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こんばんは。少しわからないことがあって質問します。
 ダム問題についてなのですが、ダムが建設されると、周りにはどのような悪影響がでるのでしょうか? 生態系のバランスが崩れるなどの大まかなことはわかるのですが、具体的にはどうなるのかなど詳しいことがわかりません。 質問が下手でわかりにくいかもしれませんが、答えられる方がいましたらなるべく早くに回答お願いします。

A 回答 (9件)

ダムによる生態系への影響に絞って回答させていただきます。



ダムによる生態系への影響を3つの区間に分けて考えてみます。貯水池と貯水池の上流河川および下流河川の3つの区間です。

1,貯水池
 もともと河川だった場所が湖水になるわけですから、生物の生育・生息の場は、激変すると言ってよいでしょう。特に水棲生物については、全く異なる生態系になると思います。

2.貯水池の上流河川
 ダムは水を貯めるのと同時に土砂も貯まってしまいます。その土砂が上流の河川にも貯まると、河床形態が均一化してしまいます。もともと瀬や淵などが連続した変化に富む河床形態だった河川で、それらが消失してしまうわけですから、水棲生物、特に魚類の生育・生息の場が変化することになります。ただし、この変化は貯水池末端付近の限られた区間に限定されます。

3.貯水池の下流河川
 上流河川よりももっと深刻です。ダムができると、土砂が貯まってしまいますから、下流への土砂供給量が減少してしまいます。また、水を貯めることによって、一般に下流河川の流量変化が少なくなります。特に、洪水調節を行うダムでは洪水時の流量が極端に減ります。この土砂供給量の減少と流量の平滑化により次のような変化が起きると言われています。
   ・河床低下
   ・河床材料の粗粒化
   ・砂州がリフレッシュしない
   ・河川敷、中州の陸化→植生繁茂→樹林化
   ・澪筋の固定化、低下
 これらの変化によって、生物の生育・生息場が変化するわけですから、生態系が変化するということになります。
 具体的には、魚類の産卵場が無くなる、主に中州の小砂利に産卵すると言われているコアジサシなどの鳥類の生育場が脅かされる、特定の付着藻類が異常発生するなどです。
 あるダムの実際の調査によると、ダムができる前の下流河川の底生生物の優占種がカゲロウだったのが、ダムができた後は優占種がイトミミズに変化したという例も聞いたことがあります。

 これらのうち、1については、ダムを造る以上、避けられない問題です。2,3については生態系をできるだけ維持するための対策を考えることができます。すなわち、貯水池に土砂を貯めないで下流に流すという方法とダムからの放流量に変化を持たせるという方法です。しかし、これらの対策が実施されているダムはほんのわずかです。ただし、河川管理者やダム事業者は近年になって河川環境を重要視するようになっていまして、対策方法についての研究も盛んに行われていますので、上記の対策を実施するダムは今後増えていくものと思います。
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この回答へのお礼

わかりやすく回答していただいてありがとうございました。そのような対策を実施するダム、確実に増えていってほしいですね。

お礼日時:2002/05/26 00:20

>なぜ湖底でBOD上昇と酸素欠乏が起こるのです


ダムの作られるような場所は.比較的高地で.V字谷のような地形の場所です。一般に流水量は少なく.満水になるまで1-2年かかるのが普通です。
また.河口ダムのような場所ではSSが多く底に光が届きません。V字谷でも深さゆえ.底まで光が届きません。
すると.ダムの底に上流から流れてきた冷たい水が溜まり.表面は日光で暖められた温かい水が溜まります。そのために上下かくはん流れが極端に少なくなります。

一方上流から流れてきたSSは底に溜まります。上下かくはん流れがないので.けんき性となり腐敗します。SSが高BODを示しますし.けんき性になりますので酸素が不足します。
最近では.山形県寒河江ダムのように噴水をつけて上下かくはんを行おうとする動きもありますが.自然落差に比べて絶対的に不足します。また.発電に使う水の場合に.発電効率を上げるためには冷たい水が必要であり.電力会社が水温の上昇を嫌う(底に溜まった冷たい水を好んで使う)動きがあります。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。そういう理由で起こるんですか、勉強になりました。また何かあればよろしくお願いします。

お礼日時:2002/05/26 11:32

No.7です。

ちょっと補足です。
ダムによる悪影響全般につきましては、他の質問で回答したことがありますので、下記のURLを参照してみて下さい。

参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=175612
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昔から豊かな山があるところの海は豊かであると言われています。



川を通じて豊富なミネラルや栄養分などが海に流れ込み、豊かな海になるようです。

ダムが多量に建設されると海へのミネラルや栄養分の流入のバランスが崩れ、生態系が変化してしまいます。

瀬戸内海は長年の川水流入により豊かな海でしたが、ダムで流入砂などが減少し、建設資材用に海砂を取りすぎたため、海底の海砂が大幅に減少し、そこをねぐらにするイカナゴなどが大幅に減少して、大型魚の漁獲量が大幅に減少したとも考えられています。

サワラやタイなどの稚魚放流が盛んに行われるようになってきていますが、大きく育つために捕食すべき小魚などが少ないので、魚を獲っても腹をすかせていることが多くなっているようです。

またバランスの崩れが赤潮の発生にも関与しているようです。
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加えて、



・ダム建設時の道路を設けるための、森林伐採、生物生息域の分断
・河口部周辺の海水の栄養価が下がりうること
・特に発電などにおいては、ダムから離れたところの住民の受益のために、
 既住民が従来の生活スタイルを変更せざるをえないこと

などでしょうか。
やはり1番大きな問題は川の分断に伴う生態系の破壊でしょう。
文化的な観点からは、北海道の二風谷ダムなどの事例も興味深いと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございました! 二風谷の事例、さっそく調べてみます。

お礼日時:2002/05/26 00:15

魚道に関してですが.「魚道」とダム会社が主張するものは原則としてついています。

しかし.流れが急・水量が不足等の原因により魚は原則として登りません。したがって.魚関係で壊滅的打撃を受ける場合が在ります。
はいでいダムに関してですが.たしか富山県の例では.はいでいが行われると高BODの汚泥が一度に下流に流れ.下流での浄化能力を上回る負荷となり下流での環境悪化の原因になっているようです。
水質汚染についてですが.上流から流れ込んだSS(たとえば落ち葉など)がダム底で腐敗し.高BODの水がダムから放水されることになります。一般に.タム建設後1-2年はダムこでの漁獲がある程度確保されるようです。しかし.その後急激に漁獲が減ります。おそらく湖底でのBOD上昇と酸素欠乏によると考えています。

ダム会社の発言については.原則として信頼に足る発言では在りません。一例としては.ダムに蓄積した土砂を除くと発言しておきながら.1回は除いたものの「続きは後で行う」と周辺住民に回答しておきながら.その後10年前後行われずあふれた土砂が周辺住民の土地に放置されたままになっているというダムがあると聞いています。又.ある電力会社では尾瀬の自然保護に活躍していますと宣伝していますが.この会社ではかって尾瀬にダムを建設するとして.各種用地買収を行い.一部住民がそのやり方に怒り.建設反対に回ったと聞いています。又「洪水を防ぐ・常に一定に水を流して安定した漁獲を確保する」と説明し建設されただむの場合に.マスメディアは東京の水がない時に河川の保護と称して水を流すことは無駄だと報道していました。ダム建設時にあった説明は原則として守られないことが推定できます。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。ひとつわからなかったところがあるのですが、なぜ湖底でBOD上昇と酸素欠乏が起こるのですか?汚泥のせいで起こるのですか?その辺が少しわからなかったので、もし時間があれば回答して頂けると助かります。すみません、理解能力が低いものでm(==)m

お礼日時:2002/05/26 00:11

すみません。

一番大事なことを書き忘れてました。ダムが一番問題になるのはダムで川の流れが完全に分断されるということです。堰などは魚道を設けるなどの工夫がされていますが、一般的にダムには魚道は作れません。魚道のあるダムというのが日本でもどこかにあるということを聞いたことはあるのですが、規模から言ったら小さいダムではないと思われます。
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 ダムは川をせき止めてつくるので、川の周辺の湿性植物とかが影響を受けます。

このため、貴重な植物は事前に移植したり一時的に避難させて工事が終わったらまた元に戻すようなこともします。

 また、猛禽類がいる場合、猛禽類は音にも敏感なので営巣をしなくなる可能性があります。工事中は区域外で営巣をして工事が終わったら戻ってくるケースもあります。

 No.1の方が答えられているように、長い間には土砂が溜まります。「使い捨て」というのはちょっと違うと思いますが、土砂の堆積分ははじめから計算しています。一般的には100年分の土砂の堆積量を推定してダム容量を決めることが多いです。ダムには有効貯水量と総貯水量という2つの容量表示があって、総貯水量のうち土砂堆積用の余裕分を差し引いたものが有効貯水量となります。溜まりすぎた土砂はダムを空にして浚渫をしたりしますが、結構お金がかかります。でも、新たにダムを造るよりははるかに安いです。

 最近は排砂構造と言って、ダムの底から溜まった土砂を吐き出す構造になっているダムもあり、大雨が降ったときに一気に吐き出したりしていますが、構造的にも、また吐き出すタイミングや量についてもまだまだ研究の余地があり、技術的には完全に確立されているとは言えません。

 ダムには目的別には治水ダムと利水ダムがあります。兼用もあります。(砂防ダムというのもありますがこれは土砂の下流への流下をくい止めることを目的としたものです)

 治水ダムとは普段はダムを空にしておいて、梅雨や台風、雪国なら春先の大量の雪解け水を一時的に貯留し、流量を調整しながら少しずつ安全に流す役割をします。

 利水ダムの場合は、逆に流量の多いときに貯められるだけ貯めて、水が不足する時期(水道は一年中使いますが、一般的には農業用水が不足する夏です)に必要量をダムから直接取ったり、下流に必要量を流して下流の堰で農業用水を取ったりします。夏場川の水が減る時期に安定した十分な流量を流してやることによって、堰で全部水を取られてしまう心配が無くなり、堰よりも下流、最終的には河口まで連続した流れができるので川魚にとってはかえって都合が良いことになります。若干水質の問題が無いわけではありませんが、利水ダムの下流では渇水期の流量が増えるという面では河川環境は一般的には好転します。



 
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この回答へのお礼

ありがとうございました。私の知らなかったことばかりで、とても勉強になりました。

お礼日時:2002/05/25 23:51

ダムを建設すると


広大な敷地面積が必要となるので森林伐採がありますよね。
他にも、水が対流しないので富栄養化(アオコ)などが発生します。そして土砂が流れ下流部の生態系はくずれます。
またダムの底には底泥がたまっていき、最終的には埋まってしまいます。結局は使い捨てになってしまって環境に悪影響を与えます。

治水を考えれば必要と言えなくもないですけど、最近は環境重視ですからね。
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この回答へのお礼

ありがとうございます!(^o^)/ 使い捨てになるというのは恐ろしいですね。すごい巨額の費用をかけて建設するのに... 勉強になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2002/05/23 22:29

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