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東北新幹線では、時速275→300→320と数年がかりで最高速度を
段階的に向上させ、北海道新幹線開通時には最大時速350kmまで
上げるとの発表があります。

さて、東海道・山陽新幹線では1999年の700系登場以来、8年ぶりに
新型車両N700系が登場しました。
しかし、N700系の最高速度は500系と同じ300km/hであり、速度向上は
無かったみたいでした。

東北新幹線は東海道・山陽よりも線路が直線的だから、速度向上を
実行しやすいというメリットがあると予測しておりますが、では、
東海道・山陽新幹線ではこのように最高速度をこれ以上向上させる事は
可能なんでしょうか?

A 回答 (3件)

こんばんは。


鉄道会社で運転士をしております。

>東海道・山陽新幹線ではこのように最高速度をこれ以上向上させる事は
可能なんでしょうか?

騒音、振動、安全性
・・・・これらを抜きにし、「試験で」という事でしたら可能です。

ただ、仮に速度を上げても、時間の短縮には繋がりにくいのです。

時速270キロ→時速300キロにしても、1時間あたりの差は30キロ。
しかし、時速270キロの新幹線でも1分で4キロ強も走るものです。
まして、これは机上の全くの計算上のものであり、
実際にはカーブや勾配に伴う速度低下や加速減速時間も必要です。

最高速度が抑えられている。
加速時間・減速時間。

上記の要因を踏まえると、仮に東海道新幹線で速度を上げても、時間短縮は5分も叶わないのです。
速度を上げるには、路盤の整備もさることながら、沿線への振動騒音対策の工事、部品の磨耗。
多額の費用が必要になってきます。
また、沿線では騒音振動から反対運動も起こるでしょうし、その補償も考えなければなりません。

モーターも定格回転数が無尽蔵ではありませんし・・・。

何故、速度を上げるのか
それは所要時間を短縮する為であり、速度向上せずに所要時間が短縮できるのであれば、その方法が最善になるのです。

現行、新幹線の起動加速度は1.6km/h/s。(300系)
加速度が上がれば、
○駅発車→トップスピードまでの到達時間が短縮でき、トップスピードで走る時間が長く取れる→結果時間短縮が出来る。
○カーブなどの制限で速度が落ちても、トップスピードに戻る時間が短くて済む。

所要時間の短縮そのものは可能ですが、速度を上げるより、
加減速度の向上や、ATCのパターン制御の向上によって駅進入速度を上げるなどの方法を講じた方が、現実的であり可能性も高いのです。

最も新しい新幹線、N700系が、
何故に速度制限の多くある東海道新幹線で、最高速度を270キロのままで所要時間短縮できたかというと、
○加減速度の向上。(700系は1.6km/h/s→N700系は2.6 km/h/s)
○カーブでも速度を落とさずに済むように、遠心力の働く方のエアサスに空気を多く入れカーブ内側に車体を傾けさせる事で、カーブ通過時に車体を安定させた。
・・・・から出来たことなのです。
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実際、JRも東海道新幹線で300km/hのシミュレーションをした結果


所要時間の短縮が1分程度でしかなく、それ以上向上しても所要時間は
ほとんど短縮できなかったと聞いています。

東海道区間では最高速度よりも「曲線区間の速度向上」の方が効果が高く、
N700系では強制車体傾斜を使って曲線部の速度向上を図り、所要時間を
短縮しています。

山陽新幹線では曲線部の問題より「トンネル通過時の衝撃波」の方が
問題で、現在の技術では、よほど小さな車体にしない限り、300km/h
程度が限界ではないかと思います。

あと、新幹線の場合、今改正でのぞみが「品川・新横浜停車」になった
ことでも分かるように、「数分の短縮より利便性の向上」を目指して
いるように思います。最高速度の向上は別に「鉄道経営上」は重要な
問題じゃないのです。
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東海道新幹線は兎も角、山陽新幹線は騒音問題がクリアされれば、技術的にスピードアップは可能です。



事実、500系はN350と言う開発名称で営業運転350Km/hを目指しましたが、結局、騒音問題で断念せざるを得ませんでした。
現状、300Km/h営業運転ができるのは、姫路以西です。

従って、現時点においてはスピードアップの計画はありません。
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