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短期記憶と長期記憶という概念を提唱した人は誰でしょうか?

本を見ると学習曲線ではエビングハウスという名前がよく出てくるのですが、エビングハウスが提唱したのでしょうか?

電話をかけるとき、一時的に電話番号を覚えておくのが短期記憶で、電話番号を何度も唱えると長期記憶に入る、
という意味では学習曲線とよく似ています。

A 回答 (3件)

短期記憶,長期記憶という用語が現代的な意味で用いられるようになったのは


認知心理学がまだ揺籃期にあった1960年代と思われますが,
最初に用いた人が誰なのかははっきりしません。

短期と長期,2つの独立したシステムからなる記憶モデル=記憶の二重貯蔵モデルを提唱したのは
アメリカの心理学者アトキンソンとシフリン(Atkinson, R. C. & Shiffrin, R. M.)で,
エビングハウス(Ebbinghaus, H. 1850-1909)の没後60年近くたった1968年のことです。
ただしアトキンソンらのモデルでは
 感覚登録器(Sensory Resister)
 短期貯蔵庫(Short Term Storage;STS)
 長期貯蔵庫(Long Term Storage;LTS)
という用語が用いられています。
このうち感覚登録器は感覚受容器から感覚中枢に至る経路,
たとえば視覚なら網膜や視神経における情報の保持や処理を想定しています。
つまり「見えた!」と感じる以前の話なので,狭い意味での記憶系とは区別されていました。

短期/長期の別は単に保持時間の違いというだけでなく,
その機能や情報処理様式,それを担う解剖学的部位の違いが想定されています。
二重貯蔵モデルは系列位置曲線をはじめとする過去の実験データをうまく説明するとともに
その後の認知科学,神経科学における記憶研究の海図としての役割を担い,
研究の進展に伴ってさまざまな修正や拡張が行なわれてきました。
静的な短期貯蔵庫の概念からダイナミックな作業記憶ないし作動記憶への発展はその一例です。
短期/長期に加えて中間的なスパンの記憶システムを導入する仮説も現われています。
二重貯蔵モデルは遠からぬ将来,歴史博物館入りするかもしれません。
教科書に書かれたモデルや法則は執筆時点で広く受け容れられている最良の仮説であって,
それをより良いものに書き換えていくのが研究者の仕事ですから。

なおエビングハウスの実験は今でいうところの長期記憶に関するものと解されます。
彼の方法では秒単位で書き換えられる短期記憶の効果をすくい上げることはできません。
怪しげな記憶促進教材の広告などで今も目にするエビングハウスの実験データは
自らを被験者として,無意味綴りのリストを再記銘する際の時間の節約率を指標に得られたもので,
正確には忘却曲線,上下反転させた場合は保持曲線と呼ばれます。
心理学で学習曲線と言えば,まったく別のものを指すのが普通です。
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この回答へのお礼

分かりやすい説明、ありがとうございます!

お礼日時:2007/12/25 18:04

私は物理学者ですが、人間45歳を過ぎた頃には長期記憶を覚えていても短期記憶がすぐ忘れてしまうことは、まともな人間なら誰でも経験するものです。

こんな当たり前なことをことさら提唱したことで歴史に名前が残るとは、心理学っていい加減な学問なのですね。驚きました。

物理学なんかやらないで心理学でもやった方が良かったのかなと反省させられました。
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この回答へのお礼

今は、短期記憶と長期記憶という言葉がほとんど日常用語になるくらいに浸透していますから、気付かない方が不思議です。

そういうモノの見方が無かった時代に気付くかどうか。

あと、歴史に名前が残るかどうかで研究分野を選ぶのでなく、
物理学は物理を研究したい人、
心理学は心理を研究したい人が研究しないと
あとで苦しむことになると思います。

お礼日時:2007/12/25 18:11

アレキソンとシフリンではないでしょうか。



正確にいうと、記憶が2つの過程から成立しているとする「2過程モデル」を提唱したわけですが。
2過程とは貯蔵がごく短い時間に限られた短期記憶と、何度もリハーサルや注意を繰り返した長い記憶である長期記憶のことをいう。

最近ではこれに外部からの情報が最初に貯えられる感覚記憶を加えて、3つの過程を考えるのが一般的であるそうです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます!

お礼日時:2007/12/25 18:05

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