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「中緯度高圧帯は、赤道から上昇した大気が高緯度へ向い、緯度20~30で下降してできる」

などという記述をよく目にします。それは正しいのでしょうが、
なぜ地球の大気循環は
「赤道からの大気が上昇し、極地方で下降、そして地上では極から赤道へ大気が向う」
というようなシンプルな循環が成立しなかったのでしょうか。
もしくは、現在の循環を引き起こす要素は何なのでしょうか?

A 回答 (1件)

地球が受け取る太陽熱は、ご存知の通り、赤道地帯で多く極地方では少なくなります。


この熱収支のアンバランスを解消するために、大気は低緯度の過剰な熱を高緯度へと
運ばなければなりません。


>なぜ地球の大気循環は
>「赤道からの大気が上昇し、極地方で下降、そして地上では極から赤道へ大気が向う」
>というようなシンプルな循環が成立しなかったのでしょうか。


ちょっと考えると、確かにそのような「単純明快な」大気の大循環が、
あってもよさそうなものですよね。
しかしながら、私たちの地球は24時間の周期で自転をしています。
つまり、回転することによる転向力(コリオリの力)を考慮する必要があります。

赤道付近で盛んに上昇する空気は、圏界面付近を高緯度へ向けて流れますが、
この転向力なるものが働くために右へ右へと曲げられ、やがては西風となり、
ある緯度(30度付近)以上には北上できなくなります。

ところが、赤道方面からは次々と後続部隊がやって来ますので、過剰に滞留した空気は
下降流となって吹き下りるしかなくなります。

このことはすなわち、南北、緯度30度付近に高圧部のできたことを意味します。
これが、中緯度に高圧帯の存在する理由と考えてよいでしょう。


>もしくは、現在の循環を引き起こす要素は何なのでしょうか?


基本的なものは、地球大気の南北間の温度差(半球規模)ですが、
熱容量の異なる海陸分布(モンスーンの原因)なども大気大循環の原動力となっています。
そして、地球規模で大気の運動を論ずる場合、
自転による転向力を無視することはできません。

以下は余談ですが、仮に次のように考えてみましょう。

対流圏の大気の流れは、低緯度のハドレー循環、中緯度の偏西風帯、高緯度の極循環
などが知られていますが、もしも我々の地球が48時間とか72時間の周期で一回転する
星だったとします…… つまり、今よりも自転速度がずっと遅いと仮定するのです。

このように自転が遅いと、見かけの力である転向力の影響も小さいので、
あの低緯度のハドレー循環が、もっと高緯度にまで及んでいることが十分に考えられます。
中緯度高圧帯も当然、極側に押し上げられる理屈ですね。

そうなれば、今とは違って、日本列島の上空を次々に高気圧、低気圧などが
通過することもなくなるのではないでしょうか?

そして、さらに自転速度が遅いとなれば…… 質問者様の言われるような大気の流れが
実現する可能性も、あながち否定はできないと思われます。
長文、失礼しました。
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この回答へのお礼

なるほどー!!

転向力は、高緯度ほど大きいですからね!
同様に、極で下降して低緯度に進む大気も、転向力の力を受けて(いるように)見え、東風となって上昇すると説明できますね。

自転が遅いと・・・偏西風がなくなるため、飛行時間も変わりますね。
海流も変わって、生態系も全然違うものになるんでしょうね・笑

わかりやすいご回答ありがとうございました!!

お礼日時:2008/01/29 18:02

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