銀鏡反応とフェーリング反応、ヨードホルム反応の実験をしたのですが,それぞれ試薬を使う理由等がよく分かりません。
あと、それぞれの反応の一般的メカニズムみたいなのを教えていただければうれしいです。
銀鏡反応:
アセトアルデヒド1mlにジアミン銀(I)イオンの水溶液5mlを加えて60℃の温湯であたためた。
?なぜ、60℃なのか。とか、その、メカニズムを教えてください!
フェーリング反応;
フェーリング液2mlに、アセトアルデヒドの水溶液1mlと、沸騰石を加えて煮沸する。
ヨードホルム反応;
300CCのビーカーに水役100ccを居れて金網上で暖めておく。
6本の試験管にヨウ素水溶液を2ccずつとり、これらにメチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトアルデヒド、アセトンを数滴加えよく振ってから、10%水酸化ナトリウム水溶液をヨウ素の褐色が消えるまで加えて、300ccのビーカー中の温水につける。しばらくして試験管の中に黄色の結晶ができているの調べる。
という感じの実験です。
わたしに教えてください。どんなことでもいいので!!
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
rei00 です。
お礼拝見しました。> ヨードホルム反応もアルデヒドの還元性を利用したものですか?
違います。先の回答にある様に,カルボニル基(アルデヒド基,-CHO)の隣の炭素に付いた水素原子(α水素と言います)は H+ として離れやすくなっています。つまり,酸性の水素になります。
そのため,塩基と反応して炭素アニオン(先の回答中の -CH2-CHO 等)を与えます。このアニオンがヨウ素と反応するわけです。そして最終的に CI3-CHO を与えます。
この CI3-CHO ができると,ヨウ素原子の電子吸引性の効果によって,トリヨードメチル・アニオン(CI3-)が安定になるため,水酸化ナトリウムと反応して CI3- とギ酸ができます。
つまり,ヨードホルム反応は,「α水素が酸性を示す性質」と「ヨウ素の電子吸引性効果で CI3- アニオンが容易に生じる性質」を利用した反応です。
ですので,アルデヒドに限らず,カルボニル基に隣接したメチル基を持つ化合物(CH3-CO-CH3, CH3-CO-CH2CH3, ・・・)が反応します。
No.4
- 回答日時:
rei00 です。
知識が無い事は悪い事ではありませんので,謝る必要はありません。それに,ヨードホルム反応の機構は高校生レベルでは出てこないでしょうし,他の2つの反応と一緒に考えれば「還元性を利用したもの?」との疑問も当然かもしれません。
が,しかし,自分で努力せずに人を頼るだけではいけませんよ。例えば,先の回答で私が紹介したページ(「林 正幸と主万子のホームページ」(↓)の「授業プリント(化学)」の「14.脂肪族化合物(その2)」中の「2.アルデヒドとケトン」』には,ヨードホルム反応は「アセチル基」の検出反応と書かれています。
頑張ってネ!
参考URL:http://www.zzz.or.jp/masasuma/
No.2
- 回答日時:
Myrddin さんの回答がありますが,反応式を中心に補足致します。
【銀鏡反応】
アルデヒド等の還元力のある物質に,アンモニア性硝酸銀水溶液(トレンス試薬,Tollens 試薬)を加えて加熱する事で銀を析出させる反応ですね。析出した銀で鏡ができる事から「銀鏡反応」と呼ばれます。主にアルデヒド基の検出に使われます。
アルデヒド(今の場合はアセトアルデヒド)はカルボン酸(今の場合,酢酸)に酸化され,アンモニア性硝酸銀水溶液中の銀イオンは金属銀に還元されます。
CH3-CHO + H2O → CH3-COOH + 2H+ + 2e-
[Ag(NH3)2]+ + e- → Ag↓ + 2NH3
これらより e- を消去して,
CH3-CHO + 2[Ag(NH3)2]+ + H2O →
CH3-COOH + 2Ag↓ + 4NH3 + 2H+
ここで,アンモニア性硝酸銀である事([Ag(NH3)2]+ のカウンターイオンは NO3-),CH3-COOH と NH3 は反応(酸塩基反応)する事,H+ と NH3 も反応する事を考慮すると,反応式は次の様になります。
CH3-CHO + 2[Ag(NH3)2]NO3 + H2O →
CH3-COONH4 + 2Ag↓ + 2NH4NO3 + NH3
【フェーリング反応】
「銀鏡反応」と同じくアルデヒド等の還元性を検出する反応ですが,酸化第一銅(Cu2O)の析出で検出します。反応式は次の様になります。
CH3-CHO + H2O → CH3-COOH + 2H+ + 2e-
2[Cu(酒石酸)]2+ + H2O + 2e- →
Cu2O↓ + 2H+ + 酒石酸
e- を消すと,
CH3-CHO + 2[Cu(酒石酸)]2+ + 2H2O →
CH3-COOH + Cu2O↓ + 4H+ + 酒石酸
元が硫酸銅であることから,
CH3-CHO + 2[Cu(酒石酸)]SO4 + 2H2O →
CH3-COOH + 2Cu2O↓ + 酒石酸 + 2H2SO4
水酸化ナトリウム(生成する酢酸や硫酸と反応)の存在を考慮すると,
CH3-CHO + 2[Cu(酒石酸)]SO4 + 3NaOH →
CH3-COONa + 2Cu2O↓ + 酒石酸 + 2Na2SO4 + H2O
これでお解りかと思いますが,試薬中の酒石酸カリウムナトリウムは銅イオンを錯体化するために加え,水酸化ナトリウムは生じる酸を中和するために加えられています。
【ヨードホルム反応】
メチルケトン基(CH3-CO-)又はヨウ素酸化でメチルケトン基になる部分構造(-CO-CH2-OH 等)の存在を検出する反応です。反応式は次の様になります。
CH3-CHO + OH- → -CH2-CHO + H2O
-CH2-CHO + I2 → I-CH2-CHO + I-
I-CH2-CHO + OH- → -CHI-CHO + H2O
-CHI-CHO + I2 → I-CHI-CHO (= CHI2-CHO) + I-
CHI2-CHO + OH- → -CI2-CHO + H2O
-CI2-CHO + I2 → I-CI2-CHO (= CI3-CHO) + I-
ここまでまとめて,OH- を NaOH に変えると,
CH3-CHO + 3I2 + 3NaOH → CI3-CHO + 3NaI + 3H2O
そして,CI3-CHO が NaOH と反応して CHI3(ヨードホルム)ができる反応は,
CI3-CHO + OH- → -CI3 + HO-CHO (= H-COOH,ギ酸)
ここで,ギ酸が酸であることと,OH- が NaOH である事を考えると,
CI3-CHO + NaOH → HCI3↓ + H-COONa
つまり,全体では
CH3-CHO + 3I2 + 4NaOH →
HCI3↓ + H-COONa + 3NaI + 3H2O
です。
参考になりそうなサイトを挙げておきます。
「高等学校_化学_テキスト」
http://www.ed.kanazawa-u.ac.jp/~kashida/
「化学 Ib」の「第7章 有機化合物の性質」の「7.5 アルデヒドとケトン」
「独学のための有機化学」
http://www.geocities.com/yoshihitoshigihara/y_ch …
「11.アルデヒド」と「12.還元力検出反応」
「林 正幸と主万子のホームページ」
http://www.zzz.or.jp/masasuma/
「授業プリント(化学)」の「14.脂肪族化合物(その2)」中の「2.アルデヒドとケトン」
ありがとうございます!!
今度、化学のレポートを書かないといけなくて、困っていたところだったんです!!
いくつか,質問してもいいですか?
ヨードホルム反応もアルデヒドの還元性を利用したものですか?これだけ,教えてもらえないでしょうか?
知識のない者ですみません・・・・・・・。
No.1
- 回答日時:
銀鏡反応:静かに反応させると試験管が銀メッキされます。
とてもきれいですよ。で、まずその反応温度ですが、アセトアルデヒドの沸点は20.8℃。あまり高温だとアセトアルデヒドが蒸発しますが、低温では反応がうまく進行しません。そこで、60℃という温度になります。
メカニズムは、アルデヒドの還元力を利用します。アルデヒドにアンモニア(アミン錯体もアンモニアと考えます)存在下、銀イオンを反応させると銀が電子を受け取って還元され、アルデヒドは電子を失って酸化されてカルボン酸になります。この還元された銀が試験管に析出します。
フェーリング反応:こっちは赤く反応します。
フェーリング液は硫酸銅の水溶液と酒石酸カリウムナトリウム+水酸化ナトリウム水溶液の混合物。つまり、メカニズムはアンモニアの代わりに水酸化ナトリウムを使った、銀鏡反応と同じものと考えることができます。
析出する赤い沈殿は、酸化銅(I)のものです。ここでは、銅(II)イオンが銅(I)イオンに還元されています。
ヨードホルム反応:
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=277890
で反応式付きで解説してあるのでそちらもどうぞ。
この反応は、-CH(OH)CH3もしくは-COCH3部分を持つ有機化合物を検出する反応です。つまり、この部分があれば、黄色結晶が析出するはずです。
この黄色の結晶がヨードホルム。水に溶けにくいので沈殿します。
こんな感じでいかがですか?
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