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基本的な質問でたいへん申し訳ないのですが、貿易赤字って好ましくないことなのですか?

自国の通貨が国外に流出するからいけないのですか?だとすれば何故通貨の流出が好ましくないのでしょう?
そもそも、実際の貿易って、経済的見地からどのように行われるのかがよく解ってません。例えば、日本国内の企業がある製品を米国の企業に輸出する場合、代金はドル建てで支払われるのですか?それとも円建てですか?または双方の合意でどちらの通貨でも可能なのでしょうか?ドル建てであれば、輸入超過で自国の通貨が流出するという説明は正しいと云えますが。

現実的には、輸入超過とういうことは輸出が相対的に少ないということなので、自国製品の輸出競争力が低いことの裏返しなわけですよね。自国産業の輸出競争力が低いのは確かに好ましくないことだとは思いますが、それは貿易赤字の要因のひとつにはなっても、貿易赤字自体の是非とは関係ないですよね。

また、仮に貿易赤字が好ましくないとしたら、逆に、行き過ぎた貿易黒字もよくないということになるのでしょうか?

理科系出身なので経済学はシロートでよく解ってません。
どなたか分かりやすく教えて頂けないでしょうか。

A 回答 (1件)

経常収支赤字(貿易赤字のことですが、あえて言い換えます)が


なぜいけないかということですが、
基本的にはいけないということはありません。

ここからは経済学の観点から説明します。
理系の方ですから、数式を使ってもかまいませんよね。
まず2本の式を紹介しておきます。
1本目は
BP=NX+K+e=0
NXは経常収支黒字(+)、Kは資本収支赤字(-)、eは外貨準備増(-)です。
BP(Balance of Payment、国際収支)が0になるというわけですが、
この式の意味するところは、
外貨準備が0とすれば円建てドル建てに関わらず、
貿易によって得た額(経常収支黒字)は
海外への投資(資本収支赤字)に消えるということです。
2本目は
ISバランスアプローチに基づいた以下の式です。
(S-I)+(T-G)=(EX-IM)
Sは貯蓄、Iは投資、Tは税収、Gは政府支出、EXは輸出、IMは輸入です。
もしこの式を事後的に成立する恒等式ととらえることができるなら、
個々の主体の行動とは無関係に、
輸出競争力とか、世界市場における価格競争力ということは
まったく意味をなさず、
国内の貯蓄超過、あるいは財政黒字は
結果としての経常黒字につながります。
つまり、一国単位で貯蓄が少なく投資が多い、財政赤字であれば、
自然と輸入超過となり、経常赤字となります。
1本目の式から、その分資本収支黒字が生じ、
海外から資金が流入していることになります。
アメリカの例でいえば、
貯蓄がかなり少なく、以前は莫大な財政赤字を抱えていたわけですから、
その結果として、経常赤字な訳です。
しかし、多額の経常赤字を抱えていても
その分多く海外からの投資を受けており、
国内の貯蓄だけではまかなえない国内の投資を
海外からの資本流入で支えてもらっていることになります。
きわめて日本的な立場から見れば、
むしろ感謝してほしい、ということでしょうか。
これらの分析は経済学の教科書に載っています。

これではあまり答えになっていないような気がするので、
いけないという意見から見たらどうでしょう。
まずいっておきたいのは国際貿易論の分野でいえば、
うえの例と同様、価格競争力という概念はまったく無意味です。
詳しくは書きませんが、
リカードの比較優位、
ヘクシャー・オリーンの定理などを参考にしてください。
さて本題に戻りますが、
経常赤字は自国の需要を海外の生産でまかなっているわけですから、
それを自国で生産した方が、国内の失業も減るし
GDPも高まるはずです。
つまり、内需を外需が浸食している状態で望ましくない
といえなくもありません。
もうひとつは為替レートとの関係です。
取引がどちらの通貨建てでおこなわれたとしても、
必ず為替市場を通すことになります。
日本がものを売ったとき、
日本が円を受け取るならアメリカがドルを円にかえなければならないし、
日本がドルを受け取ったとしても結局はドルを円にかえなければなりません。
(日本ではドルは使えません)
だとすれば、どちらで取り引きしてもドル売り円買い、
経常赤字は自国通貨安を意味します。
これが良くないといえなくもないでしょう。
それはそのときの経済状態によりけりです。

今まで長々と書いてきましたが、
基本的に為替レート決定モデルに基づいています。
為替レート決定モデルには
短期、中期、長期といくつかありますが、
それによって結論が大きく異なります。
というわけで実はどの立場を重視するかで
正しい答えはないことになります。
つまらない結論で申し訳ありません。
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この回答へのお礼

回答どうもありがとうございました。m(_)m

お礼日時:2003/02/21 22:19

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