英文字キー配列の由来については、ウィキペディア(Wikipedia)には、
『QWERTY配列がどのように成立したかについて、現時点での定説はない。初期の機械式タイプライターにおいて、あまり高速に打鍵しすぎると印字ハンマーが干渉して故障してしまうために、よく連続打鍵される文字をあえて左右の離れた位置に配置した、という説がよく知られているが、全くの俗説であり、その根拠は見出されていない。』
とあります。
また、「現在の英文タイプの活字配列の基準は、当時のアメリカの印刷職工組合の活字工の使う活字棚の文字配列に準じたというのがいちばん信憑性が高い説とされています。」と書いてあるサイトもあります。
しかし、ウェブ上には、実際にタイプライタを使っていた人(日本人)が、「タイプを打ったことのある人なら判ることですが、…キーボードの角度たるや急階段にも匹敵します。さらにひとつひとつのキーの先に各文字の活字があり、これをインクリボン越しに紙に打ちつける訳ですが、一文字一文字の打鍵間隔をテンポよくしないとキーが絡んで思わず作業中断を強いられます。(これがとてもイライラするんです)」と書いた体験談も見受けられます。
実際のところ、いったいQWERTY配列の本当の由来はどこにあるのでしょうか?普段使うキーボードだけにちょっと気になります。
どなたか、風説でなく、それなりの根拠とともにご存知でしたらお教え下さい。
※英文字キー配列の由来についての疑問は既に解決済みです
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3635084.html
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
キーの位置だけでなくタイプライターのハンマーの位置です。
Wikipediaのような信頼性のない辞書の記述引いてもしょうがない(この項目の説明は見ていない。質問者が引く説明の前の版も読む必要があるでしょう)自説強化するために書き換える連中がいるんです。
質問が引く範囲ではQWERTY配列がスピード抑制のためだったかはともかく「機械的制約」であの配列ということが正しいだけです。最古のタイプライターはタッチタイプするわけではない。
レミントンが特許持ち他の配列を妨害した(自社も旧機構に改良加えたがさらに改良するのは受け入れなかった)
DVORAK
http://www7.plala.or.jp/dvorakjp/dvorak_a.htm
QWERTY配列が普及した理由はレミントンとIBMなどの政治力です。こういう配列でないと政府調達では買わないという制約あれば他の方式は売れない。
タイプコンテストではずっとDVORAKが連勝です。統計は古いが米国の比率は7:3って時期もあった(いまは一般人が使うから9:1かも)
日本人だって親がローマ字入力教えなければ(小学生に自由にパソコン触らせると)5年生ころにはかな入力自由自在になる(ローマ字入力しない)
http://www.eonet.ne.jp/~gekkao/comp/eval/eval_ke …
http://www1.vecceed.ne.jp/~bemu/act/act_index.html
QWERTYもDVORAKもAキーの配列は(歴史のあと知恵で言えば)小指の負担です。これは「打鍵速度落とす」結果生み出すでしょう。
この回答への補足
(リンクページを含めてご回答内容をまだじっくり読めていませんが-数日中にしっかり読みます)
貴重なご意見、感謝いたします。
『「機械的制約」であの配列ということが正しいだけです』とのことですが、私としては、<どのような機械的制約なのか>の理解力が乏しいですので、どなたかに教えていただきたいところです。
No.2さんご紹介のリンクページ「キー配列の各指利用率」
http://www.eonet.ne.jp/~gekkao/comp/eval/eval_ke …
の中に次のような記述がありました。
・『グラフから見たQWERTY配列についての考察
英語入力に関しては、QWERTY配列は左手の方を良く使うが、人差し指、左の中指をよく使い、小指や薬指は少し使う。
当時のタイプライタはキー入力が重かったことから、良く使う文字を真ん中に集めたのだろうと推測される。
つまりはタイプライター向けとしては適度に分散しているように思う。』
・『QWERTY配列よりはDvorak配列の方が、各指への負担が改善されていることが確認できた。さらにもっと分散する並びがあることも想定できる。しかし、両配列とも、単に効率だけでなく、分かりやすさも追求されている。例えばQWERTY配列は、アルファベット順を基準とし、その上で入力しやすいように配慮されている。』
これらとNo.2さんの書き込まれた文面から私に今分かることは…
QWERTY配列はもともと、
1.タイプライタの重いキー故の、指(特に小指)への負担を軽減するための配列(使用頻度の低いものを小指にあてる等の配列)にする
2.打つ効率がよい並びにする
3.なるべく分かりやすいように、ある程度はアルファベット順にする
という考えで作られたということ。
以上、まだリンクページをしっかり読めも考え切れてもいませんので間違っているかもしれませんが、現時点で私が読み取ったこととして書かせていただきました。
非常に鋭く貴重な説をお教え下さり、望外の喜びです。
No.4
- 回答日時:
Christopher Latham Sholesの製作していたタイプライターのキー配列ですが、1872年8月10日付のScientific American誌に、QWERTYになる直前のキー配列が掲載されています(
http://yasuoka.blogspot.com/2006/07/in-1873-chri … 参照)。また、1868年11月21日付のSaint Joseph Herald紙によれば、この時点でのキー配列は当時の印刷電信機をマネていて、ピアノ状の鍵盤の黒鍵にA~N、白鍵にZ~Oが並んでいました(http://patimg1.uspto.gov/.piw?docid=00026003&IDK … 参照)。つまり、右端で折り返すアルファベット順だったわけです。で、これらの間を繋ぐキー配列を考えた場合、私個人としては、http://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/48 … の図4に示したキー配列が、かなりの確度を持って正しいと考えています。ただし、これらの配列は、Christopher Latham Sholesが目指していたものでないのは明らかです。というのも、Sholesとしては最終的にはhttp://yasuoka.blogspot.com/2006/10/it-took-cons … に示したキー配列に到達しており、QWERTY配列は、その過程の途中で、たまたま1873年にE. Remington & Sonsに採用されてしまったものだからです。その意味でQWERTY配列は、1873年時点でSholesの手元にあった、キーを目で見てそこそこ探しやすい(と当時のSholesが考えていた)キー配列に過ぎません。このあたりについて、http://slashdot.jp/~yasuoka/journal でも、かなり色々な角度から議論していますので、よければごらん下さい。
この回答への補足
koichi_yasuoka先生。先生のような大家に、こんなコーナーにまでわざわざ書き込んでいただき甚だ恐縮です。
先生のサイトは既に何度か拝見させていただいています(上記の歴史的経緯も拝読済みです)。ただ、私のような「QWERTY配列についてのみ関心を持つ」一市民には少々難解で…。
今後、更に幅広く勉強していきたいと存じます。(できればQWERTY配列の起源-「どうしてこのような配列が生み出されたのか」-に焦点を絞った文章を発表して下さるよう、一市民としてお願い申し上げます)
今回のご教授、誠にありがとうございました。
○QWERTY配列が生まれた経緯(修正分)
安岡孝一先生の学説に沿って下記にまとめ直します(先生ありがとうございました)。※カッコ内の図は先生の「QWERTY配列」
http://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/48 … のもの
1.最初のタイプライタキー2段でABC順だった[図1]
2.そこからキーを3段にする時点で、多分、ABC順から「母音」だけを外して上段に置き、残りを中段・下段に折り返して並べることを基本に考えた[図4=先生の想定図]
3.そのうえで、「母音」だけでは埋まらない上段の空きキーを下から移動させて埋める
4.しかし、上記だけでは、実際には打ちにくかったり小指等に負担がかかったりする(*)という理由から、全体的にキー配置を微調整(変更)した(3での空きキー埋めも同様の視点で併せて行なった)、と推測される。 *-文字ごとの使用頻度の違い(EやTが最も出現する)や「Qの直後はUになる」等の法則がある/また、タイプライターの重いキーは指に負担がかかった
言い換えると、下記等の基準で配列が考え出されたと推測される(資料が残されていないため実際の基準やその精度は不明/勿論、英語入力での話)。
・覚えやすいように、また、二列キー時代からの流れで、ABC順はなるべく保つ。
・打つ効率がよい並びにする(指の使用率が偏らない、よく使うキーを打ちやすく、基本綴りを打ちやすく等)。
・特に、小指(や薬指)への負担を軽減する配列にする。
※実際、QWERTY配列では、(8本指操作の場合)小指に行くにしたがって使用頻度が低くなる傾向がある
5.その結果、<ある程度は指が楽に使え、少し覚えにくい(つまりそこそこの合理性は持つ)>QWERTY配列の原型が生まれた(1873年頃)。[図2・図3]
そして、それが世に定着してしまった。
○他の説についての補記
・A.バーの絡み回避説
この説は、「当時のタイプライターでは絡まない構造だった」とか「キー配列とバーの配列は無関係」という理由でデマとする専門家が多い。
・B.「活字工の活字棚に準じた」説
信憑性が高いと言う専門家もいるが根拠に乏しい。そもそも活字棚の配列は、使用頻度が高い活字を「版下」に近い一方の側に配置したりしたはずで、小指等の使用頻度に配慮すべきキー配列とあまり一致しないはず。
No.3
- 回答日時:
基本的には「レミントンが決めた」としか言いようがないでしょう、多分レミントン・ランドやその後継のスペリー・ランド、ユニバック、ユニシス、いずれも配列について正式なコメントはしていないはずです。
初期のタイプライターは配列が花盛りでしたし、レミントンの初期型もQWERTYの原型とはいえ、現在のようなキー配列とは厳密には違います(段ごとのずれがない)。
まあ、デファクトスタンダードの典型ですね
○上の「補足」欄は下記(『 』内)に訂正します。失礼しました。
『ご回答ありがとうございます。No.3さんの仰る通り、「多分レミントン・ランドやその後継の…、いずれも配列について正式なコメントはしていないはずです」が、彼らが死んだ今となっては一番妥当な考え方とは思います。けれど私としては、やはり「なぜ、彼(彼ら)がどのような考えからそういう配列にしたのか」について、推察・研究も含めて少しは自分的に納得したかったのです。』
○<初期のQWERTY配列の根拠をめぐる主な諸説について(一旦の個人的まとめ)>
私が知っていた下記A、Bに加えて、No.2さんの紹介ページの記述から、今回新たにCも1つの推論として成り立つことが、素人の私なりに分かりました。
A.「タイプライターの活字レバーの絡みつきを避けるような配置にした」説は広く流布されているが、どこにも根拠が見いだせない。
B.「当時のアメリカの印刷職工組合の活字工の使う活字棚の文字配列に準じた」説が今のところ最も信憑性が高いと言う専門家たちもいるが、いまだ根拠に乏しい。
C.下記等の基準で配列が考え出されたという推論も成り立つ(勿論、英語入力での話)。
1.打つ効率がよい配列を考える(指の使用率が偏らない、よく使うキーを打ちやすく、基本綴りを打ちやすいく等)
2.特に、小指(や薬指)への負担を軽減する配列にする ※当時はタイプライターの重いキーだった
3.なるべく覚えやすいように、アルファベット順も考慮した配列にする
Cは、もし自分が当時の開発者の立場だったら当然考える諸基準だと感じますので、個人的には非常に納得がいきますし、他で知り得なかった合理的な考え方でした(おかげで、ちょっと気持ちがすっきりしました)。
ご回答下さった皆さん(特にNo.2さん)、本当にありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
英単語の出現頻度の調査で高い方にある the,of,and あたりを考えてみると,確かに左右交互に指を動かしますが,ホームポジションから指が離れてしまいます.さらに in,you のように交互にならないものもあります.
このあたりから「よく連続打鍵される文字をあえて左右の離れた位置に配置した」というのは否定されるのではないかと…
この回答への補足
<質問文への補足>
・勿論、ウィキペディア(Wikipedia)の冒頭には『QWERTY配列がどのように成立したかについて、現時点での定説はない。』とありますが、(ボランティア等で編集されている)同オンライン百科事典が完璧なわけでもありませんし、他にQWERTY配列根拠らしいものが少しでも存在しないのかと思って、今回敢えて質問してみました(ただあまり期待もしていません)。
・質問文中の最後の「※英文字キー配列の由来についての疑問は既に解決済みです」は誤記です。正しくは「※かな文字キー配列の由来についての疑問は既に解決済みです」でした。
早速の書き込みありがとうございました。
確かに、実際そんな感じもしますね。
(それに、もともと「タイプライタ時代に、アームが絡みやすいキー同士をわざと離した」説には明確な根拠がないようですしね)
では一体、QWERTY配列の本当の由来は何なのでしょうね。
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