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No.4
- 回答日時:
クロマトグラフィーは複数の物質を分離・精製する方法のことで、各物質間でカラムなどの固定相との親和性が異なることを利用しています。
親和性について考えるとき、極性や疎水性の違いに着目するか、あるいは電気的な性質(イオン性)の違いに着目するかなどによってカラムの選択が異なります。
※他の物性の違いに着目することもあります。
例えば、有機酸は陰イオン性の物質なのでイオン交換カラムを用いて分離する方法がよく使われます。糖分析にイオン交換カラムを使えるかというと、電気的に中性なのでだめです。糖は極性の違いによって分離する方法が適しています。このように、あるカテゴリ(大部分の性質が共通した物質のグループ:糖というグループや有機酸というグループ)に属する物質間のわずかな物性の違いによって分離するというのがポイントです。違うカテゴリの物質ではあまりにも性質が異なるので、大概は一緒に分析できません。
方法は一つではありませんが、測定したい物質のグループの性質に基づいてカラムを選択することが非常に重要です。しかしながら、既に測定法は確立している場合が多いので、それらを参照するのが最善かと思います。あとは保有している機器、分析コストを勘案すれば選択肢は狭まるでしょう。
どのくらいの分離能を必要とするかは、材料や抽出法によって異なりますが、ある程度の情報があれば、業者さんに相談すれば選択肢を提示してくれると思います。
カラム以外に重要なのは検出器です。これも物質の性質に応じて選択されるものですが、有機酸ならばイオン性であることを利用して電気伝導度計で検出します。ちなみに糖は示差屈折計(RI)を使うことが多いようです。また、少々面倒でありあらたに装置を加える必要がでるかもしれませんが、測定対象物質をなんらか物質でラベルする方法もあり、これによって検出可能(または感度良好)になります。例えば、アミノ酸の分析ではo-phthalic acid dialdehydeによってアミノ基にラベルすることで蛍光検出が可能となります。
ガスクロマトグラフィー(GC)はHPLCと異なり、移動相が気体ですから測定対象物質が気体あるいは揮発性でなくてはなりません。沸点温度が高く揮発性ではない物質については、誘導体化して揮発性の物質に変換してから測定します。誘導体化試薬には様々な種類がありますが、物質の官能基や誘導体化効率の違いに着目して選択します。これも各カテゴリの物質で手法が確立しているので、論文や書籍を参照するとよいでしょう。私は糖と有機酸を同時に揮発性誘導体化し、GCで一斉分析を行ったことがありますが、非常に簡便な方法だと思います。アミノ酸もGCで測定可能ですが、誘導体化効率の問題があり、あまり主流ではないようです。カラムの選択はHPLCと同様にどのような物性の違いに着目するかによると考えてください。
ミネラルの分析は、原子吸光法によって測定するのが一般的です。この方法は、高温によって原子化した物質に光を透過させた時の吸収スペクトルを測定するという原理によっています。各物質に対応したランプがなければ測定できません。原理はよく分かりませんが、ICPの場合は一回の試料注入で複数の物質を同時測定できます。しかし、これを保有している施設はそう多くないと思います。また原子吸光法に比べて感度が低いです。
いずれについても、材料が何であるかによって選択が異なると思いますので、同じ分野で使われている方法をトレースするのが良いと思います。手法開発をしている研究でないのであれば、他人の方法を引用するのが一般的です。この時、材料からの物質の抽出・精製の方法も検討する必要があり、これを怠るとクロマトグラフィーによる測定では夾雑物によってベースラインが乱れてしまったり、カラムのへたりが早くなるなど多くの問題が発生します。
ほとんど書き殴っていますので、わかりにくかったらすみません。
No.3
- 回答日時:
機器の原理はそれぞれに関する成書がありますので、それを読まれるのが良いかと。
まずは原理がわかっていなければ話になりません。ある成分を定量するときに決められた機器でなければできないというのは稀で、たいていいくつかの手段があります。たとえばミネラル成分なら湿式・乾式分解後に原子吸光、ICP-AES、ICP-MS等で分析したり、分解せずに蛍光X線分析にかけたり・・。有機酸ならHPLC、イオンクロマト、キャピラリー電気泳動など。糖は組成を知りたいのならGCやHPLCで、全糖量を知りたいのならフェノール硫酸法みたいな古典的手法で。アミノ酸組成はHPLCを原理とした機器を使うことが多いですけど、キャピラリー電気泳動のような機器でも測定例があります。
また、同じ機器でも例えばHPLCのようにカラムと検出器などの違いによって前処理法等が変わったりします。糖ならRI、蛍光、PADなどで検出しますが、それぞれでカラムやバッファー、前処理が違ったりします。
もちろん、それぞれの方法では感度、測定可能範囲や前処理法が違います。自分の研究室が利用できる機器を使って、自分の試料に適した方法を選ぶのがよろしいかと。
No.2
- 回答日時:
分析値を論文・公的報告書に使うなら、公定法の採用が無難です。
仮に、迅速、安価、正確と表示されている機器でも、その精度を公定法で検定する必要があります。公定法は国ごと、公共機関ごとに定められておりますので、事前に調査が必要です。もっとも権威のある公定法はアメリカや西欧、日本で使われている「Official methods of AOAC」です。FDAに関連した食品、土壌、薬品等に分類され、手分析から機器分析まで詳細に平易な英文で記述されております。技術系の大学に常備されております。でかい本と月刊誌で更新中で、一生の友として購入するのもお勧めです。お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
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