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「未必の故意」について、分かりやすく教えてください。
どうして、飲酒運転による交通事故死の加害者に「未必の故意」が適用されないのか、疑問に思っています。

A 回答 (6件)

No.4,5です。



正確に犯罪の成否を検討するのでしたら、
「故意が成立するかしないか(未必の故意でも確定的故意でも)」の前に
「その行為と結果がどんな犯罪を構成するか」をまず検討する必要があります。

たとえば、飲酒運転して他の車にぶつけて人を死なせたって場合に、
・飲酒運転(「酒を飲んで運転すること」で犯罪の構成要件該当。)
・危険運転致死傷罪(「危険な運転をすること」によって「結果として人を傷つけたり死なせたりする」と犯罪の構成要件該当)
・殺人(「人を死なせる行為によって人を死なせた」で犯罪の構成要件該当)
というように、まず行為がどんな犯罪になり得るかを考えた上で、
その行為に故意があるかどうかを検討するわけです。

で、それぞれ

・飲酒運転→飲酒して運転することに故意があれば成立(「結果」という概念がない。強いて言えば、運転した瞬間に結果も発生って感じ)
・危険運転致死傷罪→危険な運転をして人を死傷させれば成立だが、危険な運転に故意があればよく、人の死傷という結果には故意は不要
・殺人→行為だけでなく、人が死ぬという結果まで認容していて、初めて故意ありとされる

というように、少しずつ違いがあります。

なので、

>「未必の故意」はプロセスに対する故意ではなく、「結果に対する故意」がポイントなんですね。

これは「未必の故意」かどうかが問題なのではなく、元の犯罪の種類にによって変わる、が正解です。
「結果に対する故意が必要」といったのは、殺人罪や傷害罪を検討するなら、ということです。
危険運転致死傷罪や過失致死傷罪は結果(人の死傷)に対する故意がなくても成立します。
これは確定的故意でも未必の故意でも変わりません。
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この回答へのお礼

重ねてのご回答ありがとうございました。大変よく分かりました。やはり刑事裁判ですから、一つ一つを厳密に判断しなければなりませんよね。話はそれますが、素人の裁判員でここまでできるのか、大変疑問で危険に思いました。

お礼日時:2008/01/18 16:45

No.4です。

ちょっと修正します。

>あくまで行為の態様を客観的に分析して判断しますが、
>飲酒運転のケースではたいてい難しい、ということです。

→「飲酒運転による人身事故という結果」に対して故意を認定するのは難しい、ということです。
に訂正します。

No.2さんが引用されているサイトには、(たぶん危険運転致死傷罪を想定して)
「未必の故意に準ずる」と説明していますが、
「準ずる」という表現を使っていること自体、結果に対しては
未必の故意が認められないことを示しています。

なお、危険運転致死傷罪は危険な運転について故意犯としたものですが、
この場合は未必の故意の議論にはなりませんし
(危険な運転自体はたいてい確定的故意に基づいて行われるでしょう)
やはり結果(傷害、死亡)に対して故意を認めたものではありません。
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この回答へのお礼

重ねてのご回答ありがとうございました。「未必の故意」はプロセスに対する故意ではなく、「結果に対する故意」がポイントなんですね。それに対し、「危険運転致死傷罪」はプロセスに対する故意を対象としている、という理解でよろしいでしょうか?

お礼日時:2008/01/17 17:59

未必の故意と認識ある過失については既にある回答で十分と思いますので付け加えることはありませんが…



>「加害者の自白がない限り認定できない」というのには違和感を覚えました。

一般論を言えば、そんなことはないです。
そんなことを言ってしまったら、原則として犯罪は故意が必要である以上
「やるつもりはなかった」と言いさえすれば罪を逃れることができることになってしまいます。

実際、刑事裁判において
「やるつもりはなかった」「こんなことになるとは思っていなかった」ってのは
交通事故関係でなくても星の数ほどある言い訳でして、
裁判所もそんな言葉だけで判断したりはしません。
行為の状況、客観的な情報、前後の様子など総合的に勘案して故意の有無を認定します。

以上が一般論です。
ただし、

>「例え自白はなくとも、運転直前までアホほど酒を浴びるように飲んでいた事実が立証できたとしたら、
> 本人がどう供述しようと『未必の故意』は認定できるのではないだろうか?」

これは起こした結果に対する故意がどうか、という話ですよね?
だとすれば「飲んで運転すれば『必ず』人を怪我させる/死なせる」ような人が、
それをわかっていて飲酒運転した、くらいの事情じゃないと無理です。

浴びるほど飲んだとしても、事故を起こすつもりで飲む人はもちろん、
「事故が起こってもいいや」と思って飲む人はまずいませんから…
「自分は大丈夫。人を死なせない、怪我させない」と思っている以上、
人を怪我させたり死なせたりしたことに対しては故意は認められないのです。

間違えてはいけないのは、
被告人が「故意じゃない」と言えば故意を認めないのではない、ということです。
あくまで行為の態様を客観的に分析して判断しますが、
飲酒運転のケースではたいてい難しい、ということです。

だからこそ危険運転致死傷罪や自動車運転過失致死傷罪のような
新規立法で対応しなければならないわけです。
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>運転直前までアホほど酒を浴びるように飲んでいた事実が立証できたとしたら


そうなると、今度は「極度の酩酊状態により正常な判断が不可能な状態にあり、心神耗弱状態による無罪」が主張できてしまうのですよ。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。無罪ですか。うわあ~、そりゃ大変です。法律は難しいですね。

お礼日時:2008/01/17 17:56

>「未必の故意」について、分かりやすく教えてください。


http://www.court-law-office.gr.jp/mini-jiten/jit …
ここに書いてあります。それ以上でも、それ以下でもありません。

>「未必の故意」が適用されないのか、疑問に思っています。
No.1の回答のURLを読めば判る通り、加害者が「まさか、そんな事は起きないだろう、と思っていた」と言う主張を最後まで貫き通せば、裁判で「故意」「未必の故意」を認定するのは難しくなります。

要は「加害者が『事故るだろうと思っていた』などと自白しない限りは、故意や未必の故意を認定できない」のです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。参考URLでは、
>例えば、飲酒運転のトラックが乗用車に衝突し乗用車の運転手が死亡した事件では、トラックの運転手が飲酒して運転したことが「未必の故意」に準ずるとされたんじゃ。
・という記述もありました。場合によっては「未必の故意」が認定されることもあるんですね。
ただ、「加害者の自白がない限り認定できない」というのには違和感を覚えました。
実は、私の疑問の根本は、
「例え自白はなくとも、運転直前までアホほど酒を浴びるように飲んでいた事実が立証できたとしたら、本人がどう供述しようと『未必の故意』は認定できるのではないだろうか?」
というものです。

お礼日時:2008/01/17 15:06

ここを見た感じだと、認識ある過失と判断されたのではないかなと思います。


http://www.hou-nattoku.com/mame/yougo/yougo12.php
要するに、起きるだろうなあと思っているか、起きるかもしれないけどまあないでしょーと思っているかの違いみたいな感じ?でしょうか。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。「未必の故意」と「認識ある過失」があるんですね。加害者本人がどう思っていたかがポイントなんですね。ありがとうございました。

お礼日時:2008/01/17 14:53

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