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 岡野玲子さんの「陰陽師」で「呪」についての説明がありましたが、「名前」というものに関しての質問です。
 名前を隠すというのは「ゲド戦記」(未読ですが)の「真の名」に代表されるように西洋(ケルトか?)に多いと思うのですが、日本の文献でも名を隠すというのはみられますか?たとえば日本の場合、、戦いの前に自分の名をまず名乗ってから行動をおこしたりします。すぐ金縛りになっちゃう(笑)。個人の名前が人生の内で何度も変わったり、役職名だけが残っていたりして、名前が呪としてどのように重きを置かれていたのか自信を持って結論に達することができません。
 「名前」や「呪」に関する文献や、岡野玲子さん(若しくは夢枕獏さん)がこの部分を何を元にして書かれたのか、ご存知の方がいらっしゃったら教えて下さい。あなたの考えでも結構です。

A 回答 (3件)

 手元に資料がなくて、記憶に頼って答えざるをえないのが申し訳ないですが、一応。



 日本にも「本当の名前を隠す」習慣はありました。
 まず、奈良時代以前の万葉歌謡の時代ですと、男が娘に名を尋ね、娘が「真名(まな)」を名乗ると婚姻を受諾したものと見なされました。「名」が、その本体と同一視される言霊思想の反映と考えられます。
 それから平安時代。女流文学者たちの名前として、紫式部、清少納言、和泉式部、赤染衛門など、多くの女性の名が残されていますが、これらはどれ一つとして彼女らの「本名」ではありません。「女房名」です。七曲署捜査一課に配属された新人刑事が、「よぉし、おまえは今日からラザニアだ!」と勝手にニックネームがつけられ、二度と本名で呼んでもらえないのと同じことです。本名で呼び合うことを「忌むべきこと」とする習慣が、宮中にはあったのです。やはり、本名が呪詛に使われるのを恐れてのことでしょう。
 ですから、宮仕えしていなかったり、たまたま女房名が忘れられたりした女流文学者の場合、「藤原道綱母」(蜻蛉日記)とか「菅原孝標女」(更級日記)とか、親類縁者との関係でしか呼ばれていない女性たちもいるわけです。
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この回答へのお礼

親切な回答ありがとうございます。やはり本名は隠すものなのですね。
ところで、平安時代の女性は本名は持っていたのでしょうか。女性には名前をつけないという話を聞いた事があるのですが(男尊女卑から?)。

お礼日時:2001/01/22 22:01

ozapanさんに追加です。



武士の世の中になってからも本名ではほとんど呼びませんでした。本名で呼んでいいのは主君だけでした。
例えば徳川三郎次郎家康。これがフルネームです。しかし、三郎次郎を使ったり、官職名で呼んだりします。
特に(松平)伊豆守、(吉良)上野介等の名前を武士が勝手に名乗ってそれを自分の通称にしている場合が多いですね。
これは昔の貴族が地方行政官に任官されたとき領地+官名を名乗っていたのを真似したのです。
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この回答へのお礼

ほう!三郎次郎というのですか!まったく知らなかったことを教えてくださってありがとうございます。じゃあ、戦いの前に名乗るシーンは後世の創作か、必ずしも本名を名乗ったわけではないということですね?

お礼日時:2001/01/22 22:03

日本や中国には「字(あざな)」と「忌み名(いみな)」がありますね。


たとえば、西郷隆盛の字は吉之助で、いみ名は隆盛です。西郷さん本人は自分のことをいつも吉之助と名乗り、一生涯隆盛と名乗った事はないそうです。もっとも隆盛という忌み名は間違いだったという話もありますけど・・・。
中国では三国志で有名な諸葛公明がいますが、公明は字で、忌み名は亮です。主人の劉備や父母以外は亮という忌み名は知らなかったはずです。
日本では、会社の上司の事を階級である「部長」「課長」で呼び「××さん」とは普通呼びません。これは名前による呪を忌むことの名残りだと言われています。
「呪」に関しての文献ですが、「陋巷に在り」(酒見賢一)が参考になると思います。(学問的な知識を得たいのなら不向きかもしれないですけど)

この回答への補足

他にもまだまだ回答受けつけてますのでよろしくお願いします。

補足日時:2001/01/22 22:11
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
本名というものを日常で使わなかったり記録に残さないのなら、歴史人物の本当の名前は確かに調べにくい問題ですね。
酒見賢一さんの本は以前に「童貞」というものを読んだことがあり、「陋巷に在り」にも少なからず興味があります。ご推薦ありがとうございました。

お礼日時:2001/01/22 22:10

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