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近頃気になっていることなのですが、皆さんからお知恵を拝借いたしたく参りました。
「のぞむ(望む・臨む)」という語の、共通語のアクセントについてなのです。

私はずっと「の『ゾム』」(ゾムが高くなる)平板式アクセントだと思っていたのですが、
近頃テレビでプロのナレーターやアナウンサーや俳優たちが、「の『ゾ』む」というように、真ん中が高くなる起伏式中高型アクセントで発音しているのをよく聞きます。

そこでNHK出版の日本語発音アクセント辞典を調べると、
「のぞむ」は平板型の語として掲載されていました。
オーソドックスには平板型アクセントの語で間違いないでしょう。

ところが、動詞「のぞむ」から転成した名詞「のぞみ」のアクセントを見ると、
「の『ゾミガ』」という平板式アクセントと、(あとに続く助詞「が」が下がらない)
「の『ゾミ』が」という起伏式尾高型アクセント(助詞「が」が下がる)が併記されています。
・転成名詞のアクセントは動詞のアクセントに従う
・元の動詞のアクセントが起伏式の場合は(中高型であろうと頭高型であろうと)ほとんどが尾高型になる
という原則に照らすと、「のぞむ」には平板式と起伏式の二通りがあることになります。
つまり辞典には平板式アクセントのみ掲載されているけれど、起伏式でも実際は使用されているということになります。

「の『ゾ』む」ってアクセントは、最近共通語としての市民権を得てきたのかな?
共通語についてお詳しい方、または「の『ゾ』む」と発音される地域にお住まいの方、どうぞご意見お寄せくださいませ。

#ちなみに私はこてこての関西人、
「のぞむ」はどこにもアクセントを置かない、
ぺったんこな発音をします(^^ゞ

A 回答 (3件)

再びkimosabeです。



「のぞむ」のアクセントの変化は、体系的な変化というより、個別的な変化であるように感じます。

アクセントの専門家からはお叱りを受けるかも知れませんが、
私は、イントネーションと関係があるのでないかと考えています。

「のぞむ」などという単語が文末で用いられる場合は、下に何らかの付属語を伴うのが普通で、「のぞむ」そのものが文末にくるのは、演説口調、特に部下への訓示といったケースに限られるのではないでしょうか。もちろん口頭語の場合です。

  よりいっそうの努力奮闘をのぞむ。

のように。

こんなとき、平板式アクセントに従って発音すると、最後が高く上がりっぱなしで、どうにも落ち着かなくなってしまいます。最後はイントネーションとしてストンと落としたくなるところです。

そんな文末におけるイントネーションが、アクセントとして認識(あるいは誤解)されている面があるのではないか、という気がします。
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この回答へのお礼

なるほど!
「のぞむ」という語のアクセントは独自に変化していったのかもしれませんね。
確かに強く「私は望む!」と言うときは、最後にストンと落としたくなります。
平板式アクセントを守って忠実に読みますと、語の意味も手伝って、なんだか夢のような、足が地につかない感じがしますもの。
「の『ゾ』む」というイントネーションがアクセントとして誤解(言い切っちゃいますよ私)されて、ついには
「あなたはそんなことをの『ゾ』んでいるの?」なんてセリフが聞こえてきてしまうんでしょうね。
kimosabeさんの御説に納得させられます。
重ね重ねのご回答、ありがとうございました。
言葉の問題は理論だけで片付くものでなく、
多くの人に用いられるうちに柔軟に変化していくものなんだなぁとつくづく感心させられます。

ふと気づいたのですけれど、
平板式アクセント「のぞむ」に「ない」をつけると、
「の『ゾマナイ』」と発音するのが正しいのですが、
この新しいアクセントに従いますと「の『ゾマ』ない」ということになりますよね。
こっちの方はもしかするとかなり浸透してきているような気がしました。
なぜって私自身、今一瞬「どっちだったかな」と迷ってしまったからです。
(関東育ちの家族にはまだ違和感があるそうですが)
私の中にも「の『ゾ』む」の片鱗を見たようで、ちょっぴり愕然としました。(笑)

お礼日時:2002/09/08 23:10

私の手許にある


『日本語発音アクセント辞典 改訂新版』(NHK編、昭和60年6月第1刷発行)
には、解説・付録の70ページ以降に「共通語のアクセント」があります。
112ページには「新旧アクセント対照表」というのがありまして、
3拍語の最初の一群に「望む」がでてきます。
この表はなかなかおもしろいです。
すでにお読みになっていたら、「ごめんなさい」です。
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この回答へのお礼

私は平成10年4月第1刷発行のものを持っているのですが、
ご指摘の「新旧アクセント対照表」の項を見逃しておりました。
非常に助かります、ありがとうございます!
「付録」-「解説」-「共通語のアクセント」-「第7章・古いアクセントと新しいアクセント」のところですね。
(新版では216ページに記載されていました)

この表は、アクセントの型そのものの変化ではなく、
現在東京でどういう単語がどんなふうに変化しつつあるかという、
東京アクセントの代表例をとりあげたものだそうです。
たとえば「望む」のアクセントはかつて「の『ゾム』」と発音されていましたが、近頃は「の『ゾ』む」と発音されることがある。
でも新しいアクセントはまだこの辞典には掲げていませんよ、と書いてありました。

他にも3拍語で「望む」と同じタイプのものを抜き出してみました。
これらはみんな「○『○○』」(平板式)と発音されますが、
「○『○』○」(起伏式中高型)と新しいアクセントも存在するものです。

A)「望む」「赤い」「厚い」「暗い」=古いアクセント「○『○○』」のみ辞典に掲げられている
B)「糸屋」「乙女」「怒る」「足袋屋」=新しいアクセント「○『○』○」のみ辞典に掲げられている
C)「桶屋」「お鍋」「お針」「勇む」「出会う」「見入る」「見込む」=新旧どちらも掲げられている

B群がかつて平板式で発音されていたとは!?驚きでした。
この表をずらっと眺めていたら、
「え!?こんな新しいアクセントがあるのん?納得でけへん~」と思うのもあったり、
「え!?昔はこんなアクセントやったん?納得でけへん~」と思うのもあって、
我ながら苦笑いしてしまいました。^^;

ただ、A群の例が「望む」を除いてみな形容詞というのが残念です。
若い人たちは、A群のように平板型形容詞の終止形を中高型に発音する傾向があるそうですが、
彼らもそれらの活用形のアクセントは依然として平板型のままなので、
編集者の方も中高型のアクセントは示さないことにした、と書いてありました。
「望む」もこの法則にしたがって変化しているのかなぁ?

辞典の版を重ねるにつれて、この表が一番変化しているのかもと思いました。
今度新しい版が出たら買わなきゃ。(笑)

お礼日時:2002/09/06 14:35

関東地方南部で生まれ育ちました。



「のぞむ」は平板アクセントだと思っています。

ご指摘のようなアクセントで話す人たちは、おそらく共通語以外の言語環境で育った人ではないでしょうか。
つまり、意識して共通語のアクセントで話そうとするあまり、暴走や混乱を起こしているのだと思うのです。
関東出身の俳優がムリに関西ことばでセリフを話しているのと似て、どことなくウソっぽい印象を感じますね。

平板アクセントに続く助詞のアクセントは下がらないものだと思っています。
「柱の影」のアクセントは「は『しらのか』げ」であって、「は『しら』の『か』げ」は言いにくい(笑)。
それと同じで、「望みが高い」は「の『ぞみがた・か・』い」となるべきですね。
(「高い」の「か」は、「た」より音程が上がります)

市民権を得てきたのではなく、なしくずしというか、侵食というか、迷惑かもしれません(笑)。

そういうアクセントを聞いて「それが共通語なんだ」と信じられては悪循環ですからね。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
関東にお住まいの方からお話を伺えて、たいへん嬉しく思っています!

昔と違ってテレビがすっかり普及した現在、
私たちはほぼ毎日のように共通語を耳にすることができますよね。
地元の言葉についで私たちにはなじみある言葉なんじゃないかしらと思います。
(使いこなせるかどうかはまた別問題ですけれど^^;)
かつてはテレビ大好きっ子で、日本語にも興味を持っていた私にとって、
最近になってテレビで聞くようになった「の『ゾ』む」というアクセントは、
中途半端な関西弁を聞くのと同じくらい違和感を感じたのです。
共通語アクセントの基となった関東方言をお使いの方にとっては、なおさらそう感じられるのではないかと思います。

実は私のまわりにも、
共通語のつもりで「の『ゾ』む」と発音する人がけっこういるのです。
そのたびにアクセント辞典見せて「そらちゃうでぇ」と指摘するのですが、
テレビでしょっちゅう耳にするに及んで、
ああ、もうなしくずしだ、と。(笑)

共通語には共通語の、各方言には各方言の美しさというものがそれぞれにありますよね。
それが時代とともに、便宜的な変化を次々と遂げていく。
こりゃしゃぁないことやなぁと腹をくくっていたつもりなのですが、
(ら抜き言葉やら若者語アクセントの平板化やら、もういいかな~と)
共通語「の『ゾ』む」に対する抵抗感、これはなかなかぬぐえそうになく…。

保守的な私は当分、「の『ゾム』」を共通語として採用してゆきます。
gootaraさん、本当にありがとうございました。

お礼日時:2002/09/06 14:22

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