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基本的なことを質問します。
現在パースの勉強を始めて間もないのですが、「消失点」について教えて下さい。
(1)消失点とは
(2)例えば街の風景を簡単に書く場合、消失点というのはどのように決めればよいのでしょうか?

宜しくお願いします。

A 回答 (2件)

(1)消失点とは.........


 消失点(ヴァニッシュポイント)とは、風景や、真っ直ぐに敷かれた線路などが遠くになるほど小さくなり、やがては点に収束してしまう、その点のことを言います。

(2)街の風景を描く場合の消失点の決め方.........
 本来人間の目から見た光景に最も忠実なのは消失点が3つある絵です。例えばロンドンのテームズ河畔に立つ国会議事堂とその手前角に立つ時計塔のビッグベンを考えて見ましょう。
 国会議事堂は河畔沿いにもホワイトホール側にも長い辺を持つ大きな建物ですから、そのどちらの辺にも消失点が生まれます。そして、近づくにつれてその角に立つピッグペンは見上げる位置になり、同時にその塔は天空に向って先細りに見えるようになります。つまり上にもまた消失点があるということになります。このような描き方を3点透視図法(Three-Point Perspective)といいます。

 しかし、よほど大規模なビルなどを描く場合を除いて、普通はそこまで複雑に考えて描かないもので、逆に最も簡単な透視図法といえば1点透視図法(One-Point Perspective)があります。つまり消失点がひとつという場合で、すべての水平線はその先で1点に収束してしまうという図法です。
 この場合にはスケッチブックに描かれる風景は、任意に求めたひとつの消失点から光芒ののように放射状に伸びる線を風景の中の水平線として描かれます。この図法は主に室内とか舞台、あるいは両側にビルが建ち並ぶ大通りといった「内面」を描くのに便利です。

 しかし、1点透視図法だけでは絵を描く際の自由度に欠けます。そこで2点透視図法(Two-Point Perspective)が欲しくなります。こちらは主に立体的な外形や外観といった「外側」を描くのに適しています。家屋、中低層のビルやマンション、あるいは家具やテレビといった工業製品の多く、こうした「モノ」の左右にそれぞれ消失点を置いて、そのどちらにも収束する線で描くことで立体感を生み出させる図法です。

 まずはここまで、あとは次のURLをご覧ください。
 http://www.elpayaso.com/036per.html 
 いかがですか、もうこれでほとんどのことはお分かりでしょう。

 つまり「消失点(ヴァニッシュポイント)」は自由に設定できるのです。まず最初は消失点の高さです。消失点の高さは基本的に「モノ」を見る際の目の高さです。街の風景を見る時を考えてみてください。街を歩いている時に見える風景は歩道に立っているあなたの目の高さに消失点があるはずですし、建物の二階や三階の窓から眺める街の風景は、その高さでのあなたの目の高さに消失点があるはずです。高層ビルの窓から見下ろした街の風景もまた同じことです。
 
 このことをスケッチブックに描かれる街の風景に置き換えて考えて見ましょう。道路に立ってスケッチすると、消失点が低いために左右の歩道などはほとんど水平に近く描かれることでしょうが、道の両側に植えられた街路樹の先端を結んだ線はかなりの角度になり、さらに左右に並ぶビルの屋上の線(スカイライン)は、それが高ければ高いほど、さらに急な角度となって描かれるはずです。
 しかし、少し高いビルの窓から見える風景は、消失点が高くなりますから、今度は道路の歩道の方が先細りに消失点に向かいますが、左右に並ぶビルの屋上の線(スカイライン)は、あるいはほとんど水平線に近いといったことにもなります。
 つまり、あなたが描こうとして立つ高さによって、消失点もスケッチブックの中で高くなります。そして、消失点から伸びてくる通りの左右の歩道の縁石が見せる角度などは、あたかもヘリコプターに乗って上昇しながら見るように連続的に変化するはずです。

 次に消失点の左右の位置です。まず1点透視図法の場合、スケッチブックの左右の真ん中に消失点を置くと描く風景は左右シンメトリーになります。そして、消失点をどちらかにずらすと、その分、左右の風景の密度が変わってきます。

 密度という表現がいいかどうか分りませんが、たとえば大通りの左右に並ぶビルといった風景であれば、消失点をずらした側のビルでは壁面の幅が狭まり、その分窓の間隔などもすべてが圧縮されます。逆にずらした反対側では、消失点に向けてズラリと並ぶビルの壁面はより広く見えるようになり、窓なども幅広く見えることになります。

 このことは2点透視図法の場合でも同じです。2つの消失点から放射状に伸びてくる線、そして垂直線、この3つのディメンションがあればどんな形状(外形)のものでも描くことが出来ます。ただし、この2つの消失点は高さが常に同じでなくてはならないということが原則ですが....。

 ただ、2点透視図法の場合、ここで少し慣れといったものが必要です。2つの消失点から放射状に伸びてくる線と垂直線で立体を描くことができる2点透視図法ですが、そこには限度というものがあります。
 消しゴムを描くのににパースや消失点は要らないでしょうし、もし2つの消失点を持たせて消しゴムを描いたら、どんなに大きな消しゴムなんだ、輸送コンテナーぐらいか.....と人様を惑わせてしまうでしょう。逆に極端に角度を持たせ過ぎてビルなどを描くと、ちょうど広角レンズで撮影した写真のようになってしまい、あまりにも角が尖ってしまって、こりゃ船の舳先か.....といったビルの絵になりかねません。

 こうしたことはすこしパースの効いたスケッチをしてみれば分ることですが、それと同時に、どこかの街の風景だとか、マンハッタンの街の俯瞰写真だとか、なにかの工業製品だとか、室内の光景だとかといった写真、そのへんにある雑誌の写真でいいですから、本来水平である線がその延長線上で、どのあたりで一点に収束しているのかと、定規を当てて線を引いてみる.....というのも、パース画のコツを掴むのに有効な方法だと思います。

 今回はとりあえずここまで.......。

 

参考URL:http://www.elpayaso.com/036per.html
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この回答へのお礼

とても丁寧に教えて頂きありがとうございます。
>つまり「消失点(ヴァニッシュポイント)」は自由に設定できるので す。
例えば、額縁を持って対象となるものを描くときに、自由に消失点を決めると実際に額縁に見えているものと違ってくるように思えるのですが・・・。色々と勉強してみます。

お礼日時:2007/11/05 22:33

No.1の方、素晴らしい、なんて丁寧な記述なんだ。



質問者さんはかなり初心者だと思うのですが、
やはり図で説明されないと理解しにくい世界だと
思うので、ちょっと高額でも一冊は専門書を購入すると
良いでしょう。

いくつか立ち読みでもしたら良いと思いますが、
下記のあたりがポピュラーです。

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82 …

参考までに、私がパース初心者の頃、
http://www.amazon.co.jp/%E5%BF%AB%E6%8F%8F%E6%95 …
の中の一部のパース入門コーナーだけでもかなり解りました。

私は、
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82 …
も持っていますが、いまだに
上記の快描教室を見たほうがパースを理解しやすい所があります。
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この回答へのお礼

書籍の紹介ありがとうございます。
私も「パース塾―画力がメキメキUPする!いちばん簡単な遠近法講座」はこの間購入しました。もう少し自分なりに学習してみます。
ありがとうございました。

お礼日時:2007/11/05 22:35

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