遅くして冷結晶化過程を十分に通過させたとしても,できあがる結晶は不完全です。
冷結晶化のあとに測定される融点は平衡融点よりも低くなり(つまりΔHが小さく,ときには1/3にもなります),上記の文献値ΔHが当てはまらなくなります。
ですので,DSCの融解面積から文献値ΔHを用いて結晶化度を出すのは,それだけの大きな誤差を含む可能性があると考えるべきです。
やはり広角X線回折測定の方がよいと思います。
しかしDSCでももっと良い方法があるのかも知れませんが,室温付近の物性を調べるのに熱履歴を与えてしまうDSCを使うのはどうでしょうね?
また,このあたりについては「熱分析」関連の書籍が参考になるとか。
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結晶性のポリマーは、そもそも100%結晶状態にはなりません。


(すべてのポリマーにおいて)
結晶部と非晶部からなります。
最も単純な骨格といえる直鎖状ポリエチレン(HDPE)においても、
結晶化度はせいぜい、60%?くらい(測定法によって異なる)です。
なぜ、同じ骨格で結晶部(ラメラを形成する)と非晶部に分かれる
のかについては、未だに解明されておらず、興味深い問題です。

このことを前提にご質問に回答させていただきますと

分子量の大きさは、ラメラ厚に関する問題であり、融点に影響はあり
ますが、結晶化度への大きな寄与はありません。

ポリエチレンの100%結晶状態のΔHは仮想状態を仮定して計算により
求めた値です。この仮想状態については、知識不足でお答えできませ
んが、文献を遡れば確認可能だと思います。ただ、言えるのは分子
鎖は直鎖を仮定していることです。
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