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物理は専門外ですが興味があって素粒子の入門書を読み「ゲージ粒子の中でウィークボソンだけが陽子の90倍の質量を持つ」と書かれていました。
質量を得たのは「対称性の自発的破れ」とか「ヒッグス機構」とか書かれており「なるほど、なるほど」と読み進みましたが、なぜウィークボソンだけは質量を持つのでしょうか?
弱い力は他の力に比べ伝達に時間がかかるので、それと何か関係あるのでしょうか?
ウィークボソンが質量を持たないと何かまずいのでしょうか?
ここが良く理解できないのでよろしくお願いします。

A 回答 (3件)

> n → p + e- + -ve 反応は d → u + w- と w- → e- + -ve の結果ですが


> なぜ陽子よりずっと小さい質量しか持たない d から、陽子の90倍の質量を持つ w- が生成されるのか。
> w-が持つ質量というかエネルギーはどこから来て、どこへ行くのか。

これは時間とエネルギーの不確定性原理から許されます。

ΔE * Δt = h (プランク定数)

なので、ΔE = h/Δt から短い時間であれば大きなエネルギーを借りる
ことができます。短時間だけ存在して崩壊します。崩壊後の粒子は軽い
のでエネルギー保存則がなりたちます。

>・質量を持たないゲージ粒子は力の到達距離が無限遠まで届く。
>・力の到達距離が短いゲージ粒子は質量を持つ。
>・グルーオンは相互作用があまりに強いため質量を持たなくとも短距離力を及ぼす。
>・ウィークボソンに質量があるとくりこみが不可能になる。
>・元々質量0のウィークボソンだがヒッグス機構により質量を獲得する。
> と理解しました。間違い等ありましたら御指導頂きたくお願いします。

正しいと思います。

> 少し前に機会があって筑波の高エネ機構を訪れ興味を持ちました。

良い時期に行かれましたね。ニュートリノ振動や B ファクトリーで
良い結果が出てるので、これからさらに評価があがると思います。
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この回答へのお礼

早々の御回答ありがとうございます。
疑問が解消されました。

お礼日時:2007/07/24 13:48

良いご質問ありがとうございます。



グルーオンは質量は測定されておらず、あくまで、0だと予想されて
います。グルーオンの質量を示唆するデータがないためです。

グルーオンは強い相互作用の色電荷を持つため周囲に無数の
クォーク・反クォーク対を生成しては対消滅を繰り返しています。
このためグルーオンは遠くまで飛ぶことができません。飛んでいる間に
クォーク・反クォーク対を生成し、それが中間子になり元のグルーオンは
エネルギーを失い消滅します。

一つめのご質問のグルーオンが質量 0 なのに短距離力なのは相互作用が
あまりに強いためです。結果として原子核内の力はグルーオンではなく
質量を持ったπ中間子が担っています。

おそらく、ご質問の本質はなぜグルーオンには質量を与えられずウィーク
ボソンのみが質量を持つのかということと思いますが、申し訳ありません
が、私には解かりません。質量の起源がヒッグスだとする限り、ヒッグス
とグルーオンとの相互作用がないのが理由なのでしょうけれども、なぜ
相互作用しないのかは解かっていないと思います。
(私の理解している限りですが)

現在の素粒子の標準模型の問題点の一つは質量について予言能力が低い
ことです。WボソンやZボソンの質量が理論から導かれることに私も感動
しましたが、その他の電子やクォークの質量は理解されていませんし、
強い相互作用にいたっては標準模型からは除外されるほど未知の部分が大
きいです。(標準模型というと電弱理論です。)

標準模型を越えた理論から予言できるのかも知れませんが、
私の知識を越えています。すみません。

近い将来欧州のCERN で LHC 実験が始まりヒッグスが発見されればより詳
しい理解ができるかもしれません。日本にも国際協力でヒッグス探査のた
めの加速器を作ろうというグループがいます(ILC, JLC)。莫大な資金がか
かるので、専門外の方々にもこれらの実験に興味を持っていただける方が
増えればと思います。
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この回答へのお礼

門外漢の私に御親切にありがとうございます。

少し前に機会があって筑波の高エネ機構を訪れ興味を持ちました。
入門書を読んだあと素朴に?っと思ったのは

n → p + e- + -ve 反応は d → u + w- と w- → e- + -ve の結果ですが
なぜ陽子よりずっと小さい質量しか持たない d から、陽子の90倍の質量を持つ w- が生成されるのか。
w-が持つ質量というかエネルギーはどこから来て、どこへ行くのか。

です。

御説明を拝見し私なりに
・質量を持たないゲージ粒子は力の到達距離が無限遠まで届く。
・力の到達距離が短いゲージ粒子は質量を持つ。
・グルーオンは相互作用があまりに強いため質量を持たなくとも短距離力を及ぼす。
・ウィークボソンに質量があるとくりこみが不可能になる。
・元々質量0のウィークボソンだがヒッグス機構により質量を獲得する。
と理解しました。間違い等ありましたら御指導頂きたくお願いします。

最近興味を持ち出したので解らないことだらけですが、ミクロの素粒子がマクロの宇宙と
密接に関係しているなど読んでいてワクワクします。

重ねて丁重な御説明ありがとうございました。

お礼日時:2007/07/24 12:26

ゲージ粒子が質量を持たないとその相互作用は無限遠まで届きます。


重力や電磁力がそうです。

しかし、弱い相互作用も強い相互作用も核子の大きさ程度しか相互作用が
届きません。そこで弱い相互作用のゲージ粒子は大きな質量を持つことが
予想され、実験で発見されました。

しかし、ゲージ粒子に質量があると「くりこみの問題」という計算上の
問題ができるため、ゲージ粒子はもともと質量が0なのに
ヒッグス機構によって質量を獲得しているという理屈づけをしています。

ですので、ご質問への解答は質量を持つと理論上困るのでヒッグス機構を
考えたということになると思います。
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この回答へのお礼

早々の回答ありがとうございます。

>>ゲージ粒子が質量を持たないとその相互作用は無限遠まで届きます。
強い力を伝えるグルーオンは質量0で力の到達距離は10^-15mですよね。
一方ウィークボソンは質量を持ち、到達距離は10^-18m。
グルーオンとウィークボソンの質量の違いはなんなのでしょう?
ウィークボソン(W+,W-)が電荷を持つのは電荷の保存からすっきり解ったのですが質量だけが今一解りません。

お礼日時:2007/07/23 18:51

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