駄文で、とても読みにくいと思いますが、よろしくお願いします。
古今和歌集、日本書紀を書いた人たちは、俳句や和歌などが重要な役割を持っていたと思いますが、そんな重要視していた俳句や和歌はとてもレベルの高いものだと思います。そんな時代と比べて今の和歌や俳句は退化してるんでしょうか?それとも、そんな時代を経て今の俳句や和歌は進化しているんでしょうか?
また、植木賞、芥川賞などの受賞作品は、歴代の作品と比べてどうなんでしょう?歴代の人と比べて新たな小説の表現方法、造語などが受賞対象として評価されたんでしょうか?
どの本に、書いてあったか忘れたけど、
「時代は進化しない、変化するだけだ!」
って言っていたけど、小説も進化せずに、今の時代に反映して変化しているだけなんでしょうか?
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
「時代は進化しない。
変化があるだけだ」これは原則その通りだという認識の上に現代のパラダイムは立っていると思います。
19世紀以降、とみにヨーロッパを中心に進歩史観が大勢を占めていましたが、今ははやりません。
また、過去に規範がある、黄金の時代があったと考える考え方も頭打ちです。
とっさに適切な例を思いつかないまま手近なものを引用すると、吉本隆明はこう言っています。
《現在の社会から見たら精神異常でも、未開時代にもっていけば、正常と異常が
逆転することもありうるわけです。精神の異常はけっして固定的なものではあり
ません。また、かつて人類が体験したことがないような、新しい異常もありえま
せん。未開時代に体験したか、いま体験しているかの違いだけで、過去に一度も
体験したことがない精神の動きを人類はもちえないのです。》「詩人・評論家・作家のための言語論」
「過去に一度も体験したことがない精神の動き」はない、ということに注目してください。
吉本氏の発言をまるまる信用すれば、
人類の精神の動きは、過去に何らかの形ですべて表現され尽くしていると見なしていいわけです。
あるのはたぶん、新しい表現方法。
それからひょっとして、それにともなう深化や退化、各時代の消長でしょうか。
けれども、その表現というものも、全く新しく作り出されてくるものでないのも明らかです。
すでにあらゆることが書き尽くされている。
古今東西のそうした言葉をつづれあわせ、自分なりにハタを織ってみるのが表現することの実態だからです。
われわれは過去の膨大な遺産の上で何事かをつづり、しゃべっている。
また、そうすることがコミュニケイトの方法として優っている。
そのとき、今までと多少なりとも異なった模様の織物が仕上がることがある。よいか悪いかは別にして。
そういうものではないでしょうか。
散文、特に小説という形式は、市民社会の到来と深い関係があります。
ヨーロッパで18,19世紀に圧倒的になり、日本でも江戸時代、同様の傾向がありました。
それ以前は詩、韻文が文学でした。小説とは比べようもない長い歴史があります。
日本の場合、和歌は文化の中心を貫く巨大な柱の一つで、連歌や俳諧はもとより、能や茶の湯もこの影響なしに語れません。
「うた」は古代にたぶん呪術的なものから発生し、のち、贈答や挨拶へと変化していったと思われます。
近代になってからも、大御所高浜虚子は「存問」という言葉で俳句を説きました。
「存問」とは、安否を尋ねたり見舞うこと、平たく言えば贈答、挨拶のことでしょう。
詩の表現形式は盛衰し、言葉つきは変わっても、盛られる「うた」の心は変わらない。
散文、小説においても事情は一般です。
ただ、現在にとって喫緊なこと、関心ごとというのは、時代によって差異があります。
たとえば大家族制がなくなった現代に、大家族制の光と影を剔抉した作品を書いたとしても、あまり評価されることはないでしょう。
現代なら、小さな家族、その家族の崩壊を描くことこそがテーマとなりえます。
これは一例。
現代社会を反映したものはもちろんのこと、
一見、現代とは無縁なことが書かれた小説があったとしても、
あとから読み返すと、それは「現代」を色濃く反映したものになっています。
少し古めのものでも読んでみると、そのことが歴然とわかったりします。
人は時代の制約から逃れられないとは、よく言ったものだなあと感心したりします。
最後に、芥川賞、直木賞のことに触れておきます。
これらの賞は、あくまで新人の登竜門です。まだ海のものとも山のものとも知れないものです。
この機会を踏み段に大きく羽ばたく作家もあれば、立ち消えになる人たちもいっぱいいます。
作家として本物になるのは、賞をもらった人たちの数人に一人、いや、十人に一人かもしれません。
新人の賞は、その新人の可能性を開いてやるもの、将来が期待できる人たちに授けられるものでしょう。
一読してある程度の評価ができる作品もあれば、おいそれと判断できないものもあります。即断は禁物です。
膨大な肥やしの上に、大輪の花が一つだけ咲く。文学(芸術)とはそんなものだと見定めて、
同時代に居あわせる者として前向きに評価するのがよいつきあいではないかと思っています。
ご質問に「造語」というのが出ています。散文では造語はなるべく慎むのが常道です。
たぶん、言葉の新たな組み合わせ、イメージを言おうとなさったのでしょう。
以上、管見を折りこんであれこれ申し述べました。
細かい間違い(認識不足、誤謬)はあるかと思います。
が、おおよそのところはこんなところかと思っています。
No.4
- 回答日時:
もっと後の時代になって、2000年代に出て残った作品を見ないとわからないんじゃないでしょうか。
昔に書かれて今も残っている・読み継がれている作品は、ふるいにかけられて残ったものだと思います。
時代時代に流行りの作品があり、消えたものも多いでしょう。
進化かどうかはわかりませんが、時代ごとに変化はします。
教科書で読んだ森鴎外の『舞姫』なんか私には読みにくい文体でした。古語に近いような。
夏目漱石は現代文に近いですが、ちょっと違うでしょう。
昭和30年代ぐらいの作品も言葉遣いが今とは違います。
しかし表面はともかく、内容的にはあんまり変化していないのかもしれません。
時代背景や小道具、人々の意識や生活は時代ごとに変わりますが、深い部分では人間はそれほど変わっていないんじゃないでしょうか。
No.2
- 回答日時:
「生存競争に勝ち残った者だけが進化をする=価値がある」という価値観と、「小説」を含む「書かれたもの」の世界は折り合いません。
「書かれたもの」というのは、大きな網のようなもので、その網の目一つ一つが過去の作品群や同時代の状況、他の作品、文学に限らない言語の状況等々と複雑に絡み合って、辛うじて成立するものなので。そこをあえて「小説」というジャンルは進化するか、という問いに無理矢理答えるとすると、こうなります。
すでに書かれたものを全く意識せずに書くことは不可能なので、どの作品にも、過去の作品を乗り越えようとする意識はある、そういう意味で進化はする、と。
たとえば阿部和重という芥川賞作家がいます。
彼の作品を読むと、そこに書かれたことより、「書かれていない事」が気になり、すごく無気味な気持ちになります。それは阿部和重という人が「語る私」というものに対して、根本的に疑いを持っていることの表れだと思います。語り手の特権、あるいは語る事を許された人間とはどういう人間なのか、という問いかけについて、阿部和重は現在もっとも先鋭的であり、彼を通じて、日本の小説は新しい局面を迎えている、と言えないこともないです。
小説というジャンルについて、手軽に読めるものをあげます。後にいくほど、手軽になります。
・大塚英志『初心者のための「文学」』(角川書店)
・坪内祐三『「近代日本文学」の誕生』(PHP新書)
・岡野宏文、豊崎由美『百年の誤読』(ぴあ)
・麻野一哉、飯田和敏、米光一成『日本文学ふいんき語り』(双葉社)
No.1
- 回答日時:
こんにちは
「進化」とか「変化」とか、そういう言い方自体あてはまらないのではないかと思います。
いわゆる「小説」という概念や「文体」についても、
せいぜい明治時代に新しく興ってきたといってよいようなものです。
日本文学史関係でそこらあたりの本をお読みになってみてはいかがでしょう?
夏目漱石や子規、森鴎外の生涯について読んでみるのも良いかもしれません。
明治初期に文士とよばれた人たちが、どんなに悪戦苦闘して「文章」のかたちをつくりあげていったのがよくわかりますよ。
もうすこし大きな歴史観で観ることができるかもしれません。
答えになっていないかもしれませんが。
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