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物性の授業に関連した実験中に
ホール電圧を測定しました。
ローレンツ力に関連があること、磁場に関係があること、
半導体のキャリア濃度と電荷量によって決まる定数と
流した電流、かけた磁場の積がホール電圧になることまで
わかりました。

ですがホール効果の測定がいったい何を意味するのかわかりません。
現実において、このホール効果はどのような事に利用されているのでしょうか?

実験レポとは関係なく僕の興味なので
どのようなことでもかまいません。
何かわかりやすい事例などありましたら教えてください

A 回答 (2件)

siegmund です.


kexe さん,Legendre 多項式の質問覚えていますよ.

ホール効果測定でわかることの最も重要で実用的なことは,
キャリアが正孔か電子かということです.
実験をやられたのでしたら,多分実験指導書に,
(1)   R_H = E_H /JH
でホール係数 R_H が定義され(J は電流密度,H は磁場,E_H はホール電場)
簡単なモデル計算では
(2)   R_H = 1/Nq
となることが書いてあるでしょう.
単位系の取り方によっては 1/Nqc になっているかも知れません.
N はキャリアの密度,q はキャリア1個の電荷,c は光速.
R_H の符号から q の正負,すなわちキャリアが正孔か電子かが判定できます.
また,q の絶対値は電荷素量 e ですから,N すなわちキャリア密度がわかります.
半導体では(2)に1程度の数係数がつきますので,
N の正確な見積もりは R_H からだけではなかなか難しいところがあります.

ホール効果を用いて,磁場を測定する装置があります.
ガリウムヒ素エピタキシャルホール素子がよく使われているようです.

なお,MOS(metal-oxiside semidonductor)の反転層などの2次元電子系では
ホール伝導度 σ_H = J/E_H が e^2/h (h はプランク定数)の整数倍に
量子化されるという現象(量子ホール)効果が知られています.
e^2/h は自然定数だけで書けていて,物質固有の量を含まないのが大事なところです.
量子ホール効果は 1980 年にクリツィングによって発見され,
彼は 1985 年のノーベル賞を受賞しました.
分数量子ホール効果というのもあります.

ホール効果の名前は,この現象の発見者の物理学者の名前
Edwin Herbert Hall(1855‐1938) から来ています.
今,気がついたんですが,E. H.Hall ねぇ~.
E は電場,H は磁場だから,発見者にまさにふさわしいイニシャルですね.

正孔は hole ですが,カタカナで書くとこれもホールになっちゃいます.
ときどき Hall と hole を混同する方がいるようです.
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この回答へのお礼

またまたお世話になってますね(笑)ありがとうございます。
ホール定数の話、キャリア濃度に関する話などは
レポートを書く時にホール効果について調べ書いたので
わかっていたつもりですが。数係数の話は初耳でした。

実際にはどのように使われているかについて磁場測定に用いられているのですね。
おもしろい使われ方してますね。
電流のながれている半導体に磁場をかけると
電圧が発生するという現象を違った視点からうまく使っているんですね。

お礼日時:2001/02/08 15:10

物性の実験を離れると、


回転数検出、位置検出、磁場のモニターなど
センサーとしていろいろ使われています。
ガリウムヒ素がHEMTや光素子以外で
使われている素子といえばホール素子!でしょう。

参考URL:http://www.asahi-kasei.co.jp/ake/ms/product.html
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この回答へのお礼

こんなに様々な例を上げてくださいってありがとうございます。
電流に磁場をかけたら電圧が生じたという現象だけでも
こんなに利用の範囲が広いんですね。

お礼日時:2001/02/08 15:14

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