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気体の水に対する溶解度に関する質問です。どうしてアンモニアは他の気体に比べ
水に溶けやすいのですか。「極性分子だから」では同じ極性分子であるCOやNOはど
うして溶解度が小さいのですか?納得がいきません。参考書などによるとアンモニ
アは水と NH3+H2O→NH4+ +OH- という反応が起こると書いてありました。おそ
らくこのような反応がおこるためにアンモニアは溶解度が大きいのではないかと考
えています。溶解度の大きい塩酸もHCl+H2O→H3O+ +Cl-の反応が起こりますし…。
では、どうしてアンモニアと水はこのような反応が起こるのですか?(水のHがどう
してアンモニアに移動するのか?)

A 回答 (4件)

 理論的に厳密な定量的解釈を行なうにはレベルが高くなりすぎますが,定性的に理解するだけであれば,そんなに難しくないかと思います。

以下,定性的説明を試みますが,必要なら補足下さい。


> 参考書などによるとアンモニアは水と
>  NH3+H2O→NH4+ +OH- 
> という反応が起こると書いてありました。

 確かにこの反応は起こりますが,この反応の平衡定数は 25 ℃で K = 1.81 x 10^(-5) (pKb = 4.75) であり,大部分のアンモニアは水中でも NH3 の状態で存在しています。


> おそらくこのような反応がおこるためにアンモニアは
> 溶解度が大きいのではないかと考えています。

 上に書いた様に,大部分のアンモニアは NH3 の状態で存在していますので,上記の反応が起こる事とアンモニアの水に対する溶解度が大きい事は直接関係しません。

 では,何故水に溶けやすいかですが,まづ水に溶けるとはどういった事かはお分かりでしょうか。水分子はその極性構造に基づいた水素結合をしています(例えば,http://www2.yamamura.ac.jp/chemistry/chapter1/le …)。ある化合物が水に溶けるには,この水分子の水素結合を切って水和状態を作らなければいけません(http://www.geocities.com/yoshihitoshigihara/suiw …)。したがって,電荷を持ったイオンや分極によってδ+性やδ-性を持った極性分子が水に溶けやすいわけです。

 特に,アンモニア分子の場合,分子内のH-N結合は (δ+)H-N(δ-) と水の (δ+)H-O(δ-) と同じ形の分極をしています。さらに,アンモニアの窒素原子は水の酸素原子と同じく孤立電子対を持っています。そのため,アンモニア分子は水分子の水素結合ネットワーク中に簡単に入り込む事が可能で,水に容易に溶けるわけです。
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No.#3の方のおっしゃることと同じなのですが。


「極性分子は極性分子と混じりあいやすく(溶けやすく)、
無極性分子には混じりにくい(溶けにくい)」
ということはご存知でしょうか。
水もNH3もHClも極性の強い分子です。
極性が強い分子とは、分子の中に電気的な偏りがあるということで、
いわば、磁石にS極とN極があるように、一つの分子の中に
正に偏った部分と負に偏った部分があるということです。
ですから、互いに正と負が引き合うことによって
よく混じりあう(溶ける)ということになります。
水への気体の溶解度を調べると、
無極性分子の気体は溶解しにくいことが確認できると思います。
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Mell-Lilyさんの言うように量子化学等を学ばないと、理論的根拠は語れませんが、とりあえずそれは今の時点では無理だと思うので簡単な説明をします。

量子化学は大学へ行ってから一生懸命勉強して下さい。sp3混成軌道って知っていますか?これは高校の範囲を少し越えてしまいますが、アンモニアはsp3混成軌道のために四面体の形をしています。そして、この窒素原子Nを中心とする四面体の頂点に水素原子Hが結合しています。残りの一つの頂点には非共有電子対があります。この非共有電子対が水分子を攻撃し、アンモニアは水素イオンと配位結合をします。
 一方、CO(:C=O:)は実のところほとんど無極性です。何故かというと一見電気陰性度の大きい酸素原子Oが炭素原子Cの電子を引き付けるように見えますが、炭素の方は希ガス型配置まであと二個欲しがっている。つまり、酸素側の主張は+C-O-であるのに対し、炭素側の主張は-C←=O+なのである。したがって、実際のCOの構造は以上の+C-O-、C=O、-C←=O+の三つの構造が重なった形になります。これを「共鳴」といいますが、実測値ではほんのわずか-C←=O+の影響が表れ、ごくわずか炭素がマイナスを帯びたような極性を示します。
 

参考URL:http://www2.yamamura.ac.jp/chemistry/index.html
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物質の振る舞いの理論的根拠は、物理学の量子力学にあります。

高校における量子力学の学習は、その端緒に触れる程度で済まされています。量子力学は、大学や大学院で勉強します。この量子力学を用いて、化学反応の理論的解明を目指す学問が、理論化学や量子化学です。ですから、どうしてこのような化学反応が起こるのか?という疑問は、この量子化学によって解決されるべきです。しかし、量子化学の計算は非常に複雑で、完全に正確な答えを得ることは至難の技です。おおよその見通しを与えることはできます。高校における説明は、純粋な理論的説明ではなく、半経験的な説明になることが多いと思われます。
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