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 多くのギターアンプのプリ管には12AX7やECC81と言ったものが使われてると思うのですが、他にはどのようなものが使われていますか? この二つがプリ管の二大巨頭なのでしょうか?
 
 また、パワー管には、ほとんど6L6系(5881)かEL34系(6CA7)が多い気がするのですが、他にもよく使われているものはありますか?もし他にも有名所がありましたら教えてください。

 また上記のそれぞれのチューブの種類別による音質や特徴など、教えて貰えると嬉しいです。

A 回答 (1件)

はじめまして。


ここ10年ぐらいのアンプをあまり知りませんので昔話になること、またどうしても主観的な内容になってしまうこと、ご了解下さい。

チューブの種類別による音質的な特徴は表現しずらいですね。プリ部とパワー部の設計や回路の経路、キャビネットの影響の方が音への影響ははるかに大きいです。クリーントーンでは比較して説明しずらいのでチューブ・ディストーションを例に説明します。

チューブアンプ(もどきを含め)を大雑把に種別すると4タイプになります。

1.プリ部パワー部ともチューブ(俗に言うフル・チューブ)
2.プリ部のみのチューブでパワー部がトランジスタのハイブリッド
3.プリ部がトランジスタでパワー部がチューブのハイブリッド
4.プリ部パワー部ともトランジスタでオーバードライブ用ゲインにチューブを使用したもの

回路的な機能として

ア.プリ部が1回路で構成
イ.プリ部が2回路またはそれ以上の複数で構成
※ボリュームの回路数がマスターだけなのかプリ・マスターで複数あるのかでも種別できると思います。

ご質問者は恐らくフルチューブの何らかのアンプを意図してお考えだと思いますので説明はフルチューブだけで進めます。

現在は安くありませんが、元々、L6管は安価で手軽に入手でき何よりタフだから採用されていました。EL34はオーディオアンプで使用されることが多くL6よりも高品位で歪みにくい傾向があるようですね。それぞれ好まれた理由が異なり、おそらく設計者がどんな意図でアンプを設計したかで選択されていたんだと推察します。現在のチューブアンプは古いアンプをひとつの類例として趣向的に上記2種の真空管を固執して採用しているんじゃないでしょうか。

特徴的なのはむしろプリ部の方です。回路的にどう構成するかでチューブの選択が異なります。特に1のイの様なアンプは回路をシリーズにしたりパラレルにしたりできる物がありますが、信号のピークやデップに対してどの程度の許容量が必要かで使い分けをしています。音色への影響は副次的なものの様に思います。ヘッドマージンが大きく(多く)必要な構成のアンプは12AX7を使用している物が多いようですし、EOC81を採用しているものはチューブ・コンプレッション的な働きをさせている感じです。EOC81はむしろAMPEGなどベースアンプでの使用例を多く見受けます。

例(所有している骨董品で恐縮ですが)としてPEAVY「Artist240」は1のイで、ボリュームは初段のゲイン、プリ部の終段、パワー部にマスターの3ボリュームあります。プリ部は2つが別のチューブ12AX7とECO81で独立しており単独使用のクリーンでもオーバードライブでも利用可能ですし、2回路シリーズ、2回路パラレルでも切り替えて使用できます。初段のゲインである程度調整できる上、後に続く回路の通し方で歪ませ具合などを調整できるわけです。歪ませた信号をシリーズで更に歪ませたり、異なる歪み具合の信号をパラレルでブレンドしたりできます。確かMesaBoogieには回路とチューブがユニット化されていて自分の好みでユニットを差し替える物も過去にありました。

昔々のアンプにおいても、キャビネットの容量や形式(背面開放や密閉)、スピーカーユニットの組込数、サイズ、メーカーおよび品番、リバーブの有無、リバーブの方式(スプリングorプレート)などなど、構造でアンプのキャラと出音はいくらでも変わります。メーカー違う機種が違うはまさに製品の個性だったわけです。

あえて申し上げると録音機器でのチューブの音質やキャラクターの重要性に比較すると、ギターアンプにおけるチューブによる音質への影響度はさほど大きなものではありません。まして最近はデジタル・エフェクター内蔵のものまであるわけでしょうから…チューブの音質的なキャラはさほど影響しないんではないでしょうか?回路構成や構造の影響の方が支配的ですし、チューブ自体に限って言えばペアリング・チェックやウォーム・アップ&ダウンなど基本的な取り扱いの方が大切な様に思います。

すでに所有しているチューブアンプをブラッシュ・アップしたいのであれば…チューブのスイッチより効果的な方法はいくらでもあります。

A.信号を効率よく伝えノイズを減らす
 配線されたケーブルを高品位なものに換える
 ドータイト(導電性塗料)などでアンプ部のシールディングを強化する
 アースの取り方、落とし方を変える
 トーンやボリュームを高品位なものに換える
 電源ケーブルを高品位なものに換える
B.劇的に出音を変える(ギャンブル的な要素があるのでご注意を)
 スピーカー・ユニットを他のユニットに換装する
 コンデンサー/フィルターを交換する 等々…

昔々はOld MARSHALLにCELESTIONスピーカーの「黄金の組合せ」などと言われましたが、ご質問者もチューブの微妙な差よりも回路面や構造面に注目してご自分の愛機との相性含め理想のサウンドを探されては如何でしょう。

主観的で申し訳ありませんが少しでも参考になればと思います。
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この回答へのお礼

お礼、遅くなりまして真に申し訳ございません。
ご丁寧な回答していただき、ありがとうございます。

非常に詳細に書かれていながらも、分かりやすい説明でしたので、本当に参考になります!!

これを読んみて、これからは必要以上にチューブの種類だけに神経質になるのを止めようと思いました。
やはりこれらは、聞き手にとっては大した問題ではないですし、弾き手の気分の問題によるところが大きいですものね!!(前から、思ってはいましたが・・)
おかげ様で、改めてそのように思いました。要はバランスですね!!

>ご質問者もチューブの微妙な差よりも回路面や構造面に注目してご自分の愛機との相性含め理想のサウンドを探されては如何でしょう。

そうですね!! チューブだけじゃなく、回路面・構造面も勉強してみたいと思います。その上で、理想のサウンドを見つけ出そうと思います。

本当にありがとうございました。
おかげ様で、自分なりの考えを見つけ出せて、頭の中の霧が晴れた気がします!!
とても、とても参考になりました!

お礼日時:2007/10/10 10:02

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