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曖昧な質問で恐縮ですが・・・
源氏物語第一帖で桐壺更衣は執拗な嫌がらせによって死んでしまいますが、
もし彼女が病死せず、帝の愛人として認められたらその後のストーリーはどのように変化していたでしょうか?
やっぱり光る源氏は女たらしに成長したんでしょうか?(笑)
(容姿は非常に良かったという記述がありますから、やっぱりそうなったのかもしれません。)
それともストーリーがガラッと変わってしまうほど違う性格に成長したのでしょうか?
「そんなの想像しはじめたらきりがない」とは思いますが、読み込んでいくうちに桐壺更衣がとても重要なキャラクターに思えてきて、彼女が存命した場合、どのように物語が変化するか気になって仕方ありません。
是非、皆さんの考えを教えて下さい。

A 回答 (5件)

#4です。


すみません、旅行に出かけていたので補足に対する回答が遅くなりました。

> 読み進めていくうちにもっともっと謎が増えてきてしまいました。
これが『源氏物語』の魅力の1つなんですよね~。

> ここまでくると完全に想像の域ですが、もう少しこのひねた質問にご付き合いいただけないでしょうか?
私でよろしければいくらでも、喜んで。

> 桐壺の更衣は死んでしまうから物語に味が出るのでしょうか。
> もし、彼女が死なずにいたら、桐壺帝は更衣を彼女が死ぬ直前のように深く愛したのでしょうか?
源氏物語の原本には、桐壺帝が桐壺更衣を「見初めたきっかけ」が全くないのですよね。
何しろ冒頭が「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方がた、めざましきものにおとしめ嫉みたまふ。同じほど、それより下臈の更衣たちは、ましてやすからず。」ですから、既に「桐壺帝の寵愛が深く、後宮の他の女御・更衣からいじめられていた」んですよね。
ですから、桐壺更衣の『何』に惹かれたのかが分からないので、桐壺更衣が死なずにいたら…は、どうなるか分からないと思います。

> 或いは彼女を深く愛した桐壺帝といえども、やがては更衣の魅力に冷めて別の女性に好意を寄せたでしょうか?
いじめられた結果、やつれて『はかなげな有様』が好みに適ったのならば、生きながらえ、更衣としての地位を確立し、堂々とするようになったら、『桐壺更衣』は、桐壺帝の寵愛を失っていたかもしれませんね。
そして、桐壺帝は、「以前の桐壺更衣」のような人を求めて、先帝の四の宮(藤壺中宮)を入内させていたかも…。

> 桐壺帝と更衣の儚い愛は死によって完全な物となったのでしょうか?
そう思います。

> また、桐壺帝は光源氏に対してどのような態度を取ったでしょうか?
> 更衣が生きていたら桐壺帝の対応も少しは変わったのでしょうか?
変わったと思います。
光源氏は、亡き人の形見故に、桐壺帝にとっては「より可愛い」存在だったのではないでしょうか。

> 葵の上と光源氏の婚約が避け難いものなのは分かりました。
> では、光源氏は葵の上を愛することがあるでしょうか?
> もし彼の母に対する愛が満たされていたなら、彼は妻である葵の上を愛したのでしょうか?
葵の上が光源氏と心通わせるのも、死の直前ですね。
愛するかどうかは分かりませんが、正妻としてそれなりに大切にはしたと思います。
愛と結婚は別のもの…と考えて、割り切っていたかもしれませんよ。
この2人の関係は、どちらかというと、光源氏の気持ちよりも葵の上の気持ちで関係が変わるものではないかと思います。

> 光源氏は藤壷を愛しましたが、それは飽くまで彼に母親がいなかったからのように感じます。
私もそう思います。
紫の上も朱雀帝の女三宮も同じ想いを源として『手に入れた』と思いますし。

> 最後に一問、もし宜しかったら、参考に使える本等あったらどうぞ教えて下さい。
『源氏物語』については、これまでに読んだ本が多すぎて、自分が「どの本を読んでいないか」すら覚えていません…。
そこから派生して、平安時代の政治・風習・風俗などについての本も読み漁っています。
そんな感じなので、本のご紹介については「ごめんなさい。特には思い当たりません。」です。
比較的最近(今年に入ってから…かな)購入した本で、この時代に関連するのは
・ 天皇たちの孤独 玉座から見た王朝時代 繁田信一/著(角川書店・角川選書)
・ 殴り合う貴族たち 平安朝裏源氏物語 繁田信一/著(柏書房)
・ 源氏物語の時代 一条天皇と后たちのものがたり 山本淳子/著(朝日新聞社・朝日選書)
・ 女と子どもの王朝史 後宮・儀礼・縁 服藤早苗/編(森話社・叢書)
あたりではなかったかと思います。
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『源氏物語』好きが高じて、平安時代を専門に勉強した者です(『源氏物語』はそれ以上に敢えて専門にする必要を感じなかったので、それが書かれた背景、物語の舞台背景の方を掘り下げようと思ったんです)。



『源氏物語』の楽しみの1つは、行間を読むことです。
何度読み返しても、毎回新しい発見がありますよ。
そんな私にとって、この質問は、仰るとおり
> 「そんなの想像しはじめたらきりがない」とは思いますが
です。
と~っても長くなると思いますが、お付き合いいただけますか?

『源氏物語』が書かれたのは、一条天皇(実在の人物を『天皇』、源氏物語の人物を『帝』と書き分けますね。共通の名称を持つ人もいますので)の御世ですが、『源氏物語』の舞台となっているのは、仁明天皇の時代と言われており、要するに『平安時代初期』です。
物語が書かれた時代よりも200年弱前のことですから、私たちの感覚では「明治時代を舞台にした小説を書いた」というカンジになるでしょう。
要するに、源氏物語の作者にとっての『現在』が舞台ではないんです。

そこで、ご質問文についてですが、
> 源氏物語第一帖で桐壺更衣は執拗な嫌がらせによって死んでしまいますが、もし彼女が病死せず、帝の愛人として認められたら
この点については、ご認識違いです。
平安時代において、『更衣』は『女御』に次ぐ、天皇の『配偶者』の呼称であり、『公的に認められた』『身分』の1つです。
『位階』も四位、五位に叙せられています。
ですから、『愛人』という認識も間違いですし、『認められたら』も間違いです。
『公的に認められ』でいなければ、そもそも正式に『更衣』として入内ができません。

ですから桐壺更衣の重要性について考えるのならば、「もし彼女が早世しなかったら」のほかには「早世せずに、その後、更衣としての地位を確立していたら」ということになるでしょう。

そうなっていた時の可能性を考えるうえで、参考となる1人の人物がいます。
光源氏のモデルの1人に比定される『源高明』という人物です。
源高明は、醍醐天皇の第10皇子で、母親は源周子という『更衣』です。
ただし、源周子は源高明を産んで亡くなった…とうことはありません。
源高明のほかに2人の皇子と4人の皇女を産んでいます。
源周子が産んだ3人の皇子と4人の皇女の中で、源の姓を賜って臣籍に下ったのは、1人の皇子と1人の皇女だけで、他の皇子女は、親王(内親王)で皇族のままです。

ですから、桐壺更衣が早世せず、その後も桐壺帝の寵愛を受けて、他にも皇子女を産んだとしても、光源氏は源の姓を賜って臣籍降下していたかもしれません。
光源氏が原作どおり聡明な子どもであればなおのこと、皇族の身分に置いたままにしておいては「もったいない」と考えて、政治を摂ることができる臣下にしたことが考えられます。
実際、源高明は、後年左大臣になっています(その後、安和の変で失脚)。

桐壺更衣が早世していなければ、藤壺中宮(桐壺帝の后妃の藤壺は、入内当初から『女御』であり、『更衣』であったことはありません)の出番はなかったかもしれません。
桐壺帝の后妃としての出番はなかったかもしれませんが、逆に、普通に(?)光源氏の妻の1人となった可能性は考えられるでしょう。
光源氏が臣籍降下するならば、妻の実家の勢力が与える影響を桐壺帝が考慮しないはずはありませんから、葵上が正妻となるのは変らないと思います。
正統から外れた皇族には政治的な影響力はありませんから(なぜ先帝の血筋が正統から外れたのかも『源氏物語』における謎の1つなのですが)、先帝の第4皇女(原作における藤壺中宮)が光源氏の正妻になるとは考えづらいです。

そして、
> やっぱり光る源氏は女たらしに成長したんでしょうか?(笑)
にも関連することですが、光源氏の女性遍歴は「亡き母の影を慕って…」では説明がつかない女性が相手となっていることもあります。
ご質問者さまが仰っている『女たらし』という言葉が、光源氏にしっくりくるかというと私は首を傾げたくなりますので、「やっぱり光源氏は多くの女性と浮名を流しただろう。」という表現を使わせていただきます。
先帝の第4皇女もその中の1人で終わっていた可能性はありますね。

また、桐壺帝には皇子だけでも10人の子がいます。
先帝の第4皇女が入内していなければ、おそらく右大臣の娘である弘徽殿女御が立后していたでしょう。
実は『源氏物語』のどこにも、朱雀帝が桐壺帝の第1皇子だとは書いていないんです。
しかも光源氏が生まれたときには桐壺帝は帝位にあったにも係わらず、朱雀帝の立太子は随分後になってから。
ずっと皇太子位は空位だったんでしょうか?
そのあたりに疑問は残るのですが、『源氏物語』のなかで確認できる兄弟関係は、朱雀帝は光源氏の兄で、四の宮(第4皇子)・蛍兵部卿宮・帥宮・蜻蛉式部卿宮・宇治八の宮は光源氏の弟とされています。
そして、第10皇子とされているのが冷泉帝。
桐壺帝がいつ頃から『気持ち』を取り戻したのか分かりませんが、桐壺更衣が病気になり、亡くなった後、藤壺が冷泉帝を産むまでに、皇子だけで6or7人産ませているんですよね。
桐壺更衣、弘徽殿女御、藤壺中宮以外に桐壺帝の女御として名前が見えるだけでも、麗景殿女御(花散里の姉)、承香殿女御(四の宮の母)、某女御(宇治八の宮の母)がいますが、麗景殿女御は皇子を産んでいませんので、他にも「女御更衣あまたさぶらひたまひけ」っていたのでしょう。
仮に桐壺更衣が光源氏以外にも皇子を産んだとしても、桐壺『更衣』よりも身分の高い『女御』がいて、『女御』所生の皇子がいた訳ですから、『更衣』腹の皇子が帝になれる可能性は低かったでしょうね。
先ほど、『源氏物語』の舞台は仁明天皇の時代と書きましたが、まさにその仁明天皇の更衣・藤原沢子は、産んだ皇子の1人(時康親王)が後年光孝天皇となりましたので、皇太后位を追贈されています。
もし、桐壺更衣が産んだ皇子が帝になったとしても、このパターンで、贈皇太后に留まるでしょう。

> それともストーリーがガラッと変わってしまうほど違う性格に成長したのでしょうか?
光源氏の正妻である葵上の性格は変わりようがないので、結果的には「やっぱり光源氏は多くの女性と浮名を流しただろう。」になるでしょう。
ただの『光源氏のヰタ・セクスアリス』で終わってしまったりして。

この回答への補足

詳しいご説明どうもありがとうございます。
読み直してもよくわからないところが多く、色々調べているうちに返答が遅れてしまいました。スミマセン。
読み進めていくうちにもっともっと謎が増えてきてしまいました。
ここまでくると完全に想像の域ですが、もう少しこのひねた質問にご付き合いいただけないでしょうか?

桐壺の更衣は死んでしまうから物語に味が出るのでしょうか。
もし、彼女が死なずにいたら、桐壺帝は更衣を彼女が死ぬ直前のように深く愛したのでしょうか?
或いは彼女を深く愛した桐壺帝といえども、やがては更衣の魅力に冷めて別の女性に好意を寄せたでしょうか?
(これは前者であると信じたいですが。)
桐壺帝と更衣の儚い愛は死によって完全な物となったのでしょうか?
また、桐壺帝は光源氏に対してどのような態度を取ったでしょうか?
更衣が生きていたら桐壺帝の対応も少しは変わったのでしょうか?

葵の上と光源氏の婚約が避け難いものなのは分かりました。
では、光源氏は葵の上を愛することがあるでしょうか?
>「亡き母の影を慕って…」では説明がつかない女性が相手となっていることもあります。
と書かれましたが、自分も同意です。
光源氏は藤壷を愛しましたが、それは飽くまで彼に母親がいなかったからのように感じます。
もし彼の母に対する愛が満たされていたなら、彼は妻である葵の上を愛したのでしょうか?

最後に一問、もし宜しかったら、参考に使える本等あったらどうぞ教えて下さい。
何だか質問攻めになってしまいました。
もし、お暇があったら回答を頂けませんか?

補足日時:2007/11/15 06:53
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おもしろいifですね。


参加させてください。

桐壺更衣が生きていても身分が低いので、光源氏は東宮にはなれませんよね。
血筋的に優れた朱雀帝もいましたし。
皇族のままでいても母親の実家の後ろ盾がなければ立場的に苦しいのと、無用な権力闘争の発端になることは変わらないので、結局、臣籍降下ってことになったんじゃないかと思います。
その場合ありそうなのが
1、お母さんの面影を求める必要がない
2、それでもお母さん(理想の女性)の面影をもった女性を恋求める
の2パターンになるかな?
どっちのケースでも桐壺更衣のご機嫌伺いっていう口実で、堂々と後宮に出入りして、女房たちを口説くっていうのはありそうです。
藤壷は「桐壺に似ている」ってことで後宮に入りましたが、桐壺が生きていたらこれはなかったと思うので、そうしたら光源氏と恋愛してメデタシメデタシになっていたかも。

もう一つ、桐壺が生きていたら桐壺帝も遠慮して(愛する妃を悲しませたくなくて)光源氏を皇族のままにしておいたかもしれませんね。
東宮にはできないけど、有力な大臣家などの姫と結婚させたりして。
そうしたら源氏は恋に歌にと雅に宮廷人としての生涯を送ったかもしれません。
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この回答へのお礼

どちらにしろ臣籍降下は避けられないでしょうね。
(あるいは光源氏当人もそちらの方を選ぶかな。)

1のケースだと見境なしになってしまうのですかね。
2のケースは鶏が先か卵が先か(お母さんがいなかったからそう言った風貌の女性を求めたのか、求めた女性が母性に溢れる人だったのか)
はっきりしませんからまだ議論の余地があると思います。

桐壺帝の主観を考慮すると、なるほど、そう言った結末もあったかもしれませんね。
どうもありがとうございました

お礼日時:2007/11/09 21:33

やはり桐壺更衣が生きていたときの光源氏を考えるのは難しいと思います。


まず、桐壺更衣が生きていると父帝の愛情が光に注がれたかどうかもわかりません。弟宮ができる可能性もありますし、桐壺更衣自体が父帝の寵を失う可能性もあります。
また、藤壺更衣の登場の仕方も変わります。登場しないかもしれません。
なお、更衣自体は既に愛人として認められている地位です。桐壺更衣程度では皇后、中宮には元々なれません。
宮さまの育成はほとんどは養育係がしますので、桐壺更衣が生きていても光の女たらし等の行動にはあまり影響はないでしょう。
また、女たらしは当時の男としたら美徳でしょうね。有力な家の婿に入りその家の実力を利用して朝廷でよい地位を得るのがその人物の能力です。
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この回答へのお礼

うーん。やっぱりそうなりますかね。自分もそのような気がしていたのですが。
光は更衣がいなかったことで紫の上や藤壷に恋をした訳ですから、
更衣がいたらその下りは存在しなくなる、あるいはそこまで重要じゃなくなる訳ですね。

>更衣自体は既に愛人として認められている地位です
これも知りませんでした。全く、自分の無知が恥ずかしいです。

「良い地位を作るため」、「当時の美徳」ならばこれはもう防ぎようがありませんね。
なるほどなるほど
どうもありがとうございました

お礼日時:2007/11/09 21:22

この「if」は難しいですね。



帝の寵愛以外に後ろ盾を持たない桐壺更衣が、あの状況で周りからいびられ続けたら昼ドラみたいなドロドロした展開しかありえないような気もしますし。
それに、確か彼女は身ごもった光源氏に掛けられた呪詛の念を払うために、自分の命と引き換えに我が子の命を救おうとしたんじゃなかったですか?
別にご質問の意図を茶化しているわけではありませんが、光源氏が無事に生まれてきた時点で、桐壺更衣の死は避けられなかったようにも思えます。

それでも敢えて仮想的な状況を考えるなら・・・
桐壺更衣と光源氏が二人とも生きていたら、藤壺更衣はお呼びが掛からず、その縁の紫の上との出会いだって無かったか、違うものになったでしょうね。でも、桐壺更衣は幸せになれたでしょうか?貴族社会で実家の支援がないというのは致命的で、やっぱり不幸になったような気がするんですが。下手すると、光源氏は不幸な母のために復讐に生きる人間になってしまったかもしれません。
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この回答へのお礼

なるほど。やっぱりハッピーエンドは期待できそうにないですね。残念。
>光源氏に掛けられた呪詛の念を払うために
そうだったのですか!見落としていました。てっきり病気になって穢れが残らないように追い出されたのだとばかり思っていました。

何だかどの方向に向いてもおどろおどろしい話ですね。
そう考えてみると原作が一番良い結果を迎えた・・・というべきなのかもしれませんね。
ありがとうございました

お礼日時:2007/11/09 21:14

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