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こんにちは。
大学の授業でSDS-PAGEによるタンパク質の単離を行ったのですが、どれだけ調べても、濃縮ゲルがタンパク質を濃縮する仕組みがよく分かりません。
また濃縮ゲルに使用したのはTris-HClバッファ(pHは6.8)です。

以下、ある文献からの引用です(ある程度はまとめました)。

グリシンイオン、塩化物イオン、等電点がpH8以下のタンパク質は下方に向かって移動する。電流を流せば、負電荷を強く持つ順番に各イオンが並ぶ。
プラス極への移動について着目すると、塩化物イオンは初濃度を維持したまま下降していく。グリシンは濃縮ゲル中に入ると、周辺はpH6.8となり、このpHではグリシンの解離度は10%なので電流の担い手としては効率が悪い。
そこで、『電場が強まってグリシンイオンの尻を蹴って駆り立て、必死になって塩素イオンに追いすがらせる。試料液中のタンパク質の周辺からは塩素イオンが急速に去っていく。それとともに電場が強まってタンパク質は先行する塩化物イオンの背面にへばりつく状態になる。その後の空白はグリシンが追尾してきて占めてしまう。』
タンパク質は前に拡散すると、塩化物イオン領域の弱い電場のために減速される。後へ拡散すると事情は逆で前へ押しやられる。この結果、タンパク質はきわめて狭い領域に押し込まれて移動することを強いられ、この現象を” 積み重ねstacking” と呼んでいる。

↑の引用の『』でくくった部分がよく分かりません。
なぜ、またどこの電場が強まるのですか?
グリシンイオンや塩素イオンの電場が強まったところで、お互いの相対的な距離が縮まるのはなぜですか?(お互いが引き合う力はクーロン力で決まり、クーロン力は電場と電荷の関数のため?)

よろしくお願い致します。

A 回答 (1件)

こんにちは。

解決の一助になればと思います。
私は以下の原理であると教えてもらい納得したことがあります。

泳動開始直後は泳動Bufferにだけグリシンが多量に存在し、またBufferのpHがpH9程度のためほとんどのグリシンはマイナス荷電しており、プラス電極(下方向)に向かって泳動していきます。泳動が進むにつれてグリシンが濃縮ゲル中に入っていくのですが、ゲル中のpHが6.8程度なのでマイナス荷電がほとんどなくなり、グリシンの泳動速度は極端に遅くなります。

 これが質問文の「グリシンの解離度は10%」というところだと思います。

それと同時にゲル中に存在する塩化物イオンは泳動直後から泳動の先端を突っ走っていくわけですが、そうすると移動の速い塩化物イオンと遅いグリシンの間に電気を通す役割のイオン濃度が薄くなってしまう現象がおきます。そうするとこの境界部分の抵抗が大きくなり、狭い部分に極端に電圧がかかる状態となります。そうするとこの境界にいるタンパク質は速く泳動していくことになるのですけれども、タンパク質の先端が塩化物イオンの境界に近づくとイオン存在比が高くなるので電圧が弱まり、タンパク質の泳動が遅くなります。逆にグリシンに近いタンパク質はさらに高い電圧下にいるので移動度が加速します。

 これが『』でくくったところの原理だと思います。

このことによりタンパク質が徐々に濃縮していくということだそうです。

下の分離ゲルにはいるとゲルのpHは8.8程度なのでグリシンがまたマイナス荷電し、抵抗なくプラス側へ移動します。
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この回答へのお礼

イオン濃度と電圧の関係に気付きませんでした。
おかげで大分理解が進みました。
ありがとうございました。

お礼日時:2007/05/19 03:04

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