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はじめて質問をします。もし、ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。よろしくお願いします。
心理学を勉強しているのですが、タイトルの件でわからなくて困っています。
処理水準説(Craik&Tulving,1975)についてですが、
処理水準説では、説明できない問題点があるようです。
方向付け課題の実験で、「『はい』という判断を行った項目のほうがよく記憶されていた。」というものです。

私の疑問は以下の2点です。
・実際に「はい」という判断を行った項目のほうがよく記憶されるのか?
・なぜ、「はい」という判断を行った項目のほうがよく記憶されるのか?何か、推論などがあるのか?

心理学を勉強し始めたばかりということもあり、いろいろ調べているのですが、わかりません。
疑問に思ったら、なかなか先に進めなくなってしまいました。
どうぞ、よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

こんばんは。



Craik, F.I.M., & Tulving, E. (1975). Depth of processing and the retention of words in episodic memory. Journal of Experimental Psychology: General, 104, 268-294.

では、Craik & Lockhart (1972) で提唱された、「人間の情報処理過程には浅い処理レベルから深い処理レベルに至る一連の処理の流れがあって、より深い水準で処理された記憶は強固となり忘却しにくい」とする、記憶の処理水準についての概念を、心理学実験を行って検討した論文になります。

「意味的処理のような深い処理のされた英単語のほうが再認しやすい」という実験の結果から、記憶の処理水準モデルを支持した有名な論文ではあるのですが、


その一方で、上記の論文では、

「Yesと答える条件とNoと答える条件で、反応の潜時(latency)、つまり答えるまでにかかった時間あまり差がなかったけれども、英単語を再認できた割合はYesと答える条件のほうが高かった。また、再生条件では差は減少した」

という結果が得られています。

一見、処理水準説には関連が無さそうな結果の話ですが、上記の論文では、記銘(符号化)・保持・想起(照合→再生/再認)という記憶の過程のなかで、「Yes/No条件での結果の違い」というのがどのような意味をもつのかについて、ちゃんと追加の実験と、それにもとづいた考察がなされています。

frogJさんの疑問の出所はわかりませんが、実験結果のグラフを見ればもっともの疑問であり、記憶システムを考えるうえで、わりと重要なポイントなのかもしれません。

・反応するまでの時間(潜時)で差があまり無かったということは,Yesの場合でもNoの場合でも、処理するまでにかかる時間は同じ??
・英単語の想起でも、再生の場合と再認の場合では差の生じ方が異なることから、記憶の、特に想起のシステムに何か関係しているのか?
・etc.

一般的な心理学の教科書では、処理水準モデルに合致する結果の話ばかりが注目されていて、後者の実験結果には触れていないものも多いですが、そういう場合にはぜひ、言葉の壁にも負けず、元のCraik & Tulving (1975)の論文や、それを解説している他のレビュー論文を読んでいただきたいものです。
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この回答へのお礼

Behaviorismさん、ご回答ありがとうございました。

お察しのとおり、一般的な心理学の教科書の内容に疑問を持ち、質問させていただきました。

追試の実験を行った際、思うような結果が得られず、実験方法に問題があったのか、など、疑問に感じていました。
Behaviorismさんに教えていただいた、
「再認できた割合はYesと答える条件のほうが高く、再生条件では差は減少した。」で、納得しました。

また、元の論文やそれを解説しているレビュー論文を読むことの重要性を再認識させていただき、ありがとうございます。
提示していただいたポイントも踏まえて、勉強を深めて行きたいと思います。
まだまだ、不勉強ですが、この場でご質問させていただくこともあるかもしれません。その際にはよろしくお願いいたします。

お礼日時:2007/09/07 23:22

必要な情報が不足しているので、ところどころ想像で補いながら回答します。



処理水準説と方向付け課題ということは、単語の処理が浅い条件と深い条件があり、
それぞれについてYes/No判断をしたということでしょうか。
そしてその後に単語の再生を行って成績を比較したものと推測します。
それで仮説通り、深い処理>浅い処理になったけれど、他にYes/No間でも差が出てしまった。
これをどう説明したらいいのか困っているという状況ではないでしょうか。

一つ目の質問に対しては「統計検定してみてください」としか言えません。
この場合の「実際」はあなたの手元のデータしかないのです。
その結果、差が有意であれば、実際に世の中の人はそうなんだなと「推定」できるのです。
二つ目に対してですが、誰かが提唱しているかもしれませんが、私はそういった説あるいは理論は知りません。

一つ言えることは、処理水準説はあくまで処理水準だけを問題としているということです。
被験者の回答がYesかNoかは全く関係ないのです。
ですから、仮に有意差があったとしても、これを処理水準説の問題点というのはお門違いです。
「男女で成績に差があった。処理水準説では説明できない、問題だ!」と言っている様なものです。
対象となる理論の守備範囲がどこからどこまでなのかを見極めるべきです。

そもそもデータを分析するときにYes/Noを要因とする必要がありません。
処理水準だけにまとめてしまえばよいのです。
そこをあえてYes/Noでも分けるならば、その際にこそ根拠となる理論(あなたの二つ目の質問の「なぜ」が該当)が必要です。
そうでないと分ける意味がわかりません。

初学者に対して少しきつい書き方になってしまいましたが、ご容赦ください。
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この回答へのお礼

orrorinさん、ご回答ありがとうございます。
また、ご質問の仕方が不適切だったようで、申し訳ありませんでした。

実験を行う際、参考にした書籍に、処理水準説では説明できない問題点として、「はい」という判断を行った項目のほうがよく記憶されていた。という記述があるのにもかかわらず、実際の追試では、再現されなかったため、疑問を持ってしまったのです。

orrorinさんのおっしゃるとおり、
処理水準説の範囲を超えているようですね。
レポート内容の条件で、「はい」か「いいえ」で判断に差異が見られるか否かを言及しなければならないので、結果のみをまとめてみたいとおもいます。

orrorinさんのご指摘は、大変勉強になりました。
ご回答、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

お礼日時:2007/09/07 23:36

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