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物理の半導体関連のERP Paradoxというのは何ですか?
ネットで調べたのですが、よく分からず、お手上げ状態です。
知っている方、関連した本等を知っている方、どうか、教えてください。
よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

Einstein-Podolsky-Rosen のパラドックス。


電子回路というよりも量子論の基礎的な問題であり、分野としては「量子力学における観測の理論」です。

 量子力学の標準的解釈では
S:「観測(測定)がなされるまでは状態は決まっておらず、観測された瞬間に、ある状態に決まる」
という考え方をします。これに対して「そりゃあおかしいんじゃねえの?」という反論として提案された「思考実験」がこのパラドックス。

反論:もしそういう解釈が正しいのであれば、以下のようなことが起こる
(1) まず、二つの量子A,Bの状態を絡み合いにさせます。一方がスピン上向きならもう一方は必ずスピン下向きである、というように。だから、Aのスピンを測ってみれば、Bのスピンも分かる。言い換えれば、Bのスピンを測る方法として「Aのスピンを測る」というやり方もある、というわけです。
(2) でも、まだ測定は行いません。そして、二つの量子をうんと引き離します。たとえば1光年でも。この時点では、それぞれの量子はスピンが「上向きである」という状態と「下向きである」という状態、その両方が「重ね合わせ」られた「混合状態」にあります。どちらとも決まっていません。
(3) さて、量子Aの状態を計測します。この瞬間、量子Aはスピンが上向きであるか、下向きであるか、どちらかに確定します(純粋状態)。するとその瞬間に、他方の量子Bも自動的にスピンが上向きであるか、下向きであるか、どちらかに確定してしまう。

 でも、二つの量子は1光年離れているんです。これって、情報が一瞬にして(光速を越えて)伝わったってことにならないでしょうか?(EPRのパラドックス)。それは不可能だ。だから、解釈Sは間違ってる!!

 最近になって、この実験を実際に行えるようになりました。そして、驚くなかれ、まさにこのような事(3)は起こる、と実証されました。一瞬にして、AからBへ、変化が伝わるんです!!それで、今ではEPRパラドックスとは言わず、EPR実験と呼ばれています。

 じゃあ、これで超光速通信が可能になったの? 残念ながら、このやり方では実質的な情報は送れません。((3)の場合なら、Aのスピンがどっち向きかは測ってみるまで分からない。ですから、Bの方が確定したからといって、両方で情報を伝えたことにはなりません。)いろんな工夫が試みられたけど、ダメです。

 自然はなんと旨くできていて、かつ不可解であるか。そして、量子力学は何と正確であることか...と思ってしまいます。

 EPR実験の方法と意味についての易しい解説は、多分ブルーバックスあたりにありそうです。
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この回答へのお礼

丁寧な分かりやすい回答を頂きまして、本当にありがとうございました。

(3)は起こる(!)と実証されたってすごいことですね。
どうしてこんなにうまくできているのかすごく不思議です。

ERP実験に関してもいろいろと調べてみようと思います。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2001/01/20 20:57

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