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宇宙線をプラスティックシンチレーターで光に変え、フォトマルで光電子を増倍させてからディスクリミネーターでデジタルパルスに変換して粒子数をカウントする
という非常に基礎的な実験についてなんですがいろいろわからないことがあります。

1.パルスはオシロスコープで見ると、縦軸が電圧、横軸が時間として波形が観測されますが何故電圧が測れるのでしょうか?フォトマルによって電子が増倍された直後、導線を通る電子が増えて電流が増えるのはわかりますが、それをオシロの内部でオームの法則を計算して電圧を割り出しているのですか?

2.デジタルパルスにする理由についてですが、ある一定以上の電圧を持ったアナログパルスをデジタルパルスに変換することによりディスクリミネーター内でそれをカウントできるということですか?だとしてもそれ以外に利点はあるのですか?

少々長くなってしまいましたがお願いします。

A 回答 (3件)

>導線を通る電子が増えて電流が増えるのはわかりますが、


>それをオシロの内部でオームの法則を計算して電圧を割り出しているのですか?
ここで jimihenn さんが書いている導線という言葉がちょっと引っかかります。
もしかすると、増幅された電流が Phototube のおしりから外に出ていって、
オシロの中に流れ込んでいくというようなイメージを持っていませんか?

Phototube に電圧だけかけて、出力に同軸ケーブルを繋がない状態を考えてみてください。
増幅された電流は Phototube 内部に流れて、出力のコネクタ部分には
Phototube 内部の最後の抵抗にかかる電圧と同じ電圧になっています。
(Phototube の構造は知っていますね。)
この電圧が同軸ケーブルを伝わっていきます。

また、オシロの原理は簡単には
並行平板コンデンサーの間を電子が通り抜けて表示部分に到達すると考えてください。
先の同軸ケーブルから伝わってきた電圧(芯線と外枠の金属にかかる電圧)が
オシロ内部のコンデンサーの両極板にかかります。
したがって、高い電圧がかかると間を通りぬける電子は
たくさん曲げられて表示部分に到達することになります。


>だとしてもそれ以外に利点はあるのですか?
複雑な実験になると、afuroinu さんの仰るように2つのシグナルの
coincidence をとるなどして、ある条件下でほしいデータを取ったりします。

たとえば、今 jimihenn さんがおこなっている実験に似たようなもので、
2枚のシンチを重ねて、降ってくる宇宙線のうち
1枚目のシンチで止まる宇宙線をカウントしたいとき、
条件としては、1枚目が光って2枚目が光らなかったときの個数を数えることになります。
こういったときにも、まずそれぞれのシグナルをディスクリをとおしてデジタルにし、
2枚目のシグナルを反転させたものと、1枚目のシグナルの coincidence をとるということが出来ます。

新しい粒子が発見されたなどを実験で言うためにはかなりの精度を必要とします。
最先端の実験では、使用した Phototube 1本1本全てについて
何ボルト電圧をかけるとどれくらいの大きさの出力をするか、
(同じ型番のものでも異なる値を示すので)
Phototube それぞれにつながるディスクリでデジタルパルスにする際
ディスクリの threshold (閾値)をいくらにしたかなど、事細かに調べられています。
ノイズがどんな悪さをするかわからないといった状況では実験は成り立ちません。
理解できていないものは使わないという方針で実験が行なわれています。


過去のニュートリノに関する質問や、このような宇宙線実験をされていることから
jimihenn さんは物理学科の3回生以上の方ではないかと思うのですが、
そろそろこのようなサイトでは解答が得られなくなると思います。
もし、物理で先に進むつもりでしたら、自分で調べて試行錯誤し、
解答を導き出す訓練をしておくことをお勧めします。
研究室の教官や先輩も利用してくださいね。
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この回答へのお礼

詳しいお答えありがとうございます。
guiterさんにもかなりお世話になってます。

>増幅された電流が Phototube のおしりから外に出ていって

すいません、そんなイメージでした。ちゃんと考えてみるとありえないです。

>そろそろこのようなサイトでは解答が得られなくなると思います。

僕のレベルではまだこのサイトでも通用しそうですが、解答がつかないぐらいの
疑問を抱けるようがんばります。

お礼日時:2002/04/19 02:10

オシロで波形をみるとわかると思いますが、フォトマルは非常にノイズが多いです(熱電子など)従ってディスクリのスレッシュホールド(これ以上のパルスがきたらシグナルとしてカウントする)を高くすればノイズを減らせます。

が、弱いシグナルも落とされるので、効率が悪くなります。つまりスレッシュホールドの値はS/Nが良く、かつ、効率の良いところに設定されるのがベストです。

蛇足ですが、二つのシンチを上下において、二つのシグナルの同期(コインシデンス)をとれば、S/Nは相当良くなるはずです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2002/04/19 02:02

完璧に理解しているわけではないので、一部推測ですが。



1.フォトマルの出力電流を抵抗器に通して、その両端に発生した電圧をオッシロに接続していると思います。
2.ディスクリミネータとは弁別器だったと思います。つまりある一定レベル以上のパルスのみを選別しています。アナログパルス/ディジタルパルスと言う考え方もありますが、必要なパルスのみを選び出して整形し、カウンタを正確に動作させるようにしていると思います。必要なものだけを確実にカウントする。それがメリットだと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
非常に良くわかりました。カウントを正確にするということですね。

お礼日時:2002/04/19 02:00

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