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お世話になります。

犯罪心理について興味を持ったので、その質問になるのですが、

ある凶悪な事件が起きると、その後に連鎖的に同様の事件が起きているように
思えます。そこで、続いて起こす犯罪者は発端となった事件について何かしら
の影響を受けているのでしょうか? もしそうであるなら、その心理について
名称などあるのでしょうか。

A 回答 (5件)

心理学では「心理」に名前をつけたりしませんが,


犯罪の連鎖についての心理学的説明を求めるなら
「観察学習」ないし「モデリング」によるものと考えるのが妥当でしょう。

経験による行動パターンの持続的変容を心理学では「学習」と呼びますが,
観察学習≒モデリングは直接の経験なしに
他者(モデル)の行動とそれが生じた文脈を観察するだけで生じる学習です。
代理性強化による学習とも呼ばれます。

観察学習とモデリングは厳密に言うと完全に同義ではなく,
研究者によっても使い分けに揺れがあるのですが,
一般的には同じものと理解しておいていいいでしょう。

観察学習のモデルは実在の人間である必要ななく,
ドラマの登場人物やアニメのキャラクター,
あるいはサル山のサルだってモデルになり得ます。
ただしモデルが学習者と類似した属性や境遇を有していたり
学習者とって魅力的な存在であったりする場合,
観察学習は生じやすくなるようです。

また行動のあとに生じる事態の観察によって効果は違ってきます。
当然のことですが,
モデルが報酬を受けたり褒められたりする事態を観察すれば模倣は促進され,
モデルが損失を被ったり叱られたりする事態なら模倣は抑制されます。

犯罪の連鎖に似たものとして
特殊性のある自殺の報道のあとに類似した自殺の連鎖が生じることがあります。
このような連鎖自殺には「ウェルテル効果」という名前がつけられています。
背景には犯罪の連鎖と同じメカニズムがあると考えていいでしょう。

犯罪や自殺の連鎖を防止するには
観察学習の可能性を念頭において報道の仕方に細心の注意を払う必要がありますが,
日本のマスコミはそのあたりの配慮にまだまだ欠けているようです。

下記URLに
自殺報道のあり方に関するWHO勧告の概要と原典へのリンクがあります。
参考になさってください。

参考URL:http://www.lifelink.or.jp/hp/jisatsuhoudou.html
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ありません。
ありがとうございました。


ストックホルム症候群など名前があるのかと思い質問させて
頂きました。
さて観察学習ということでしたが、例えば米国・大学内銃乱射事件
では、その後も銃を使った同類の事件が連鎖したように思います。
しかし、後続者はそこから社会的インパクトという報酬を
学習して事件を起こしたというような理解でよろしいのでしょうか。

お礼日時:2007/05/28 20:44

確かにその連鎖はあります。


それは人の心理構造が外部からの刺激によって反応するから
です。トリガーが何かは誰にも分かりません。本人でさえも
分析は難しいかもしれません。しかし、テレビの報道や何か
が原因となって、その人間の背中を押し、同種の事件を起こ
させます。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ありません。
ありがとうございました。

No4さんのリンクからも、報道の仕方は注意しないと
いけないようですね。トリガーは最初に起きた凶悪事件という
考え方ではいけないでしょうか。その連鎖する様子に心理学・
精神学的に名前がついていないのかと気になり質問
させて頂きました。

お礼日時:2007/05/28 20:48

1です。

2さんの回答を読みましたので補足を。

情報のフタはどんなことで外れるか、それはもう簡単なことでも外れます。たしかに外見なども要因ですね。自分の置かれた状況に順応するからです。

役目を引き受けるという自足感・目的を与えられると、普通の人も殺人を行い得ます。
ミルグラムの実験がよく知られていますが、忌まわしい実例のほうこそたくさんあります。

ちっちゃな正当化が、人間にどんなに大きなことをさせるか。
(大きな正当化は、犯罪といわず、たとえば、虐殺であったりテロであったりまた別のものですが)

模倣事件の場合、見たこと、聞いたことを、「したくならない」のが「普通」ですが、
もし目の前の小指で押せるボタンで匿名で同じ事が起こしえるとなると、
おそらくいっきに「普通」の人の判断は鈍る。
ちゃっちゃな正当化、役目、なんてこんなもんです。

さいわい、物理的な手間や生理的な嫌悪感や社会的な制裁が、いつも判断の秤をつりあわせてくれます。
「普通」の人が多くて世の中はたすかります。
もし常に「しようかどうしようか」の境界に立っている人だったり、
「自分を完全否定」するが「効力感を求める」人だったりしますと、
やはり、秤がカタン、と傾くきっかけはたやすい。
犯罪を見ることがきっかけでしょう。それも、一人でなく、二人、三人、と見ることでしょう。
なかなか、「普通」の人と見分けはつかないものです。
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この回答へのお礼

度々申し訳ありません。
本当にありがとうございます。

ある凶悪事件によって心の秤がゆれる、ブレるということですか。
現在の連鎖的な凶悪事件は、社会的制裁など釣合いを取る
ほうが弱いのか、凶悪事件の衝撃による傾きが大きいのか
気になるところです。

お礼日時:2007/05/28 20:38

外れているかもしれませんがそういう事を行なう前準備と関係がないでしょうか。

軍隊に入って敵を殺す訓練を受けるとき民間人の服装ではうまく行かないと思います。やはり兵隊の制服を着ないとなかなか人を殺すことは身につかないと思います。凶悪犯罪も似たところがあるのではないでしょうか。普通の人は誰かに教わらなければ人殺しなどはできないと思います。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ありません。
ありがとうございました。

普通の人という定義が今や無くなっている気がするのです。
中高生でも他人だけでなく、親や兄弟をも殺めてしまいます。
それが、そのような事件でも何故か連鎖的に起きていたような
気がするのですが、それは加害者は最初の事件に何かしらの
影響を受けるのでしょうか。それについて疑問に思ったので
質問させて頂きました。

お礼日時:2007/05/28 20:30

模倣犯罪の心理ですか?


名前はあるのかなあ。

相反する情報に対して、一つに蓋をして、一つを選ぶということがあります。
盗みはいけない、ととりあえず思っているが、それは絶対的規範というわけではなく、
「盗めば盗める」という情報の部分に蓋をして、「私は盗まない」というところを選択しているだけです。
間近で次々と人が盗むのを見ると、この情報選択に、ぶれが生じます。
どっちを選択してもいいな、という気になってきます。
なんだか、盗むほうを選択した場合にの損得などを計算したりします。
それが、盗んではいけない、という情報の中の理由(罰がある。恥である等)を超えると、、、
盗みます。

単純化しますと、こんな感じ。つまり、観察と情報の蓋のゆるみが、模倣を引き起こすと。
凶悪犯罪なら、普通の人は、めったなことで情報選択がぶれないはずなんですが、ぶれる人そこそこもいるわけです。
めったなこと、というのも、そこそこあって、
閉鎖的な環境で上下関係をつけられて支配側に立った場合など、多くの普通の人が、凶悪なことでも判断がぶれます。
こわいですね。
これは、また別の心理が作用してもいるのですが。

この回答への補足

しばらく他のご回答をいただけることを期待したのですが、もうないようなので理解しやすかった回答No.1さんとNo.4さんへポイントを差し上げます。

補足日時:2007/06/04 12:43
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ありません。
ありがとうございました。

ブレですか。思いつきもしませんでしたし、面白い考え方
だと思いました。ある凶悪事件がおきて、それから立て
続けに起きるのは、そのブレによるものなのでしょうか。
ブレさせないための情報が流れないうちに事件の連鎖が
終息してしまうのが、気になるところではあります。

お礼日時:2007/05/28 20:26

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