No.5ベストアンサー
- 回答日時:
頼朝の母親は、熱田大宮司の藤原季範の娘で、
由良御前と呼ばれる女性です。
ちなみに
当時の習慣から女性の名前などは詳しいことは
記録にありません。これは普通のことです。
彼女は一応、義朝の正室ということになっていますが、
三浦義明の娘が母親である、長男の悪源太こと義平が
もし生存していたら、その地位はなかったものと思われます。
三浦氏は有力な豪族ですから。
範頼の母親は、池田宿の遊女と伝えられますが詳細不明です。
下賎の生まれというのが定説ですが、範頼自身が政治的に黙殺されたも
同然なので、事実は違う可能性もなきにしもあらず。
義経の母親は、有名ですね。もちろん常盤御前です。
都の美女千人のなかでとびきりの美人に選ばれた女性で、
梅津源左衛門の娘という説もありますが、詳細不明。
中宮九条院(藤原呈子)の雑仕女だったので、
すくなくとも中産階級の出身と思われます。
その後は平清盛の妾となったおかげで、三人子供たちの
助命が叶ったわけで
義経はこの母には恩と憤りの両方を感じていたことでしょう。
出自でわかるように、頼朝と義経は、格が大分違います。
義経はとても源氏の棟梁になれるような身分ではありません。
だから頼朝のほうが義経を嫉妬するようなことは
ありえないと思われます。
現実的な争点は、実は義経自身ではなくその背後にあります。
つまりは朝廷と幕府との権力争いであり、
奥州藤原と鎌倉との勢力争いなのです。
承久の乱で、もっとはっきりしますが、武家幕府の権限が
初期には不明確で、その争いが表面化していたのは明らかです。
頼朝側とすれば、武家のなかから朝廷に味方するものがでると困るわけで
そういう意味で義経は粛清されるべきでした。
つまりは見せしめです。
また義経が頼った奥州藤原は、鎌倉の権限が及ばない土地だったので
日本統一のためには、是非、攻撃する口実が必要だったのです。
だから義経を追いかけたのは、たんなる攻める口実に過ぎません。
事実、頼朝の狙いは、義経の首ではなく、平泉と金だったわけで
そういう意味からも、義経自身は眼中になかったのです。
政治の道具ということです。義経はその程度のコマに過ぎません。
No.10
- 回答日時:
新時代の権力ポスト争いな気がしますね。
何故なら、義経が平氏追撃した時には「東国武士」が居なかったのです。
壇ノ浦と中国大陸の進軍は東国武士は居ましたが、他の会戦においては
東国武士ではなく平氏側から寝返った者、新参の勢力が多かった。
功労は東国武士では無かった。
しかも、鎌倉挙兵時には義経は居なかった。
これでは、今まで頼朝に付いてきた古参は面白いはずが無い。
これからの新権力ポストに自分たち以外が入り込まれては困る。
明治でも戊辰戦争や統幕で大功を挙げた人間を粛清しましたからね。
鎌倉は、朝廷から武士の時代。
明治は、武士から近代の時代。
政権が大きく変わる節目はこんなものじゃないでしょうか。
平氏追討に参加しなかった彼等は、その平氏を討った義経を倒すことで面目を保つことが出来る。
頼朝の国家構想に邪魔者が増えすぎたんでしょうね。
邪魔者の求心の核が義経なので病の元を絶つ。
江戸時代は、戦国乱世を生き抜いた英傑なので少々の事では倒れなかったのかもしれません。
織田信長と秀吉が先に粛清してくれたのもありますが。
鎌倉や明治は分裂こそしましたが、群雄割拠ではありませんでしたからね。
No.9
- 回答日時:
奥州に逃れた義経を討ったのは1つの口実に過ぎなかった、という説があります。
その説によると奥州平泉の藤原氏を討伐するための口実として義経が利用されたということになります。(むろん、他の回答にあるように義経がいろいろと邪魔だったという理由もあったと思われます。)
藤原氏についても単に北方の脅威というだけではなく、藤原氏を滅ぼすことにより「前九年の役」を再現し、頼朝を頂点とする東国武士の支配強化をすることに目的があったというのです。
その裏付けとして奥州征伐には西国の武士まで動員され、平家討伐では鎌倉からほとんど動かなかった頼朝が自ら討伐に赴いています。
そして平泉が落ち、泰衡の首が届けられたにも関わらず、前九年の役が終結した厨川まで進軍し、さらに泰衡の首を安倍貞任と同じように釘を打ち付けて晒した....ことがあげられています。
朝廷に替わる武士による政権樹立のためには義経は討伐する必要があった、ということなのでしょう。
No.8
- 回答日時:
コウ兎死して、良狗煮らる
(ちょこまかうるさいウサギを猟犬を使って捕まえたが、使い道が無くなったので猟犬は煮られて食べられてしまった)
高鳥尽きて、良弓蔵わる
(高い所を飛ぶ鳥を射落とせる良い弓を使って獲物を仕留めたが、使い道が無くなったので弓は捨てられた)
中国史にも、兄弟でこそないですが、似たような出来事がありました。
秦の始皇帝の死後、二大勢力として対抗するようになった「楚の項羽」と「漢の劉邦」。このうち、劉邦の配下に「背水の陣」などの言葉で有名な武将「韓信」がいました。劉邦は韓信を深く信頼し、軍事の全権を任せ、韓信もその信頼に応えて、天才的軍略をもってついに項羽を倒し、漢帝国を建国することに成功します。ですが、その後、韓信の才能を恐れた劉邦は、謀反の罪をきせて韓信を殺害しました。さらに劉邦の粛清の手は、同じく建国の功労者であるホウエツや英布にも伸びたのです。
いろんな資料を見ますと、頼朝という人は、典型的な権力者、身内であっても信頼できない、猜疑心の固まりだったようです。義経と共に奥州藤原氏を滅ぼし、全国統一を成し遂げたあとも、義経の兄である範頼(義経の最期をみて、自分も疑われないよう気をつけていたにもかかわらず、ささいな事で謀殺されました。)有力家臣の上総広常、三浦。さらには義経の謀反を告げ口したといわれる梶原景時の一族へも粛清の手がのびました。権力者って奴は、どうしてどうして・・。最も、こんなことばっかりしてたおかげで、頼朝の血をひく将軍は3代で終わってしまい、北条氏に鎌倉幕府を乗っ取られちゃったんですがね・・。
その後の時代も、スターリン然り、毛沢東然り・・・
いやぁ、歴史って、本当におもしろいですよね・・
敵国破れて、謀臣滅ぶ・・・
No.7
- 回答日時:
例えは良くありませんが、頼朝は関東武家軍団株式会社の飾りとしての社長と言うべき立場です。
実力があって関東の首長になっているわけででは無く、(妻の実家の)北条家というパトロンのお陰と、(関東の他の氏族と比べて、一応官職は頂いている)自らの血筋のよさのバランスで、社長を任されているに過ぎない立場です。一方、義経は関東武家軍団になんら縁故もありません。それどころか奥州の首長と言うべき奥州藤原氏の庇護を受けています。
義経は、軍事才能は天才でしたが、(育ちの関係で)社会通念には欠けているところがあったのではないかと見られます。関東武家軍団の社長の弟という意識を持ちすぎ、関東武家を自らの家来のように思っていたのではないかと思います。
頼朝にとって実の兄妹は、四国冠者希義(早世)と一条吉保の妻となる女子しかいません。自らの地位は関東武家軍団会社の長ではあるが、いまだ振興途上のものであり、将来的な地位を保証されている訳ではありません(事実、頼朝の二人の子息は、幕府の長としての立場が理解できず、北条氏から排除されています)。
頼朝にとって、義経は軍事的才能は頼りになるが、自己主張が強く世間知らずで母親の身分の異なる異母兄弟をそれほど信頼できるはずがありません。一般論から言ってもそうでしょう。
ところが義経はこのところが分からず、頼朝は自分の兄であるから話せば分かるなんてセンチなことを考えているのです。これは腰越状を読むと良く分かります。
朝廷の政治思想と、関東武家軍団(幕府側)の朝廷からの独立思想は相容れるわけも無いのに、朝廷の長である後白河法皇から官位を得て嬉々としている異母兄弟を見て、これを斬るべきと判断するのは当然の感覚です。後白河法皇から義経に頼朝追悼令が出たらどうするのか(あるいは東国平定命令が出たら、頼朝の立場はどうなるのか)まで考えずに、朝廷の官位を受けて喜ぶ世間知らずさと、巨大な平家軍団を殲滅した軍事天才が同一人物に存在していたことが悲劇なのであり、頼朝の冷血差のみの問題ではありません。
まあ義経ばかりを攻めるわけではありませんが、現在の日本人でも平和憲法があるから外国からの侵攻がないといっているわけですから、笑えない話ではあります(実際に、中国や朝鮮,ロシアなどの外国が何度日本を侵攻あるいは略奪しているかについて目をつぶっている進歩系学者,政治家,ジャーナリストがいまだに日本の主流を占めているのにはあきれます)。
No.6
- 回答日時:
義経は法皇から「平家追討の院宣」を受け、1184年の『一の谷の戦い』で勝利します。
その功績で法皇は義経を判官に任じます。その当時、頼朝は報告(許可)なしに褒美等をもらうのを許していませんでした。もちろん、任官も同じです。そのことで頼朝は怒り平家追討の指揮官の任を解きました。これが兄弟が不和の初めです。
しかし、範頼の戦果が思わしくないため、頼朝はやむなく義経を再起用します。
その後、『屋島の戦い・壇ノ浦の戦い』で戦果をあげます。
その後、義経は頼朝に鎌倉入りを禁じられます。
その後、なんと義経は後白河法皇より頼朝追討の宣旨を受け、都落ちします。
その次に、北条時政(頼朝方)が、大軍を率いて上洛、法皇は頼朝追討の宣旨を義経追討の宣旨に切り替えます。(これは余談ですが、その無定見さに怒った頼朝は法皇を「日本国第一の大天狗」と評しました。)
それで、頼朝は義経の行方探索を名目とし諸国に「守護・地頭」を設置します。
そこで義経は、奥州平泉の藤原秀衡を頼りかくまってもらいます。
しかし、どんどん平泉に対する鎌倉の圧力が強くなっていきます。そしてついに藤原泰衡の時、頼朝の圧迫に耐えきれず、義経を討ちます。そして義経をかくまったとして泰衡も討たれました。
その後、頼朝が征夷大将軍として鎌倉幕府を開くにいたります。
最後は論点がずれたかもしれませんが、だいたいこれであってると思います。
長々と失礼しました。
この回答へのお礼
お礼日時:2007/04/02 10:45
義経は朝廷(後白河法皇、後の後白河上皇)と結託していたので幕府を作った頼朝にとっては目障りで朝廷のスパイみたいなものだったので攻撃したのですね。
No.2
- 回答日時:
戦いに秀でた能力を持ち、
実績に対して民からの評判もすこぶる良く、
後白河上皇の信認が厚い義経が、鎌倉幕府にとって危険な存在と感じたのでしょう。
詳しくは下記に出ています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%90%E7%BE%A9% …
この回答へのお礼
お礼日時:2007/04/02 10:35
後白河上皇は承久の乱を起こした人物ですから
後白河上皇と結託して反乱(承久の乱)を起こされて幕府を滅ぼされては困ると思ったのですね。
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