基礎医学研究者を目指す際の学部選択(医、理、農、工学部)
以前にも似たような質問をさせて頂きましたが少し考えが変わり、再度質問させてください。
進路を真剣に考えている新高3です。
高2までは医学部を志望しておりましたが、京都大学の理学部や農学部などにも興味が湧いてきました。
私は基礎医学研究者(大学研究員)になりたく、”医学部を目指した方が将来的に大学での上のポスト(教授など)がとりやすいんじゃないか”と考えていました。
それに医師免許がとれて研究の幅が広がるし、また、万が一の時には臨床医としてそれなりの給料で働けると考えていたからです。
ただ、私は臨床医になるために医学部を目指しているのではなく、とりわけ再生医療などの基礎研究がしたく医学を学ぼうとして目指しています。
しかし医学部では臨床医育成カリキュラムが目立ちますし、まして研究者を目指すのはお門違いのように感ぜられます。
医学には興味ありますが、あらゆる方面からでも医療分野にアプローチできだろうし、広い視野で自由度の高い理学部等に魅了を感じています。
どちらの選択にも一長一短があり、なかなか決断できなく悩んでいます。
読みにくい文章ですみません。いくらでも補足致しますので、何かアドバイスを頂ければ幸いです。
参考URLかなり役にたちますよ。
あと、質問者が就職なされるときはどうか知りませんが、就職”無理学部”ですよ。京大理学部。
理学部でて京都府立医科に入りなおした人の話を二人ほど知っています。
まず、現在、大学の研究職に就くためには次のようなステップを通ります。
1、大学院卒業(博士号取得)→ポスドク→助教→准教授→教授
2、大学院卒業(修士or博士)→企業でばりばり論文を書く→(助教)→准教授→教授
まず、1ですが、ここでなじみがないのは「ポスドク」だと思います。
これはポストドクターの略で職訳すると「ドクターの後」ってものです。
これは医師免許を持ってもいなくても同じです。
今は、ポスドクと助教は期限付きがほとんどで、だいたい2~5年です。
そこで、みんな論文を書いて業績を挙げていくという修行をします。
そして、次の期限なしのポストを虎視眈々と狙います。
この修行の時に論文を書けない、つまりは実験の結果がでないと次のポストはありません。
しかも、ポスドクと助教はだいたい35歳までが雇用期限で、それ以上年を取るともう雇ってもらえません。
ここで重要なのは、「論文を書く=実験で結果を出す」ということです。
そして、事実上、年齢制限があるということです。
そしてもう1つ、期限付きのポスドクや助教ですら、博士課程までの間にある程度論文がないとなれないということです。
ここで、問題なのは医学部では、こと実験についてはそこまで出来るようになれません。そういう意味では理学や農学部のほうがアドバンテージがあります。
4年生から博士課程までずっと実験をしているからです。それで、論文の数も稼げるからです。
医学部ははっきり言って6年して卒業しても実験スキルは0に近いです。
なぜなら、そもそも医学部は臨床医を育てる学部ですから。
博士課程4年間でどうにかする必要があります。
そこで考えてみてください。実験はやれば結果がでるとは限らないものなのです。1年たっても結果がでず論文にならないこともあり得ます。
そんなリスクの高い研究活動を、2足のわらじでやって大丈夫でしょうか?ライバルは必死でやってますよ。
そして、次の問題は年齢です。ポスドクや助教は35歳まで・・・
卒業は何歳になるでしょうか?
また、考えてみてください。ライバルは沢山います。
確かに、医学部の教授は医者で、臨床医もやっていた方もいらっしゃいます。しかし、今は時代が違います。
期限付きのポストがほとんど、かつ業績重視です。
また、今の実験はゲノムも明らかになってしまい、結果を得るのにかなり高度な結果を求められます。時間がかかるということです。
そういう意味で、みんな四苦八苦しています。
質問者様の夢を砕くつもりはありませんが、「大学研究員になりたい」ということだけでも、ひじょーーーーに大変であるということです。
さて、2ですが、大学のポストに就くには論文=業績を挙げることが大事と言いました。
しかし、企業では、論文をばりばり書くことは難しいです。
それだけでなく、大学でポスドクは研究だけに時間を費やしています。
それに企業で太刀打ちするのは、非常に特殊な人だけであると思われるので、2は期待薄です。
私も日々、16時間は研究室にいます。多いか少ないかはわかりませんが。厳しい世界です。
「再生医療というような基礎研究」と書かれていますが,まずこういう
ブームになっているような分野は実用段階に入るとあっという間に表舞台
から消えるものです。まだ高校生ということですが,余り若いうちから
細かいところまで考えすぎないほうがいいのではないかと思います。
「再生医療」を「基礎研究」と思われるくらい医療系の仕事に興味がある
のなら医学系に進んだほうがいいのではないかと思いますがどうでしょう。
主な理由を下に挙げてみました。
1.病気やヒトの体に関する基礎的かつ膨大な知識が得られる。
研究に厚みが出る。何をするかという取っ掛かりにも関係するきわめて
重要な点だが,あまり言及されていない理由でもあります。
他学部でこれらの知識を実習もなしに得ることはまず不可能だと思い
ます。
2.ヒトを研究材料とした実験は医師で無いとできない。
ちょっと思いついたので採血して予備実験ということが他学部ではでき
ません。採血辺りでさえ知り合いの医師に頼むか共同研究という形にな
るのが普通です。
3.農学部はまだしも理学部では国家資格を取ることは不可能。
これは厚労省の考え方なんでしょうが,理学部学生に対する扱いは
そういう点ではちょっとかわいそうな程です。
4.医学部は医師免許,薬学部は薬剤師・・・というような縛りを行なう
風潮が鮮明になりつつあるようです。これは文科省の考えもあるのか
も。世界的な業績を挙げた有名人なら大丈夫かもしれませんが,一般
的な教授としての業績くらいならハンデになる可能性があります。
ただし若いうちは臨床と研究の二足のわらじをはくため,他学部出身研究
者にどうしても業績面では遅れをとりがちです。それをカバーするために
診療が終わって夕方から研究を開始するような生活をするヒトも珍しく
ありません(朝は臨床があるので重役出勤なんてできません)。
参考になれば幸いです。
臨床医や基礎研究、両方こなせるほど両者の分野は甘くはありません。
臨床医を目指すのであれば医学部に行って医師免許を取って、臨床現場で働くしかありません。臨床医は若いうちは医局内を色々飛ばされて、30代後半くらいまでは修行の身です。
理学部や農学部という指名は、バイテク分野を指しているのだと思いますが、これもまた甘い世界ではありません。もともと、バイテク分野の人材は供給超過で、大学のポストにありつけるどころか、就職すら危ういです。まあ、京都大学の博士課程くらい出ていれば、どこかに道が開けるかとは思いますが、それが大学のポストであるという保証は何もありません。それに自分の所属研究室にそのままポストとして居続けることは、現在は極めて難しい状況です。やはり、博士の世界でも修行が求められる時代になりました。民間の会社の研究者、あるいは別の大学、研究所で見習い研究者をして成果を上げて初めて大学のポストにありつけるというのが、現状です。かつかつの状態で成果を出そうとしているのです。
どちらも両立してできるほど甘くはありません。研究なら研究に打ち込み、医者なら医者として現場で活動に専念するものだと思ってください。
ただし、医者の場合は、医学会でアカデミックに接していける余地を残しています。もちろん、バイテクとは無関係ではいられない世界でしょうからそういう分野と共同で連携を取りながら、研究ということもありえます。医学部に行って、課程を終わる頃になれば、研究にとどまるか、臨床医として羽ばたくかの選択肢があると思います。また、臨床医としてやって、ある程度経験を積んで、その経験を元に博士論文を書き、再び大学のポストを探ってみるというのも手です。それは随分先の話になるので、今は特にいいでしょう。
よって、私は医学部進学のほうがあなたの希望を総合的に見てかなえやすいと思います。
理学部や薬学部から医学部の大学院に進み、基礎医学(生物)を専攻することも可能です。
先々を考えているのでしたら、「理学部」というようなぼんやりしたイメージのままよりも「●●教授の研究室から、医学の大学院への進学実績があるようだ」といった具体的な情報を掴むのがよろしいと思います。
研究室間で交流がある場合が多々あります。だいたい、院生として送り込む先は決まっている場合もあります。教授間で仲がよい悪いとか、学閥とか、自分の思うようにはならないケースもあります。
新高三でしたら、まだ時間があります。
一度、大学に訪問をされてはいかがでしょうか。電話やメールで相談するのもよいです。
直接問い合わせてくるような熱心な学生を、大学は歓迎するものです。
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