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高校生の者です。
数学の教科書の関数の極限の定義が曖昧なので、厳密な定義を知りたいと思い、
いくつかの本やサイトで調べてみたら、ε-δ論法なるものに出会いました。
f(x)→α(x→a)とは、すべてのεに対し、|x-a|<δ ⇒ |f(x)-α|<ε を満たすようなδが存在すること というものです。

∀や∃の意味はわかりますし、式の意味もわかるのですが、
この定義がf(x)→α(x→a)と同じ内容を示しているということがどうしても納得いきません。
連続の定義についても同様です。

これらを理解するためにはどうすればいいでしょうか。
また、わかりやす解説している本やサイトがありましたら、紹介お願いします。

A 回答 (5件)

私は最初にε-δ論法を知ったのは、矢野健太郎著「すばらしい数学者


たち(新潮社)」という単行本でした。
このような定義をしたのはコーシーという数学者だったと思います。
それまで感覚的だった極限の概念をこのように厳密に定義し、微積分を
再構成し「微分学教程」とかにまとめたのだったと思います。
最初は何を言っているのか分からないかと思いますが、最初はグラフを
描いて考えてみると良いと思います。
ポイントはεが任意だということで、εをどんなものにとっても(通常
は小さいものを考えますが)、適当にδをとると、aの近傍(a-δ,a+δ)
がfによって、αの近傍(α-ε,α+ε)の中に入ってしまうということ
で、要するに、aのそばの点のfによる像は、すべてαのそばにある、
ということです。
ここで、α=f(a)の場合は、fはaで連続であるということになります。
これに反して、f(x)→αでない場合は、あるεに対しては、δをどんな
ものにとっても、(a-δ,a+δ)内の点で、fによる像が(α-ε,α+ε)
から外れてしまうものがあるということです。
つまり、aにいくらでも近い点で、fによる像が(α-ε,α+ε)から外れ
るものがある。これでは、f(x)→αとは言えない。

数列の極限の場合も、同じような論法があります。
an→α(n→∞)というのは、任意のε>0に対して、ある番号Nがあ
り、n≧Nならば、|an-α|<εということです。
ε-N論法とでも言いましょうか。
これが威力を発揮するのを最初に見るのは、an→α(n→∞)ならば、
(a1+a2+…+an)/n→α(n→∞)ということでしょう。
(コーシーによる。つまり、数列の平均も、元の数列の極限値に収束
する。)
本としては、ほとんどの微積分の教科書の最初に書いてあります。
(私の場合は、田島一郎著「解析入門」(岩波全書))
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この回答へのお礼

解説ありがとうございます。
逆にf(x)→αでない場合というのをイメージできたので、
大いに参考になりました。

お礼日時:2007/12/04 21:52

こういうサイトもあります。

なかなかよいと思います。
http://www2.odn.ne.jp/dokatin/ipusipon1.html
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この回答へのお礼

サイトのご紹介ありがとうございます。
参考にしてみます。

お礼日時:2007/12/04 21:50

現代数学社「イプシロンーデルタに泣く」(ε-δに泣く)石谷茂著、を読んでみてください。


ちくま学芸文庫「現代の古典解析」森毅著、最初の60ページくらいを読んでもよくわかります。
入手困難ですが、岩波全書「解析入門」田島一郎著、この本もε-δ論法について、詳しく書いてありました。
現代数学社「∀と∃に泣く」石谷茂著にも、挑戦してください。
お励みください。
http://www.gensu.co.jp/book_print.cgi?isbn=978-4 …
http://www.gensu.co.jp/book_print.cgi?isbn=978-4 …
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この回答へのお礼

「イプシロンーデルタに泣く」とは有名な本のようですね。
タイトルも何だか魅力的ですし、今度本屋で探してみようと思います。

お礼日時:2007/12/04 21:48

では、ちょっとイメージを。



素朴に考えると、x^2/x が、 x->0 のとき、0 に収束するのは、「(x = 0 の時は定義できないけど)x を 0 にどんどん近づけると、x^2/x は 0 に近づく」という意味です。
これを、厳密にしたのが、ε-δ 論法です(ま、ここまでは、いうまでもないことでしたか)

これ、お話の流れを逆にすると、イメージがつかみやすくなります。
f(x) → α というのは、|f(x) - a| > 0.00001 だったら困るわけです。
a の 0.00001 離れたところまでしか近づけないじゃないか。
だから、0.0000000001 でも、0.0000000000000000000001 でも、どんな数字(これをεとします)を持ってきても、|f(x) - α| < ε とできるということです。
「f(x) って、さ、a に近づくんだよ」
「でも、|f(x) - α| が 0.001 より近づかないでしょう」
「いや、近づく、0.001 よりも」
「じゃ、0.00000000000000001 は」「OK」
「じゃ、0.00000000000000000000000000000001は」「OK」
「じゃ~」「だから、どんな数字を持ってきてもOK」
さて、これが、f(x) → α の部分。

でも、これが、x → a の時の話なのです。
話を少し戻します。
「でも、|f(x) - α| が 0.001 より近づかないでしょう」
「いや、近づくよ。|x - a| < 0.001 だったら、大丈夫」
「じゃ、0.000000000000001 は」
「|x - a | < 0.000000000000001 だったらOK」

つまり、「近づく」「近づける」を、「どんな数字を持ってきても、その値±「どんな数」に収まるという形で定義します。

連続なども、素朴には、「値が飛んでないこと」です。
これも、y = f(x) のグラフを書いてみましょう。
ある、x = x0 における y の値 y0 が決まります。
この y0 の値の上下ε(0.1 でも、0.0001 でもお好きにどうぞ)幅で、x 軸に平行な2本の線を引きます。
この範囲に入る x の範囲を調べると、(連続していれば)x0 の左右いくらかに限定できるはずです。(これが、x0±δ)
逆に連続していなければ、y0 の上下ε離れた線を引くと、x0 の近くの点でカバーできなくなります(つまり、x0±δに相当する δが決められない)

まあ、こういう意味のことです。
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この回答へのお礼

わかりやすい解説ありがとうございます。
具体的にイメージを固めて、理解に近づくことができました。

お礼日時:2007/12/04 21:46

まずは数列の収束を厳密に定義して、その内容を理解すると良いでしょう。



----
定義
数列 {a_n} が a に収束するとは、以下を意味する

任意の正数 ε に対して、十分大きな自然数 N がとれ、
n ≧ N ならば |a_n - a| < ε とできる
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まずはこれが数列 {a_n} の収束を表現していることを「理解」しましょう。

その後に、質問に挙げた関数の極限の定義が

任意の a に収束する数列 {a_n} に対して、数列 {f(a_n)} が同じ値 α に収束する

ことと同じであることを「証明」しましょう。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
なるほど、数列の収束を踏まえた上で理解するわけですね。
確かに、そちらの方がわかりやすいような気がします。

お礼日時:2007/12/04 21:45

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