No.2ベストアンサー
- 回答日時:
芥川賞も直木賞も戦前からある賞です。
その権威性については吉行淳之介がエッセイに書いていますが、業界の中のごく小さな賞だったようです。菊池寛が芥川龍之介と直木三十五の業績を顕彰する意味合いが濃かったのではないでしょうか。昭和三十年代に入り、現在の都知事の作品が受賞した前後からマスコミの脚光を浴び「社会現象」となり現在に至ります。
受賞作は他の出版社からの出ていますが、全体としての印象は、『文學界』有利かな、というところです。(『オール讀物』については関心がないので知りません)
受賞が「社会現象」として取り上げられることで、受賞作掲載の『文藝春秋』の増刷もある売れ行きで利益があり、他社作品も受賞させることで「公平性」を保ち賞への権威性が増す、という利益がちゃんとあるのです。
昨今の受賞作は(直木賞は知らず)、30万部程度の売れ行きですから賞の権威を守るほうが結局利益があるのでしょうね。
因みに、わたしは『文學界』『文藝』『すばる』『新潮』『群像』の読者で、芥川賞の候補作が新聞にはっぴょうされる前に自分の読後感だけで受賞者を予想していた時期がありましたが、さっぱり当たらないので今は馬鹿馬鹿しくなってやってません。(選考委員の眼力については、素晴らしい作品を書いている某作家が受賞していない事実から想像できます)
No.3
- 回答日時:
この両賞は実質的に文藝春秋の主催であることには間違いがないのですが、現在では建前的には「財団法人日本文学振興会」の行事ということになっています。
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/
同様なものとして、新潮社には「三島由紀夫賞」、「山本周五郎賞」があり、講談社には「野間文芸賞」、「吉川英治賞」がありますが、それらは皆文春と同様財団法人を設立してそちらの主催ということになっています。
ちょうど「実用英語検定」(英検)と旺文社との関係に似ています。
特に「芥川賞」「直木賞」だけが有名なのは古く戦前からある賞だということ、文芸春秋社の社長であった菊池寛の両賞運営の仕方がうまかったということでしょうね。
なお芥川賞は作品本位の一発勝負、直木賞は作品は勿論ですが、候補者が今後も作家としてやっていけるかということが選考の基準のひとつになります。
従って過去の芥川賞受賞者にはまったくの無名の新人で、その後消えた作家が多いのに反して、直木賞には受賞当時すでに名を成していたり、一流作家として長く活躍されている方が多いですね。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 文学 芥川賞と直木賞の選考委員数の男女差について、1.なぜ大きいのか? 2.その差が、両賞でなぜ正反対なの 1 2022/04/14 15:16
- 文学・小説 純文学の定義とは何ですか? 娯楽性を重視する大衆文学に対して、純文学とは一般的に芸術性重視とされます 1 2023/05/09 13:43
- その他(教育・科学・学問) 私は、〜賞ほど愚劣なモノはない, と思っています。そう思いませんか? ノーベル平和賞→アメリカ目線 9 2022/12/24 18:00
- 文学 日本人が純文学をやたら特別視するのは何故ですか? 日本では芥川賞受賞者のような純文学者が直木賞受賞者 3 2023/07/06 12:57
- うつ病 メンタル疾患の人は芸術的感性が優れてる人が多いですか? 心を病む=繊細=芸術的感性が優れてる ★夏目 1 2022/11/14 18:27
- 文学 芥川賞、直木賞に興味がありますか? 今月も167回目の発表があります。今回の候補者は、これまでになく 1 2022/07/03 09:01
- 雑誌・週刊誌 出版社に勤務している方などで、芥川賞に詳しい方に質問です。 自ら印刷所に持っていって形にしたものをイ 1 2022/05/04 16:36
- 文学 芥川・直木賞の目障りな報道がでてましたが、 1 2023/07/19 21:01
- 文学 30年くらい前の芥川賞受賞者 1 2023/01/19 18:54
- 文学・小説 純文学の新人賞はもっと受賞させるべきだと思いませんか? 1 2022/08/20 22:00
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
日本人が純文学をやたら特別視...
-
村上龍は武蔵野大学入学から芥...
-
首吊りをしようと思っているん...
-
小説・古典等の有名な一節を教...
-
夏目漱石の「こころ」の「K」は...
-
夏目漱石「こころ」名前のある...
-
芥川龍之介の「杜子春」と唐大...
-
日本文学における「近代的自我...
-
「手習いや 天地玄黄 梅の花...
-
夏目漱石 こころ、輪廻転生説
-
夏目漱石『こころ』はエゴイズ...
-
文学は飢えた子の前で何ができ...
-
太宰治について
-
太宰治「狂言の神」の笠井一に...
-
芥川龍之介の『地獄変』につい...
-
奥の細道ー序文ー
-
舞姫について
-
三島由紀夫の春の雪について質...
-
夏目漱石の『クレイグ先生』に...
-
文体論って、どんなものですか?
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
文藝春秋についてどう思うか こ...
-
芥川賞の九段理江さんの生成A...
-
小説家(純文学)の印税生活の...
-
日本人が純文学をやたら特別視...
-
村上龍は武蔵野大学入学から芥...
-
芥川龍之介の作品が好きな偉人...
-
芥川賞・直木賞について
-
純文学って何なんですか? 単に...
-
三島由紀夫はなんで日本を「か...
-
芥川賞をとるには?
-
芥川の「トロッコ」……どれくら...
-
「(純)文学」の評価基準とは?
-
若者が主人公の純文学作品をお...
-
芥川・直木賞の目障りな報道が...
-
きょーこつの言葉の意味と使用...
-
なぜ夏目漱石賞がないのでしょうか
-
純文学の定義って何ですか?
-
本を読まない中高生に対して、...
-
芥川賞、直木賞に興味がありま...
-
純文学とは何なのですか?
おすすめ情報