こんにちは。taked4700 です。
英語文法について、普段からいろいろ考えてきましたが、高校段階でやる動詞の語法について、それを説明するのにとても便利な考え方として、目的語駆動力と言うものがあると思います。
それについて、幾つか、説明を考えてみました。この考え方が正しいか、または、これと同じような考え方が、以前、誰かによって言われていたか、それを知りたいと思います。
4.目的語駆動力のような感覚は、目的語が無くても、文型の理解に役に立ちます。
たとえば、advocate と言う動詞ですが、Cambridge のInternational Dictionary of English には、She advocates taking a more long-term view. と言う例文が載っています。つまり、advocate to take ...と言う形はとらないと言うことなのです。
なぜ、advocate to do がだめかと言うと、一般に、主語+動詞+to do と言う形は、主語が to do と言う行為を直接すると言うニュアンスがあり、advocate には、「提唱する・唱導する・賛成する」のような意味しかなく、自分が直接やると言う意味ではないから advocate to do がだめなのです。
では、なぜ、これが目的語駆動力と関係があるかと言うと、対象の一般性のようなものが関係があるのです。advocate は、「一般にこれがいい」とか「社会全体にとりこれがいい」のような意味で使い、「彼にとってこれがいい」のように、特定の対象に対してどれがいいと言う意味で使うことは無いのです。つまり、特定の対象(目的語)が無いため、駆動対象が無いと言うイメージなるわけです。(これが、第5文型で使わない理由となります)
翻って、駆動と言う感覚は、何かに対して、静止している状態から動かすというイメージになります。つまり、どうしても、現状から遠い、つまり、静止から動きへ変化するので、現状そのものではないのです。そのため、いろいろな使役動詞では、補語部分に to do の形が来るのですが、 advocate は、そういった駆動対象そのものを持たないため、単に、事実として「いいと判断すること」を名詞として示すわけなのです。
つまり、He advocated to do... だと、「彼がdoする」と言うこと以外に、提唱する内容自体が、何か今のことではない、何か遠い実現できないようなもののようなイメージになるのです。それに対して、He advocated doing...なら、doing と言う名詞形なので、もうすでに実際にやってみたことがあると言うようなイメージになるわけです。
日本語で考えると、あたかも、将来のことなので to do を使うのかと感じる動詞が他にもいろいろありますが、上のような理解の仕方で、ほぼ完全に正しく使えるようになるはずです。
5.I believe him to be honest. はOKで、 I believe him to play tennis. はだめとされています。これも、一種の目的語駆動力と言う考え方で説明されます。つまり、to be ... は、状態であるため、駆動と言う感覚ではないのです。そして、だからこそ、believe という、駆動と言う感覚の無い動詞に使うことが出来るのです。
逆から言うと、I believe him to play tennis. は、これから彼がテニスをするように自分が彼に「信じる」と言う働きかけをする、と言う意味になってしまい、それが、「信じる」と言う意味にそぐわないのです。
しかし、I believe him to have played tennis. はある程度OKだといわれています。これは、過去のことなので、これから駆動すると言うイメージは無く、過去のことつまり事実、言い換えれば、状態化したものを述べると言う感覚になるからです。
believe のほかにも同様な制限がある動詞は結構あります。
以上、です。
なお、これらの文章は、http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3014982.html
で、自分が回答したものでもあります。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
#1です。
>なぜ、もっと他の方から回答がつかないのか、不思議です。
私も不思議に思います。仰せの問題が英語を理解する上で大変重要な問題であることは間違いないのですが...。
現在の日本の英語教育では、例えばsayとtellを例に取ると、大きく分けて次の(1)~(3)いずれかの教え方をしていると思います。
(1)何も教えない(つまり、次の(a)のみ教える)。
(a)sayとtellは「言う」という意味である。
(2)用い方の例のみ教える(つまり、次の(a)、(b)のみ教える)。
(a)sayとtellは「言う」という意味である。
(b)主には、say that、 say to one that、 say something、 tell one、 tell one to do、 tell something などの形で用いる。
(3)ニュアンスを教える(つまり、次の(a)、(b)を教える)。
(a)sayは 「文/語句/文字などを引用または明示するために言う」こと、つまり「~と言う」」ことであり、tellは 「内容とだから何をすべきなのかとがよく分かるように言う」 ということである。
(b)主には、say that、 say to one that、 say something、tell one、 tell one to do、 tell something などの形で用いる。しかし、(a)のニュアンスに合いさえすればどんな形で用いてもよい。
(1)で習うと、英文和訳はできますが、英文を自分で作ることはできません。
(2)で習うと、 暗記地獄に陥り次から次へと暗記しなければならず、また暗記しても自分が覚えている以外の形が正しいのかどうか分からないので使いこなすことはできません。
(3)で習うと、ニュアンスで理解するので自分の言いたいニュアンスに合わせて自在に使うことができます。
現状での日本の英語教育は、多くの場合(1)であり、せいぜいよくて(2)止まりであり、(3)はごくまれと言わざるを得ないと思います。しかし、これからの英語教育は(3)を目ざすべきだと思います。
(3)はよい学習方法なのですが、全ての動詞についてそのニュアンスを1語ずつ正確に理解しなければならないので、教える側から見るとまず自分がそれを理解しなければならないという(3)を実施するうえでの大きな越え難い壁があったと思います。しかし、仰せの「目的語駆動力」はこの部分をルール化し、動詞を分類、整理し、一目瞭然にすると思います。いわば、複雑に入り組んだ細い人道しかない地域(つまり、(3)のニュアンスまで正しく知るという学習方法)に、東西に走る碁盤の目のような広い道を付けるようなことだと思います。これにより英語学習者が受ける恩恵ははかりしれませんが、それよりも格段に大きな恩恵を英語教育者は受けると思います。これまでアンタッチャブルであった内容に、深く踏み込んで教えることができるようになると思います。
したがって、仰せの内容は、英語文法研究史に永く輝く論文となるだけでなく、後世の全ての英語教育者がよりどころとする論文となり英語教育史上における不滅の金字塔となると思います。できれば、英語と日本語の両方でお書きになられましたら、外国の学習者も利用できるのではないかと思います。論文を発表されましたら、掲載雑誌名等をこのサイトでまたお教えください。是非、勉強させていただきたいと存じます。
ありがとうございます。
語法の問題は、ずっと感じていたことでした。これって、いくらなんでも慣れだけで理解しているわけはないと感じていて、どんな原理があるのか、それをいつも探していて、目的語駆動力と言う考え方に行き着いたのです。これに近いことはすでに教員時代に感じていて、使役動詞のhave がtoなしの不定詞をとるのは、すでにそこにあるものを「持つ」と言う感覚だからと言う説明をしていたのです。ただ、いろいろな語法について説明する機会があまり無く、自分でもあまり考えていなかったので、教員時代は、目的語駆動力という考え方に行き着きませんでした。
論文にするには非常にまだ敷居が高いような感覚があり、取り組みに戸惑っていると言うのが正直なところです。ただ、このまま時間が過ぎていくと、機会を逃してしまうと言う気持ちが強く、今回、まとめて投稿させていただいている次第です。
重ねて、ありがとうございます。
No.1
- 回答日時:
>この考え方が正しいか、または、これと同じような考え方が、以前、誰かによって言われていたか、それを知りたいと思います。
お考えはたいへん適切かつ有益ではないかと思います。他にも、身近なところでは、tell one to doと say to one thatの違いなども御提案の「目的語駆動力」の違いの1例ではないかと思います。
たいへん深い御考察にただ驚くばかりです。具体的な動詞の例を添えて発表されると、英文法研究の歴史に残る論文になるのではと存じます。
以前誰かによって言われていたかどうかは浅学のため分かりませんが、私は聞いたり見たりしたことはありません。英米の文法書でも見たことはありません。
ありがとうございます。
非常にいい評価をいただけて、大変うれしく感じます。
ただ、なぜ、もっと他の方から回答がつかないのか、不思議です。
重ねてありがとうございます。
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