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なぜ、中世ヨーロッパの「刀」は「刃つき」でなく、「ピン型」ですか? まさか、「刃」をつける技術力がなくて、やむをえず、「とがったもの」と作るしかなかったと? 日本では、「切る」形で相手を倒すけれど、ヨーロッパでは、「突き刺す」形となったのはどういう理由からでしょうか? 当時のアラビアでも、「刃の広い刀」を使っていたはずですが。。。

A 回答 (13件中1~10件)

#3です。

補足します。

私の後に、いろいろお詳しい方が書いておられますが、武器としての刀・剣と道具(装飾)としての刀・剣についいて補足します。

もともと、刀・剣は武器として戦争で用いられ、段々発達してきました。
武器としてみた場合、刀でもこん棒でも、敵を殺さなくても無力化すればいいのです。また戦闘中に武器が使い物にならなくなっては困ります。さらには、安く作れるほうがいいですね。
ということで、古代、戦闘用には太くて折れない剣が最初に登場します。その後接近戦用や騎馬戦などに短刀や槍などが出来てきます。しかし戦争は白兵戦が基本ですから、より折れにくくしかも鋭い刀・剣が必要になっていったのです。

また戦闘方法も無力化すればいいのですから、殴る・蹴る・切る・突く何でもありです。しかし切ると、折れるかもしれない・刃こぼれするかもしれない、というわけで、どのような刀でも突くというのが重要な動作になります。アラビアの「刃の広い刀」は騎馬戦を主体とした民族だったため、馬の上から切りつける(というか叩きつける)ことで、相手を無力化したため、切ることを犠牲にして叩くこと・折れないことに重点を置いたつくりになっています。

その後中世に入り、古代的な戦争が減ってゆき、社会も階層化が進みます。そうすると、もともと身を守る刀・剣が階層を表す重要な道具になって行きます。また銃が発明された後は、なおさら装飾化します。
日本でも、刀は武士の命といいますね。中世から近世のほかの国でもこの傾向が現れました。
しかしそうすると問題が起きます。本当に戦争に使えるような、頑丈な武器は常に携帯し、権威を表すにはちょっと重過ぎます。ですので軽く扱いやすい武器に変化していきます。もちろん武器ですから最低限の機能はあります。ヨーロッパの武器は突くことだけを主体にして軽く細くなりましたし、日本刀も細く持ちやすくなっていきました。

つまり刀・剣には使い型や用途によっていろいろなものがあるのです。また他の国と書きましたが、他の国の歴史もいろいろですので、大体このように進んだのだと思ってください。

ですので、私のお礼に戴いた「切れない刀」もまったく切れない分けではありません。戦争用ではないということです。もっとも江戸時代も後半になると、武士の2本差しも本当に権威を表す道具になってしまいますので(ほとんどの武士が剣術訓練しないし)、お金に困った武士は刀を質に入れ、竹製の刀身を鞘に入れてもっている人もいたのです(竹光と揶揄されました)ですから「切れない刀」を持っている人も本当にいたようです。
また日本刀の斬るについてですが、日本刀だけは斬ることができ、また刀身も斬ることを前提にカーブがつけてあります。時代劇で刀を納めるときにかっこつけているように見える動作も、カーブに沿って刃を傷めないように鞘に収めるため、必要な動作です(ま、カッコもつけていますが)
ですが、実際に斬りつけるとすぐに刃こぼれしてしまいますので、何人もと対決しなければならないときは、突きのほうが有効です。
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この回答へのお礼

私のあまりの無知さにあきれている回答者が多いにもかかわらず、またまた回答をくださって有り難うございました。うーん、たかが(?)剣の話でも、もうあんぐりしたくなる(?)知識が広がっているのですね。わざわざ長い回答を出してくださって申し訳ない気持ちです。では、感謝のメールまでに。

お礼日時:2007/01/26 12:11

それから、もう一点だけ。



意外に思う方もおられるかと思いますが、戦国時代ともなると、日本刀は実は戦場では主流の武器ではありませんでした。
弓や鉄砲などの飛び道具を除けば、槍が戦場での主な武器だったのです。

これはしごく当然でして、剣術の達人を除けば、リーチの短い刀よりも長い槍の方が戦闘力が高いからです。
賤ヶ岳の戦いで功績をあげた加藤清正や福島正則が賤ヶ岳の七本槍と呼ばれたり、戦国時代で出世した家が「我が家は槍一筋でうんぬん」という話を聞けば、理解できるかと思います。


では補助的な武器にすぎなかった日本刀に、なぜ斬る機能が重視されたのか?
敵を倒すだけなら、No.11の方の回答にあるように、鎧の隙間から突き刺す武器で十分でしょう。

その理由は、日本の合戦の習慣にありました。
日本では合戦のあと、首実検というのをかかさず行いました。
戦いで功績のあった人を評価するにあたり、具体的に敵を殺した証拠として相手の首をもってこさせたのです。
そして、兜首(指揮官はたいてい兜をかぶっている)でいくら、雑兵でいくらといった具合に褒美を与えたわけです。

さて、そうなると槍やその他の突き刺す武器だけでは、敵の首をとることはできません。
また、いくらよく切れても、小刀では不十分です。

したがって、適度な長さをもち、しかもよく切れる日本刀が戦場の必需品となりました。
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この回答へのお礼

自分としては、単に「剣の問題」だけ疑問を持っていたんですが、まさか、「首実検」という事実までには、気がつきませんでした。うーん、そういう要因があると、武器も変わるのですね。いまどき、「首実検」はないでしょうが、イスラムあたりにはありそう?? だとすれば、未だに、刀を振り回すのは当然かな? なるほど、参考になる回答を有り難うございました。では、感謝のメールまでに。

お礼日時:2007/01/26 13:29

えー、なにやら剣術の話をされている方がいますが、私は剣道の方面から考察を進めます。



宮本武蔵など、世に言う「剣豪」が出てきたのは戦国時代からですが、当時は既に日本刀は「斬る」ことが主眼の武器となっていました。
まあ、「突く」ことも当然できるのですが、素人はともかく流派を立ててメシを食おうという兵法家ともなると、あまり重要視されませんでした。

理由はというと、これは実際に剣道を多少かじってみればわかるのですが、相手を突いたとき、それをかわされると体が泳いでしまって、すぐに次の動作に移れないんですね。
突きは相手から見れば点の動作なので、竹刀で払ったりしてよけるのが楽なんです。

ところが、面でも胴でもいいですが相手を撃とうとすると、これは線の動作なので、突きという点の動作に比べるとかわすのが困難になるので、自然と自分の竹刀で受け止めざるをえなくなります。
そうすると、今度は自分が動くことができるのですね。別の場所を狙って攻撃してもいいですし、また鍔迫り合いに持ち込んで様子を見るというように、攻撃のバリエーションが増えます。

兵法というのは、相手を殺して戦いに勝つという術であることも確かですが、戦って自分が生き残るための術でもあります。
一概には言えませんが、殺し合いの術から武道として昇華していくにつれて、後者の重みが増すのが一般的なようです。


それから、誤解があるといけないので補足しますが、相手を確実に殺すには「突き」が一番効果があります。
やくざ映画などで、よくドスを腹に構えてから、相手に刀ごと体当たりしたりしますよね。あれをやれば、訓練を積んでいない人でも、確実に人を殺せます。

しかし、仮にその攻撃が成功しても、相手の腹に刀を差した時点で、自分の動きは確実に止まります。
すると、敵に仲間がいれば、その場で自分も斬られてしまうわけです。
これでは、一流の兵法としては失格です。
剣術が剣道として発展するにあたり、「突き」という技は残っても、あまり重要視されなくなったのは、この辺に理由があるのではないかと思います。

ちなみに薩摩の示現流は、相手を「斬る」ことしか教えません。
幕末のことですが、その示現流を習った薩摩藩士が、幕府の見廻組とたった一人で対峙したときに、一人で十数人斬ったという記録が残っています。
これは「斬って」いれば動きが止まらないため、こういうことが可能となるのですね。
もし「突き」だけで戦っていたら、おそらく一人か二人殺したところで、自分が斬られていたと思われます。
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この回答へのお礼

うーん、参考になる回答を有り難うございました。たしかに、「次の攻撃」を考えないアホな(?)人があまりにも多いような気がしますね。下手にナイフを指すときに、相手に捕まれたら大変ですね。なんだが、私の疑問がいつの間にかに、「如何に戦うか?」に変わっていてちょっとびっくり。世の中には、色々な知識を持っていらっしゃる人が多く居るのですね。自分の無知さと比べて。。。では、感謝のメールまでに。

お礼日時:2007/01/26 13:22

一部の回答者が誤解した回答をしておりますが、中世西洋には、全く切る事を想定していない剣が存在します。


エストックという剣で、これは、突く事だけを目的とした剣です。
(近代のレイピアは、細身の剣ですが、刃はついています)
エストックの目的は、騎士などの鎖帷子の隙間から突く事を目的としたもので、戦闘に使用されました。

西洋において切るための剣が発展しなかったのは、中世騎士がほとんど例外無く鎖帷子を全身に着込んでいたため、切る事によりダメージを与える事が全く不可能であったためです。
鎖帷子の上からダメージを与えるとすれば、打撃重視の武器にならざるを得ません。
(またはエストックのように鎖帷子の隙間を突くか)
イスラム諸国では、鎧が軽装で、機動力を重視したものでしたので、思い打撃兵器よりも、切る事を重視した武器のほうが有効だったため、切るための刀が発達しました。

日本の刀が優れているというのは、日本国内で言われるだけで、日本刀は、西洋騎士に対して全く武器としての効果を持ちません。
日本国内という閉鎖された環境においてのみ通用する武器でしかありません。
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この回答へのお礼

うーん、そうなんですか。そうすると、棍棒の方が役に立つと言うこともあり得ますね。様々な要因があって、武器も変わっていくのですね。なるほど。参考になります。「日本刀は武器として役に立たない」と言われるとちょっとショックですね。竹槍だけでアメリカ軍と戦おうとしたアホな(?)日本の軍人の姿が見えるようですから。実に興味深い回答を有り難うございました。

お礼日時:2007/01/26 13:15

日本の剣はやわらかい鉄に、鋼鉄を刃の部分だけ打ち付けることによって作られ、これは世界中に日本しかない特殊技術です。

だから日本では折れにくくよく切れる刀ができましたが、他の国では作れませんでした。結果諸外国では、小ぶりの剣では突くもののみ発達したのでしょう。
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この回答へのお礼

うーむ、「刀」を作る技術としては、日本が一番優れていたわけですね。いまでは、ミサイルですが。。。うーん、この優れた日本人の技術力をなんとか続けていきたいものですね。では、感謝のメールまでに。

お礼日時:2007/01/26 12:06

他にも指摘してらっしゃいますが「中世ヨーロッパにフェンシングで使う様な細身の剣は存在しなかった」んですよ。


中世ヨーロッパ、7、8世紀頃から11世紀にかけて使用されたのは「ロングソード」と呼ばれる物で、長さは90センチ程度、身幅は5~6センチ、厚みは1センチ弱、重さが3、4キロぐらい物です。当然「刃」はあり、斬撃に使用できます。
http://www1.kamakuranet.ne.jp/sankaido/s-claymor …
http://www1.kamakuranet.ne.jp/sankaido/g%20r%20a …

これらは「ソード-剣」に分類され、「セイバー-刀」とは別種の武器です。

あなたがイメージされている武器はエペやサーブル、フルーレといったものですが、エペやフルーレは「メイルピアッシングソード」と言って近世ヨーロッパで発達した武器で、「突くだけ」。
サーブルは「平服での斬り合い」のために発達した武器で、基本的に「刃がある」武器です。

どこでご質問の様な「間違った知識」を得られたのか判りませんが、せめて「時代区分」ぐらいは理解してください。
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この回答へのお礼

ごめんなさい。他の回答者にも同じような指摘を受けてしまって、自分の無知さを暴露してしまったような恥ずかしさを感じています。剣ってみな同じようなものだろうと考えていたのがまずかったわけですね。自分としては、ちょっとした疑問を出しただけなのに、多くの回答者からの指摘を受けてびっくりしているところです。うーん、色々な回答がありすぎて、自分の無知さを心配したくなりました。ともかく、感謝のメールまでに。有り難うございました。

お礼日時:2007/01/26 12:02

『ゾロ』とかの欧系の武侠映画を見ると分かりますけど、両刃が付いてますよ。

刃を研ぐシーンもあったと思います。


あと、相手を倒すんだったら『突き』ですよ。日本でも仕留める型は『突き』の方が多いと思います。それか『打つ』です。斬っても血が出るくらいですから。(いや、まあそれも大変な事なんですけどね。痛いだろうし。でも斬ってもすぐは死なないです。出血によるショック死が良いところだと思います。そしてすぐ死なないってのは戦いにおいては致命的です。反撃がきちゃいますから。)
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この回答へのお礼

えつ! そうなんですか? あらすじを追うのに夢中のあまりに、気づかなかった可能性がありそうですね。剣を研ぐなんて地味な(?)作業と言うこともあって、なかなか気づかれないことも多いかも知れませんね。「打つ」という定義を初めて知りました。うーん、なるほど。では、感謝のメールまでに。

お礼日時:2007/01/26 11:53

剣道と剣術の大きな違いは最初の状況が違います。


剣道は明治20年の剣術教範を諸手持ちにしたもので、最初から抜いた状態を想定しています。
これに対して剣術は納められた刀を抜いてどう戦うのかを想定しています。
剣術の場合の一手目は抜いて相手を切っ先を用いて怯ませるか傷つけるに主眼が置かれます。そして2手目に突き刺すか袈裟懸けに斬りおとすかになどになります。
槍は現存する流派に聞いたのですが、足払いから始め、留め刺の時に突くそうです。
剣道は先に述べました通り明治20年に導入されたサーベル剣術がベースの戦争における接近戦の戦い方です。よって殺すというより相手の戦闘能力を奪うことに主眼が置かれています。剣術の世界で面・胴・篭手という相手を殺せないような場所(面・篭手は骨があり斬れない。胴は難しい)は狙いません。ですが戦争では確実に戦闘力を奪える位置であり、無駄ない攻撃として19世紀にフランスで完成されました。それを大正年間に諸手持ちにし、更なる有効打を与えるべく改良したのです。

日本の武道で摺足はありません。これをやっているのは剣道と銃剣道だけです。他のスポーツではフェンシングがあります。
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この回答へのお礼

思いも寄らなかった方向からの回答を有り難うございました。うーん、剣道にはあまり興味がないこともあって、そこまで理解していませんでした。うーん、「戦闘能力」を奪うだけなら、後ろから「拳銃」で殺せばいいことになりますね? もちろん、「卑怯者」と言われる覚悟をしなければなりませんね。なるほど、色々なことまで知らないといけないのか、と心配したくなりました。では、感謝のメールまでに。

お礼日時:2007/01/26 11:48

まずあなたがイメージしているのは


おそらくレピアーのようなものだと思いますが、それは
”中世ヨーロッパ”という時代のものではありません。
近世や近代のものです。
中世ヨーロッパの典型的な刀剣は、両刃で幅広、
一般に十字型をしているものですね。
これが間違いの第一点。

第二点は、レピアーのような細身の長い刺すための剣にも、
ばっちり刃はついています。ピンのようにはなっていません。
漫画絵なんかで、省略してあるのをみて勘違いしているのでしょうか?
それともフェンシング競技用の道具がレピアーだと誤解しているのでしょうか?
あれは怪我しないようにああなっているだけで
現代にスポーツ用に安全策が講じられた結果です。

レピアーで戦う決闘での奥義に脚きりというのがあります。
最初のムーブで敵のひざを切って、次のムーブで心臓を突くというやつです。有名ですよ。
日本でも親指切りというものがありますが、切れないとできない技ですよね。

また日本刀でももちろん突きは有効です。
突きはあまりに有効で、かつ危険なので、剣道では禁止されてますよね。
しかしこれもスポーツとしての安全性のためであって、昔は禁止じゃなかった。
だいたい幕末の剣士の多くは突きで有名ですよ。
だからあなたの疑問は根本的に間違っています。これが第三点です。
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この回答へのお礼

えつ! そうなんですか。すみませんね。なるほど。私にとっては、「切るか?」「突くのか?」ばっかり気を取られていたんですが、貴重な指摘を有り難うございました。うーん、映画を観ているだけでは、だめですね。動きが見えないから、そんなものかと誤解していたわけですね。うーん、貴氏は剣の歴史の専門ですか? 回答を読んで、「うーん、すごい!」と思いました。

お礼日時:2007/01/26 11:43

日本刀が斬るもの???


私が教わった流派では二手目は大概突きですよ

添付した流派の言葉は
「槍は斬るもの、刀は突くもの」
です。

参考URL:http://park1.aeonnet.ne.jp/~yari-iai/index.htm
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この回答へのお礼

そう言われても、私は流派とかは考えていなかったんです。まあ、ともかく、「二手目」の意味がわからないんですけれど。「一手目」は「切って」「二手目」はやくざがずーんと刀を突き込むように、「大概突き」するということですか? 間違っていたら許して欲しいんですが、「槍は離れて相手を切る」ということですか? これなら、自分は安全なところ(?)に居て相手を倒せますね? 興味深い回答を有り難うございました。では、感謝のメールまでに。

お礼日時:2007/01/25 20:12

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