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抗生物質には、多数の薬が発売されていますが.その使われ方が今ひとつよく分かりません.セフェム系には第1世代、第2世代、、、と続き、その他カルバペネム系等があるように思います.

今、仮に重傷の肺炎の患者がいたとして、複数の異なる薬剤(例えば、セフェム系とカルバペネム系)を同時点滴するというのは好ましいことなのでしょうか?

あるいは同じ薬剤、例えばメロペンを倍量投与するのとではどのような違いが生じるでしょうか?

出来るだけ優しく解説して頂ければありがたく思います.また文献等ありましたら教えてください.

A 回答 (4件)

No.2です


>カルバペネム系は回数を多くした方が、またアミノグリコシド系は量を多くした方が効果があるというのは、MICの問題でしょうか? それとも未だ未知の作用でしょうか?
については、No.3の方が紹介されたサイトを読んでいただければ、PK-PDについて等も含め、お分かりいただけるのではないかと思います。

また、
>例えばメロペン2回投与と3回投与では回復期間に平均どの程度の差が出てくるものでしょうか? 
については、残念ながら私は回復期間の差についてのデータor文献を持っていません。重篤度や起炎菌により変わってくることでしょうし。
わかっていることは、
メロペンならばMIC=4μg/mLで2g×3より1g×4の方が%Time>MICが大きい(kuti,JL:Am J Health-Sys Pharm 2003;60:565)って事でしょうか。
また投与時間(点滴時間)の長さを重要視する先生もいらっしゃいます。
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この回答へのお礼

文献有りがとうございます.Am J Health-Sys Pharm 2003;60:565を参照してみました.AbstractしかDownLoad出来ませんでしたが、十分な情報が得られました.Monte Carlo SimulationでMICとEconomyを計算している様です.

わたしは学者の立場から、臨床医師がどのような情報をもとに抗生物質の使用を判断しているかを知りたかったのです.

個人的な意見ですが、MICの時間が長く取れるというだけの理由ならば、回数を多くした方が抗菌力が高いとは言えないと思います.抗菌力はMICに晒された時間に依存しますが、同時に薬剤の濃度の関数でもあるはずです.同量の薬剤を2回で投与すればMICの時間は短縮されますが、菌はより高い濃度の薬剤に晒されます.

現場の医師が直感的に、あるいは経験的に、’頻回投与の方が治癒率が高い’というデータを持っているかどうかが知りたかったのです.

お礼日時:2008/01/03 21:54

患者さんのお立場からのご質問でしょうか?


No.1の方は、丁寧に詳しく解りやすくご回答ですね。
No.2の方は、抗生物質の全体的な流れのさわりを解りやすく回答なさっています。

けれど、抗生物質の使い方をこの欄で全て述べるのは不可能ですよね。
clear-eye様のご質問に即して回答します。
>仮に重傷の肺炎の患者がいたとして、複数の異なる薬剤(例えば、セフェム系とカルバペネム系)を同時点滴するというのは好ましいことなのでしょうか?
カルバペネムはペニシリン、セフェムの進化系です。一般的には併用は行われません。例外は有り得ますが…
ペニシリン系に感受性があると予測できれば、ペニシリン系を、しかし最近は耐性菌も多いのでカルバペネムを選択される場合も出てきているようです。(第一選択としてカルバペネムは好ましいとは、言えませんが…)
併用される場合は、その抗生物質の抗菌スペクトルが異なる場合ですね。

>例えばメロペンを倍量投与するのとではどのような違いが生じるでしょうか?
No.2の回答にあるように、メロペンは1回量を増やすのではなく、投与回数を増やす事で抗菌力が高まる薬です。
http://medical.radionikkei.jp/abbott/final/pdf/0 …
2つの場合を比較する事は全く意味が異なります。

>スペクトルが良く似ていて、異なる化学構造の薬剤、例えばセフェム系とカルバペネム系の2つの薬剤を同時投与した場合、どのような効果が期待出来るでしょうか?
上記にも書きましたが、この場合は併用されることは、まずないと思います。
併用される場合は
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/hp-infect/file/ …メロペン スペクトラム'

>スペクトルが同じなので単に一つの薬剤の投与量を増やしただけの効果でしょうか?
菌の発育を阻止する濃度以上が有れば、どちらの抗生物質が効いたか解りませんね。
そういった同じスペクトルの薬を併用する試験は行われません(行う意味がありません)ので、はっきりした事は解りません。

もし、実際に併用されているのならば、具体的な薬品名をお書きになると併用の理由が解るかも知れません。
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抗菌薬は、悪い菌をやっつけるために使用します。


菌はグラム染色という方法で染色された色から大きくグラム陽性菌とグラム陰性菌に分けられ、それぞれ形で球菌と桿菌に分けられます。
カルバペネム系は、この4種類の分類の大体の菌をやっつけることが出来ます。第1世代のセフェム系は、グラム陽性菌は得意なのですが、グラム陰性菌が不得意です。抗菌薬は、グラム陽性菌が得意なペニシリンから始まって、ペニシリンでは太刀打ちできない菌をやっつけるためにいろいろ開発されてきました。
また菌によっては酸素を好む好気性菌と、酸素がいると増殖できない嫌気性菌がいて、たとえばアミノグリコシド系は嫌気性菌には効かないといわれています。
さらに、抗菌薬の使い方では、同種類のものでも投与回数を変えずに1回量を2倍にするほうが効き目が良くなる場合と、1回量は同じで投与回数を増やすほうが効き目が良くなる場合があります。一般的にはアミノグリコシド系は前者でセフェムやカルバペネム系は後者です。
あと、数種類の抗菌薬を併用する場合は、例えばアミノグリコシド系とセフェム系を併用すると、相乗効果が期待できることがあります。アミノグリコシド系は細菌の壁をグズグズにしてくれて、セフェム系はそのグズグズにしてもらったほうが細菌に入りやすいということも言われています。その他の併用では、例えば複数菌感染の場合はバンコマイシンはグラム陽性菌にしか効かないので、グラム陰性菌もいそうな場合はグラム陰性菌をやっつけられる薬をカバーすることもあります。
ここに書いたのは、ほんの一部ですが、ご理解いただけましたでしょうか?
前の方が説明されているので、重症肺炎の場合は割愛します。

この回答への補足

詳しいご説明有りがとうございます.アミノグリコシド系とセフェムやカルバペネム系との違いがよくわかりました.

カルバペネム系は回数を多くした方が、またアミノグリコシド系は量を多くした方が効果があるというのは、MICの問題でしょうか? それとも未だ未知の作用でしょうか?

また、例えばメロペン2回投与と3回投与では回復期間に平均どの程度の差が出てくるものでしょうか? 

またこの辺りのことを解説したサイトがありましたら教えて頂けませんでしょうか?

補足日時:2007/12/16 21:15
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確かに抗生物質や抗菌剤には多くの種類があります。


種類によって、作用機序が違うので、当然効く細菌も違ってきます。
どのような細菌に有効かを示したものを、抗菌スペクトルといいます。

抗菌スペクトルが広いということは、有効な細菌の種類が多いということを意味します。
ただし、スペクトルが広くても、効き方が弱いこともあります。
逆に、スペクトルは狭いけど大いに効く、という場合もあります。

細菌に感染して抗生物質を投与する場合、感染した細菌の種類がわからない場合は一般的に広域スペクトルの抗生物質を選択します。
効果がなかった場合は、スペクトルの異なる(=効く細菌の種類が異なる)抗生物質を選択します。

そんなに悠長なことをやっていられない場合は、スペクトルの異なる抗生物質を2~3種類同時に投与することもあります。
下手な鉄砲数うちゃ当たる作戦です。

細菌の検査をして、何の細菌に感染しているかわかっている場合は、その細菌に対して有効な抗生物質を選択します。
この場合はスペクトルが狭くてもいいので、効果の大きいものを使います。
1点集中的にガツンとたたくのです。

広域スペクトルのものを多数使うと、薬剤耐性菌が生まれる可能性が高くなります。
しかし細菌の検査をしている間に症状が悪化することもあるし、細菌検査はお金がかかるのでしないで治療する事もよくあります。
そういう時はひとまず、沢山の細菌に対して有効なものを使います。

質問文の例で言うと、重症の肺炎患者の急性期を乗り越えるためにまず複数の異なる薬剤を投与し、その間に細菌の検査をして、一番有効な抗生物質がわかったらそれに切り替える(仮にメロペンだったら、メロペンを使う)ということがあります。
ただし抗生物質にも副作用がありますのであまり高濃度では使えませんが、それでも効かなければ倍量投与することもあるでしょう。
また、病気の時は体全体の抵抗力が落ちているため、予防的に複数の抗生物質を投与しておくこともあります。

参考になれば幸いです。

この回答への補足

分かりやすい説明、有り難うございます.もう一つ教えて頂けませんか?

スペクトルが良く似ていて、異なる化学構造の薬剤、例えばセフェム系とカルバペネム系の2つの薬剤を同時投与した場合、どのような効果が期待出来るでしょうか?

スペクトルが同じなので単に一つの薬剤の投与量を増やしただけの効果でしょうか? それとも他のより良い、あるいはより悪い、効果が期待されるでしょうか?

補足日時:2007/12/16 19:32
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