プロが教えるわが家の防犯対策術!

永井荷風の「小説作法」という文章にこういう一節がありました。

在来の国語存するの限り文学に志すものは欧洲語と併せて漢文の素養をつくりたまへ。翻訳なんぞする時どれほど人より上手にやれるか物はためしぞかし。

どういうふうに漢文が翻訳に役立つのでしょうか。

荷風がこれを書いたときは、外来の品物や概念を片っ端から訳していかなければならない時代でもないのでしょうから、語訳をつくるのに役立つというわけでもないでしょうし・・・

漢文の意義を説く人がよく口にする「簡潔と明晰と学ぶには最上の手段」、「文体感覚を養える」ということですか。もっとも、これは翻訳に限らず日本語の散文を書くとき一般に言えることですが。

A 回答 (2件)

参考意見と思ってお読みください。



以前テレビで、映画の字幕翻訳で有名な戸田奈津子さんが
「翻訳はただ訳せばいいのではなくて、時には直訳とは違う文章にもする」
映画の場合は、時間的な制限がありますからその意味もこめられていますが
簡潔な言葉の方が読む人に意味合いが伝わりやすいとおっしゃっていました。

また、プログラマでその業界では有名な結城浩さんが
翻訳の心がけ
http://www.hyuki.com/trans/tratips.html
というページを出しておられますが、その内容は
>漢文の意義を説く人がよく口にする「簡潔と明晰と学ぶには最上の手段」、「文体感覚を養える」ということ
に通ずるものがあると思うのですが、いかがでしょうか?
    • good
    • 0
この回答へのお礼

映画の場合は文章と違い、かなり「端折り」が要求されますから、それはそれで高度な日本語力が必要でなんでしょうね。

「翻訳の心がけ」:やはり原語と同等に日本語への言及が多いですね。
どうもありがとうございました

お礼日時:2007/09/10 12:43

 永井荷風ご当人の文章のことで恥をかきました。


http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3304108.html
 にある質問に答えた時のことです。漢文の素養があるはずの荷風が「紅囲粉陣」と書いていたので、質問があったのですが、荷風を信用して頭をひねって回答しました。その時の回答はそれほど見当違いでもなかったのですが、別の人から「香囲粉陣」の誤記だと指摘されました。後からネット検索をしたら、まさにその通り、「こういふんじん」で「香…」が沢山ヒットしました。

 それはさておき、鴎外・漱石その他の文人が、ベルリン・ロンドンなどに留学し、欧米語に堪能だったと同時に、漢学の知識があったことはよく知られています。漱石などはそれを悪用して変な当て字を使って人を惑わせています。荷風もパリ留学の経験があると同時に、漢学の知識が深かったことは作品から分かります。

 翻訳に至っては、言語に対する深い知識と経験はいうまでもなく、日本語に訳するときに漢語を使いこなせなくては、いい翻訳は出来ないでしょう。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

漢語はむずかしいですね。

荷風のオヤジさんは名の知られた漢詩人だったそうで、そっち方面の(環境も含めた)「血筋」がいいみたいですね。

漢語は外来語でも外国語ではないですからね。どうもありがとうございました。

お礼日時:2007/09/10 12:44

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!