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アウグスティヌス『告白』(山田晶 訳)を読んでいると、「カトリック教会」という表現がなされている箇所がありました。一般的に「カトリック教会」のラテン語での表現を調べたところ、"Ecclesia Catholica"。「普遍的な教会」という意味のギリシャ語が語源がであるということがわかりました。

アウグスティヌス『告白』での「カトリック教会」が、上で調べたものと同じラテン語が使われているだろうと推測しての質問なのですが、

1.「普遍的な教会」とわざわざ表現しているということは、当時それに対をなして「普遍的でない教会」キリスト教諸教派を意識しての表現だと思うのですが、「普遍的な教会」という表現はいつ頃のテキストから現れるのでしょうか?

2.アウグスティヌスの『告白』の中での「普遍的な教会」を「カトリック教会」と山田晶さんが翻訳しているということは固有名詞として扱っていることを意味しますが、実際、「普遍的な教会」が固有名詞として意識されることになったのはいつ頃だとお考えでしょうか。

3.当時の「普遍的な教会」の母体はズバリなんでしょうか? 素人考えでローマ国教として認定された団体と考えていたのですが、認定当時の正統と異端の関係について、母体が諸派を抱え込んでいて分裂したと考えるべきなのか、それともすでにキリスト教は諸派に分かれていて、ある派のみが国教として認定されたと考えるべきなのでしょうか。

わかる範囲で結構ですので、どうかよろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

http://en.wikipedia.org/wiki/Catholicism#The_ter …
によれば、西暦107年が初出だそうです。
アウグスティヌスが ~430ですので、かなり前が初出です。

1:上記の通り。
2:上記の内容と、塩野さんのローマ人の歴史最終巻から推測するに、アウグスティヌスが声高に言い出したみたいです。
マニ教からキリスト教に帰依し、異端が優勢であったアフリカに於いてキリスト教を考えた彼ならではの発想ではないかと
3:母体は五大教会

ちなみに、http://en.wikipedia.org/wiki/Catholic によれば 東方教会も
The Eastern Orthodox Church also identifies as Catholic, as in the title of The Longer Catechism of the Orthodox, Catholic, Eastern Church.
で、カソリックであるよし。

この回答への補足

MSNのエンカルタ
> 専門用語としての「カトリック」は、3世紀初頭には確立していたようにみえる。
http://jp.encarta.msn.com/encyclopedia_761554551 …
について、根拠となる出典をご存知でしたら教えてください。

補足日時:2007/01/13 14:11
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
ご紹介いただいたウィキの項から、知りたいことがだいたいわかりました。

1.107年、アンティオキアのイグナティウスがスミュルナの信徒にあてた手紙が初出のようですね。
関連して、同時代のことが書かれている新約聖書の使徒言行録も読んでみました。2世紀初め、アンティオキアがキリスト教の重要拠点だったことがよくわかりました。
他HPによるとアンティオキアのキリスト教徒は、異教徒出身のキリスト教徒と割礼を受けていたキリスト教徒から構成されていたということで、イグナティウスの使う「普遍的」という言葉が活きるとのことでした。誰もが信じる真理という意味合いとするならば、「普遍的」という言葉は「相対的」ではなく、「絶対的」な用法の印象を受けました。

2.1で知ったキーワードでWEB検索をしてみますと、MSNのエンカルタに
> 専門用語としての「カトリック」は、3世紀初頭には確立していたようにみえる。
http://jp.encarta.msn.com/encyclopedia_761554551 …
とありました。
ただ、どのテキストを根拠にしたのかは明確にはわかりません。次のHPであげられているようなテキストのどれかに書かれているということでしょうか。
http://polylogos.org/philosophers/christ.html
> 塩野さんのローマ人の歴史最終巻から推測するに、アウグスティヌスが声高に言い出したみたいです。
とご紹介いただきましたので、他の歴史家の意見も参考にしつつ、自分でも調べられるところまで調べてみたいと思います。

3.五大教会、つまり使徒が布教活動をしていった中で拠点となった場所、エルサレム、アレキサンドリア、アンティオキア、コンスタンティノープル、ローマに属するキリスト教徒すべてですね。

ありがとうございました!

お礼日時:2007/01/13 14:01

直接の回答ではありませんが、カトリック(普遍的教会)に対して、オーソドックス(正統教会)が使われます。



オーソドックスは、正教会の事を指し、ギリシャ正教会、ロシア正教会、ブルガリア正教会、ルーマニア正教会、グルジア正教会などがあります。
カトリックが、西ローマ帝国の系統なのにたいし、正教会は、東ローマ帝国の系統のキリスト教です。

両者が分離するのは、ビザンツ皇帝レオ3世による聖像破壊問題のころから(726年)で、1054年に完全分離します。

3.に関してですが、ローマ帝国でキリスト教が国教とされた際には、まだ分派という概念がありませんでした。
ただし、正統主義的考え方と、グノーシス的考え方の2系統が生まれています。
またローマ帝国時代は、5大教会制で、ローマ教会が絶対的地位を持っているわけではありませんでした。
アレキサンドリア、エルサレム、アンティオキアの教会が、イスラムの勢力下で、衰退すると、ローマ教会とコンスタンティノープル教会との間で、主導権争いとなり、ローマ教会ががカトリックを、コンスタンティノープル教会がオーソドックスを名乗ります。

両教会の分離当時までの大きな異端とされた教派は、アリウス派、ネストリウス派、単性派があります。
分離当時、オーソドックスは、単性派(ヤコブ派・アルメニア教会)と二元論派(パウロ派とボゴミール派)という異端を抱えていました。
カトリック側でも、分離後二元論派(カタリ派)や教皇否定派(ワルド派)といった異端が登場します。

この回答への補足

3について、五大教会の中に
> 正統主義的考え方と、グノーシス的考え方の2系統が生まれています。
ということは、その母体の認定当時の状態はどうであれ、それ以前に解釈の違いを含み持っていたということでよろしいでしょうか。
すばり母体とは、グノーシス派も含んでの五大拠点を中心としたキリスト教会?

補足日時:2007/01/13 14:04
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この回答へのお礼

早速のご回答、ありがとうございます。
直接のご回答ではありませんが、分裂後のキリスト教の分派がまとめられていて、ためになりました。
私もこの本を読むまでは、オーソドックスに対して、カトリックという概念だと思っていたので、すでにカトリックという表現が使われていることに驚いて質問させていただきました。

お礼日時:2007/01/12 23:08

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