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仕事の関係上突然、赤外線吸収スペクトルの分析結果を簡単に解説するように言われたのですが、なにせ大学を出てからこの10年以上、さっぱりその方面のことを勉強していないので(もともとあまり好きじゃなかったという話もある・・・)グラフを見てもさっぱりわけがわかりません。
どなたかわかりやすい解説書などご存知でしたら教えて頂けませんか?

参考までに、どのような結果だったかというと、もともとは同じ製造過程でつくられた液体が、どこかの過程で変性したようで、元々の保存検体&変性したもの、を比べた結果
片方はTransmittance(透過度?)18%からもう一つは5%からグラフが始まっています。(この違いは何か大きく関係あるのだったかしら??)吸収スペクトルはほとんど同じところに出ています。片方の検体はかなりフェノール臭(クレゾール臭?)がしていましたが、これも結果に違いとして表れますか?

的を得ない質問で申し訳ありません。
もし少しでもご意見ありましたらよろしくお願いします。

A 回答 (5件)

rei00 です。

補足拝見しました。

> もし赤外吸収法がその二つの液体の違いを現すのに
> ふさわしくない(不正確な)試験だとすると、

 お解りだとは思いますが,赤外吸収法が不適なのは「少量の不純物の存在を明らかにする事」であって,多量の不純物が含まれていれば違いは現れます。


> 他にどんな試験をすればその違い(入っている成分、
> においなど)を確実に知ることができるのでしょうか?

 入っている成分が何かを確実に明らかにするには,その成分単独のデータ(質量分析,核磁気共鳴スペクトル,赤外線吸収スペクトル,紫外吸収スペクトル等)を測定しないといけません。つまり,その成分を単離する必要があります。

 一方,不純物が存在するかどうか,どの程度存在するか,だけであれば各種のクロマトグラフィで分析が可能です。多用されるのは,ガスクロマトグラフィ(GC)や高速液体クロマトグラフィ(LC)です。

 この両者を組み合わせた分析法も存在します。試料によって上手くいくかどうかは変わりますが,GC や LC で分離した各化合物の質量分析(MS)を直接行なう分析が GC-MS や LC-MS です。

 同様に,GC や LC で分離した各化合物の核磁気共鳴スペクトル(NMR),赤外線吸収スペクトル(IR),紫外吸収スペクトル(UV)を直接測定する分析法として,LC-NMR, GC-IR, LC-IR, フォトダイオードアレイ検出器を用いた LC 分析等があります。

 お書きの試料の御様子であれば,GC-MS か LC-MS あたりの測定で不純物の存在の有無とどの程度存在するかを明らかにする事が最初だと思います。


 ところで,『赤外線吸収スペクトルの分析結果を』とある事から考えると,測定はどなたか別の方が行われたわけですね。その方は説明して下さらないのでしょうか。
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この回答へのお礼

何度もご丁寧にご回答頂きましてありがとうございました。
なんとか自分でも調べて、不十分なら外部の分析機関などにもう一度依頼してみようとおもいます。
分析は海外で行われたもので、私は結果をもらっただけなので、色々都合もあってそれ以上のことを聞けない状況もあり・・・
自分で勉強するチャンスですね。
本当にどうもありがとうございました。(^_^)

お礼日時:2002/06/04 09:29

>波長がはほとんど同じ(始点の透過度がちがう)なのですが、見た目の臭い、色に明らかな違いがあります。


>こういう結果も赤外分析でグラフには違いとして現れるのですか?
赤外で濃度を測定しようとすると.大体5%が検出限界です。ところが.人の鼻を使った匂いでは人によってはppbオーターの分析が可能です。ですから.まず.匂いの違いを赤外で検出することは不可能です。
分子量が小さい(匂いの出るような揮発分程度=C8-C12程度)では.ハクソーでカリカリもできないでしょうから.ガスマスを使うのが一般的です。
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> どなたかわかりやすい解説書などご存知でしたら教えて


> 頂けませんか?

 主なものは ANo.#1 で dakachan さんが御紹介になっていますが,私も1つ。

 「有機化学のためのスペクトル解析法」
  M. Hesse, H. Meier, B. Zeeh 著
  野村正勝 監訳,馬場章夫・三浦雅博 ほか 訳
  化学同人,2000年

 なお,簡単な解説でしたら,参考 URL ページ(日本電子)から,「技術情報」→「分析機器」→「フーリエ変換赤外分光光度計・ラマン分光計」の「やさしいFT-IRの原理」→「2.赤外分光光度計で何がわかるの?」と進んだ所にもあります。


> 片方はTransmittance(透過度?)18%からもう一つは5%から
> グラフが始まっています。(この違いは何か大きく関係あるの
> だったかしら??)

 この違いは問題ありません。測定セルに入れた試料量(濃度)の違いです。気にしないで下さい。


> 吸収スペクトルはほとんど同じところに出ています。
> 片方の検体はかなりフェノール臭(クレゾール臭?)が
> していましたが、これも結果に違いとして表れますか?

 う~~ん。難しいでしょうね。勿論,フェノールとクレゾールのスペクトルを比べれば違いが出ますが,フェノールとクレゾールが少量混ざったフェノールでは難しいと思います。

 赤外吸収スペクトルでは化合物の官能基が解ります。フェノールとクレゾールであれば,存在する官能基は基本的には同じですから,それほど大きな違いは無いと考えられます。そのため,かなり多くのクレゾールが混ざらないかぎり,純粋なフェノールのスペクトルとの違いはハッキリ出ないと思います。

 実際の化合物はフェノールやクレゾールではないと思いますが,状況は基本的に同じです。


> 赤外線吸収スペクトルの分析結果を簡単に解説する

 詳細は成書に譲りますが,赤外吸収スペクトルで問題になるのは,吸収の位置と相対的な吸収強度です。つまり,全体のパターンが問題です。

 ですので,2つのスペクトルを比較して,元あった吸収が無くなったり,元なかった吸収が現れている所があるか調べて下さい。これがあれば,その位置の吸収に関係する官能基に変化が生じたと言う事ができます。

 が,赤外吸収スペクトルで言えるのはここまででしょう。具体的にどんな変化が生じたか,どの程度変化物が混じっているか等は困難(無理に近い)です。理由は前述の通りです。


 以上,天然物構造解析の「経験者」としての回答です。

参考URL:http://www.jeol.co.jp/

この回答への補足

ご丁寧な回答ありがとうございます。
参考URLさっそく拝見しました。なんとなく昔実験でやったのを思い出したような・・??

ところでもう少しだけ質問させて頂きたいのですが、もし赤外吸収法がその二つの液体の違いを現すのにふさわしくない(不正確な)試験だとすると、他にどんな試験をすればその違い(入っている成分、においなど)を確実に知ることができるのでしょうか?そんな試験はないのかな。。原因は難しくても、どう違うのか?成分に変化があったのか?等だけでも知りたいのですが・・もしできれば教えて下さい。度々すみません(>_<)

補足日時:2002/05/31 11:54
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赤外分光のおおざっぱな見方だけ。


見つけやすいのはCOの吸収で.これが図の真ん中(波長忘却)あたりにあります。
あとのピークはデータ集で拾ってください。
一つの巨大なピークだったらば.おそらく一つの基の場合でしょう。ところが.隣にある原子の影響を受けて.ピークがずれる場合があります。場合によっては2山ピークになることもあります。ここから.隣の原子の状態を検討付けます。

ベースライン(吸収がほとんどない部分.ピークの底)が斜めになっていた場合に.一般的なKBRの場合に.つぶし方が悪くて散乱しているのだろう(測定が失敗した)と考えます。

あと困るのが水(OH)の吸収です。測定に時間がかかって水を吸ってしまった場合や試料に水が混ざっていた場合に水のピークが出ます。水がどのように入ったかで形状が変わる場合がありますが.注意が必要です。できれば.室内に放置して水を吸わせてピークがどのように変化するかを見てください。アルコール性OH.フェノール性OH.水のOHとピークが若干ずれます。お話の内容は.多分OHの吸収でしょう。

最後に.赤外は感度が悪いです。放射線並みとは言いませんが.5%程度の濃度変化がないとピークに変化が現れません(微分曲線を除く)。定性分析が主体ですが場合によっては定量分析に使う場合もあります。

この回答への補足

ご丁寧な回答ありがとうございました。
よろしければもう少し教えて頂けないでしょうか?
波長がはほとんど同じ(始点の透過度がちがう)なのですが、見た目の臭い、色に明らかな違いがあります。
こういう結果も赤外分析でグラフには違いとして現れるのですか?
もし感度が低くて現れないようなら、お勧めの別の試験をしてみたほうが良いですよね?
あ~誰か、というか、どこかこういうのを解析説明してくれる機関なんかがあればよいのに・・・でも頑張ります・・

補足日時:2002/05/30 09:01
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>どなたかわかりやすい解説書などご存知でしたら教えて頂けませんか?



中西 香爾,P.H.ソロモン,古館 信生 共著
赤外線吸収スペクトル-定性と演習-(改訂版)
南江堂,1978

これが手に入らなければ

荒木 峻,益子 洋一郎,山本 修,鎌田 利紘 訳
有機化合物のスペクトルによる同定法(第6版)―MS,IR,NMRの併用-
東京化学同人,1999

中西 香爾,梶原 正宏,堤 憲太郎 訳
有機化合物スペクトルデータ集
講談社サイエンティフィク,1982
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
早速探してみます。
しかしこの年になってまたこういうのを勉強しなくちゃいけないとは思わなかったです・・(涙)

お礼日時:2002/05/30 09:00

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