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大学で分子生物を学ぶ上での系統の意味ってなんでしょうか?

別に何も関係ないような気がするのですが。

A 回答 (3件)

「分子生物学」で何をやろうとしているかによるでしょう。

どのようなことを「分子生物学」とイメージしているのかわかりませんが、ひとつ強調しておきたいのは、「分子生物学」というのは独立した研究分野、研究対象というより、方法論(methodology)というべきものだということです。目的とそれを達成するための道具というわけかたをすれば、道具の方です。道具の扱い方、作り方を学んで、それをつかって何を明らかにするか、というところからが本当の学問です。

ヒトの病気のメカニズムや治療法を分子生物学的に明らかにしようというのが目的なら、あまり系統学や分類学は必要ないかもしれません。

しかし、ヒト以外の生物を材料にするなら、まずその材料の種が何であるか、比較しようとしている2者が同じ種か違う種か、というところからすでに系統学の力を借りています(いくつかのモデル生物は系統化されていて、その系統を使っている限り別種かも、ということはありませんが、そういうものはごく一部です)。

また、系統関係があきらかにされている種間で遺伝子を比較することによって、機能的に重要な部分(保存性の高い部分)を明らかにしたり、最近はやりのEvoDevoのアプローチが出来たりします。

最後に、分子生物関係のテクニシャンになるならともかく、生物学系の研究者たろうとするなら(卒業研究などで自分で研究を推進していくというのもそうです)、専門分野だけでなく、ひろく生物学一般の教養を身につけておくべき、あるいはその努力をするべきです。同程度の手技やデータがあったとして、いい研究になるかどうかは、案外、専門外の知識があるかないか、多面的な視点を持っているかどうかで差がついたりしますよ。
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私は分類学をベースとしていますので、特に「分子生物学」と「系統」というキーワードから出てくる言葉は、一言で言えば「進化」に行き着きます。

ただし、どちらが祖先かということより、DNAのどの部分が違うのかということより、進化の過程でどのようなイベントが生物の表現型にインパクトを与えてきたかということや、形態分類とどのように関わってくるのかということを考察するのが大きな課題になってきます。

 他の方も書かれている様に、分子生物学は学問分野としてはかなり広いもので、「分子生物学手法を用いて・・・」という書き方をするものが多いです(つまり方法論として捉えている)。
 ですので、ある表現型をコードする遺伝子の解析なども分子生物の範疇だし、専門によっては確かに系統とは関係ないと言う人も居るのかもしれません。
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全生物が共通に持っている酵素(たとえばATPase)のアミノ酸配列の違いやそれをコードしている塩基配列を複数の生物で比較すれば、系統分類がある程度出来ます。

指標とする遺伝子を多くすれば、もっとその系統分類が確からしくなります。なお、アミノ酸配列<塩基配列<イントロン部分の塩基配列 の順で変異が起りやすいので、高等生物の近縁種の分類には、ある遺伝子のイントロン部分の塩基配列を使います。
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