No.6ベストアンサー
- 回答日時:
【ピンきり】調べました。
長くなりましたがよろしく。「ピンからきりまで」を縮めた言い方。「ピンからきりまで」は、天正カルタ(※1)で「1の番号札」を「ピン」、「12の番号札」を「きり」と呼び表したことから生じたとされ、本来は「初めから終わりまで」の意味。
「ピン」はポルトガル語の「pinta」(英語の「point」と同義)で、点が1つだけの、さいころの「1の目」やカード(カルタ)の「1の番号札」のこと。数字の「1」ではないことに注意。ポルトガル語で数字の「1」は「um」という。しかし、「ピン」を数字の「1」と混同したことから、「ピンはね(うわまえを1割かすめ取る)」や「ピン芸人(一人で演じる芸人)」などと使われるようになる。
「きり」は古代からある和語で「際限」や「終わり」の意味。「きりがない」は「際限がない」という意味。「これっきり」は「これでおしまい」。能や芝居でも、最初の段を「序」と呼ぶのに対して、最後の段を「切り」と呼ぶ(※2)。ここから、カード(カルタ)の最後の番号札である「12の番号札」を「きり」と呼ぶようになった。ということで、「きり」が何らかの数字を表すという、“「十」→「クルス」→「キリ」”などの説は誤り(※3)。また、今の花札の元になるカルタは、江戸時代中期以降に作られたもので、「12の番号札」を呼び表す「きり」のダジャレで、12月の絵柄を「桐」にした。したがって、“花札の「桐」から「きり」という言葉に「終り」の意味が生じた”とする説も、起源と帰結が逆転したまったくの誤り。
「ピン」は「1の番号札」つまり「一(はじめ)の番号札」であるから、「ピンからきりまで」の本来の意味は「初めから終わりまで」である。しかし、「一(はじめ)の番号札」を「一番めの札」と言っても同じである。その結果、「ピン」に「一番」や「第一」という順位付けの意味が加わり、「ピン」は「最上品」を意味するようになった(※4)。ここから、「ピンからきりまで」に「最上品から最悪品まで」の意味が加わるようになる。この用法では「きり」が「最悪品」ということになるが、もちろん、「きり」単独には「最悪品」の意味はない(※5)。そのせいか、今では、「ピン」と「きり」のどちらが最上品なのか最悪品なのか混乱している用法も見受けられるようになり、挙句の果てに、順位付けの意味も失って「ともかくいろいろなもの」という意味で使われることも多い。
(※1)「天正カルタ」と言っても天正年間に作られたものではなく、天正年間に伝わったカルタの末裔である国産品カルタのこと。天正年間に「ピンからきりまで」という言葉があったということではない。また、現在のトランプは1から13までの札があるが、天正カルタは1から12までの札である。
(※2)「大切り(おおぎり)」とは「その日の最後の演目」のことで、昼夜2回公演なら、夜公演の最後の演目のこと。
(※3)「ピンタ」という3音の発音を「ピン」と2音に縮めて発音するのは納得できても、どう間違っても「クルス」という3音の発音を「キリ」と訛ることはないだろう、と思われる。ただし、“「十」→「クルス」→「キリ」”の説を採る有名辞典もある。この説に従うと、「ピンからきりまで」の本来の意味は「一から十まで」となるが、上述のように「ピン」は数字の「1」のことではない。それにどこから「十(10)」が出てきたのだろうか?さいころなら最後は「6」だし、カード(カルタ)なら最後は「12」である。
(※4)ほとんどの辞典が「ピン」の意味の1つに「第一」や「最上品」を挙げる。「ピン札(さつ)」の語源も諸説あるが、「(使われたことがなく汚れや折れ曲がりのない)最上品のお札」という説が最も納得がいく。「ピン芸人」が「最優秀の芸人」の意味でないことは“まちがいない”。古!
(※5)このことから、「最上品から最悪品まで」の意味は二次発生的なものであることが分かる。
返事が遅れまして申し訳ございません。とても丁寧にご説明いただいて、ありがとうございます。
「ピンからきりまで」の語源は「1の番号札から最後の番号札まで」で、「初めから終わりまで」が本来の意味なのですね。ピンはね、ピン芸人、大切り、花札の桐、ピン札、まで説明していただいて、納得できたような気がします。「天正カルタ説」と呼んでよろしいのでしょうか?
「きり」は日本語なのですか!確かに「これっきり」は「これで十」ではないですものね。今までなにげなく、「ピンきり」と書いていたのですが、これからは信念をもって「ピンキリ」ではなく「ピンきり」と、「きり」をひらがなで書きます。
No.7
- 回答日時:
ANo.6の回答者です。
ANo.6の回答の中の、(※3)(略)それにどこから「十(10)」が出てきたのだろうか?(略)
に対して補足します。
「おいちょかぶ」のように「1から10の番号札」を用いるゲームがある。天正カルタや花札から11と12の番号札を除いて遊ぶのが普通だが、おいちょかぶ専用の1から10の番号札だけのカルタ(株札)も作られた。この株札の数字の「十(10)」から「キリ」が生じたとする十字架説の一種(株札説)もある。この説の難点は、おいちょかぶでは数字の「10」を通常「と(う)」などと呼び「キリ」と呼んだ訳ではないこと。ちなみに、札の番号の和の下1桁が「0」ならば「ぶた」と呼ぶ。また、十字架説ではなく、「10の番号札」を最後の番号札ということで「きり」と呼んだのであれば、天正カルタ説の焼き直しである。株札よりも天正カルタの方が先に成立しているので、株札は、天正カルタにならって、最後の番号札を「きり」と呼んだだけのこと。
十字架説だが、確かに、質問者がANo.5さんへのお礼で書いているように、「ピンからきりまで」と「一から十まで」はニュアンスが違う。「良いも悪いもピンからきりまで」とは言うが、「良いも悪いも一から十まで」とは言わない。つまり「一から十まで」には、この成句の「一」や「十」の字面とは裏腹に、順位付けがない。「ピンからきりまで」が順位付けの意味も失って「ともかくいろいろなもの」という意味で使われるようになってから、「一から十まで」の「全部」というニュアンスに近くなったのだと思われる。
No.5
- 回答日時:
はじめまして。
1.ピン:
(1)語源はポルトガル語です。(中国語ではありません)
(2)pinta=「点」がもとの語源です。
(3)そこから、カルタ(ポルトガル語のcartaが語源)や、賽の目の点「1」を表す言葉を「ピン」というようになりました。
(4)この説は、ほぼ統一して有力説で定説化しています。
2.キリ:
有力な説は次の2つがあります。
A:十字架説
(1)語源はポルトガル語の十字架を意味するcruzです。
(2)発音が日本人にはキリスと聞こえることから、「キリ」となったようです。
(3)また、十字架が漢数字の「十」に見えることから、cruz「キリ」が数字「十」を連想させました。
(4)十進法では、十が最後の数字になるので、「キリ」=「十」=「最後」という意味に転用しました。
B:トランプの切り札説:
(1)ポルトガル語が語源のカルタartaは=トランプのことを指します。
(2)トランプで、切り札が「最後の手」を意味したことから、「切り札」の「切り」→「キリ」=「最後」を表す言葉になりました。
(3)また切り札には、「物事に区切りをつける」という意味もあるため、「区切り」の「切り」=「最後」も同じく掛け合わせた言葉として、「キリ」が使われるようになりました。
3.結論:
以上のように、「キリ」には主な説として、上記の2節が有力とされています。どちらを信用するかは、各自主観で決めればいいのでは?数では1の十字架説が優勢ですが、個人的には、Bの切り札説を信頼しています。
以上ご参考までに。
ありがとうございます。
ANo.6さんの回答も読んだのですが、pinta説はほとんど確定したと考えてよさそうです。
十字架説は、ANo.4さんの回答で、あまり納得のいく説とは思えなくなりました。「ピンからきりまで」という言葉は「一から十まで」とは違う気がします。「ピンからきりまで」は「初めから終りまで」という「順序や順位」、「一から十まで」は「全部」というニュアンスのような気がします。
切り札説も面白いですね。でも、「trump(英語)」をどうして「切り札」と呼ぶようになったのでしょう?「最後の手」だから「切り札」と呼ぶようになったというのでは、「きり」に元々「最後」の意味があった、ということになりませんか?それに、「ピンからきりまで」が「1の番号札から切り札まで」に由来するというのでは、そもそも一体何を意味した言葉なのか分かりかねます。
No.4
- 回答日時:
♯3です。
訂正します。
Cruzの発音はクルースです。
キリシタンと混同しました。
クルースですからあんまりキリとは関係ないような気がしてきました。
No.3
- 回答日時:
ポルトガル語の通訳です。
URLは非常に興味深かったです。
以前、ピンはポルトガル語であるとわたしも聞いたことがあります。そのときはポルトガル語のPintaから来たとありましたが、Pintaはそういう意味がありません。ひょっとして1500年ごろのポルトガル語かもしれないと思っていましたが、中国語でしたか。
Ponta(ポンタ)なら筆頭という意味があります。
因みに京都の先斗町というのはポルトガル語だそうです。ポントというのは点と言う意味で英語のポイントです。
キリがポルトガル語のCruz(クルス)(十字架の意味)から来たとは驚きました。そういわれてみればクルスの実際の発音はキリースです。しかもキリーが強くてスはあまり聞こえませんから当時の日本人にはキリと聞こえたのかもしれません。
キリシタンはCristaoと書き、クリスチャンのことです。
キリストはCristoと書き、発音はキリストです。英語ではクライストですから英語ではなくポルトガル語でしょう。
ありがとうございます。
中国語説納得できますか?私はできないのです。
「ピンズ」は、トランプでのスペードやハートと同じで、スーツを表す言葉です。「1」とは直接結びつきません。中国語由来なら、「ピンきり」ではなく「イーきり」になったはずです。
No.2
- 回答日時:
早々とご回答ありがとうございます。
このURLは既に拝見しました。「ピン」は愚説ですね。質問にも書いたように「キリ」の説明にも納得いきません。
No.1
- 回答日時:
この回答への補足
インターネットが便利なのは分かります。できれば“『キリ』はカルタの12枚目である「最終」を意味する。”をもっと詳しく説明してくださいませんか。
補足日時:2007/06/04 05:31お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
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