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私は看護師をしています。疑問に思ったのですが、口呼吸している患者に酸素マスクで1L/分送気するのと、鼻カヌラで1L/分送気するのとでは、どちらが効果的なのでしょうか。酸素マスクだと、流量が少ないと自分自身の呼気を再吸収してしまい、PaCO2が上昇してしまう可能性があると思いますが、その点も踏まえてどちらを選択すべきか教えて頂ければ幸いです。

A 回答 (2件)

大気を吸入するときの吸入酸素濃度は21パーセントで、酸素投与時は供給酸素の量と大気との混合比によって濃度は変化します。

自発呼吸時は供給酸素の濃度が変化しないものと仮定して、患者様の呼吸数や呼吸量が増えると吸入酸素濃度が低下すると考えられます。鼻腔カニューラでは口からの大気吸入が吸気のほとんどを占めてしまうことと、高流量が得られない事もあって吸入酸素濃度は非常に低いと考えらます。通常のフェイスマスクでは隙間から大気を吸い込む率が高いのですが、リザーバー付き(酸素を溜める袋)では高濃度が期待できます。さらに一方弁付きのリザーバーマスクが最も高濃度を期待できます。ベンチュリーマスクは唯一吸入酸素濃度を一定にできる方式です。
【鼻腔カニューラによる酸素吸入】
教科書的には酸素流量1リットル毎分につき吸入酸素濃度は約4%づつ上昇するとされています。通常は1~3リットル毎分(24%~30%)の酸素投与が行われますが、毎分6リットル以上の投与量では鼻腔の乾燥がみられ、注意が必要とされています。
【フェイスマスクによる酸素吸入】
5~10リットル毎分の酸素流量で35~50%の酸素濃度が得られる。リザーバー付き酸素マスクでは6~15リットル毎分の酸素流量で40~70%の酸素濃度が得られる。一方弁付きリザーバーマスクでは6~15リットル毎分では60~80%の酸素吸入が可能とされています。
【ベンチュリーマスクによる酸素吸入】
一定流量の酸素を投与する場合に用いる。フェイスマスクの酸素チューブ側にベンチュリーを設けて流量をコントロールします。青色(4リットル毎分で24%)からオレンジ色(12リットル毎分で50%)までアダプターをつけることにより希望の酸素濃度が得られます。

以上のことから、今回のご質問では一方弁付きの、できればリザーバー付きのフェイスマスクで酸素を投与されるのが望ましいと考えます。一方弁やリザーバーが付くことで呼気を再吸気してしまうことをある程度防げます。毎日交換するような消耗品でもないので価格が高くても十分に活用できると思いますがいかがでしょうか。
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この回答へのお礼

とても詳しい回答どうもありがとうございます。分かりやすい説明で助かりました。勉強になります。

お礼日時:2007/04/28 20:33

自発呼吸での吸入酸素濃度は、供給流量と患者の吸気流量によってきまります。

鼻カニューレでは口呼吸することもあって高濃度の酸素が流す事ができないとおもいます。
両者とも約24~30%の吸入気の酸素濃度(FIO2)が期待できると思いますが、鼻カニューラでは、FIO2は呼吸パターンや一回換気量などによって大きく変化し鼻閉や口呼吸の場合には期待した効果が得られない場合があります。
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この回答へのお礼

とても分かりやすく詳しい回答、どうもありがとうございます。助かります。

お礼日時:2007/04/23 18:45

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