No.2ベストアンサー
- 回答日時:
続きの質問に回答しますが、私は重力の研究を離れて何年かたっていますし、十分習熟してない点もあり、今から調べる時間もないため、参考程度に受け取ってもらうのもいいかと思います。
(質問1)重力場については、そもそも時間と空間を普遍的な意味で分離できないので、特別な処置を施した上で理論を構成しようという試みは古くからされています。すなわち(1+3)分解、もしくはADM分解といった テンソル成分を時間と空間成分に射影して分けて理論を構成してみる、というやり方です。
形式上は作ることができても、その理論が通常の平坦時空(重力がないミンコフスキー空間)で、よく定義される他の素粒子場についてOKされた、いろいろな基準をパスできないというのが、量子重力の問題点です。たとえば、ユニタリー性の保持や、エネルギーが正定値性、有限性などを確かめられなくなる、という事も起きます。いろいろ代案は今でも考えられていますが、最新の理論構成のやり方には通じてないので、コメント差し控えます。
(質問2)質問の意味がよくわからないのですが、本当に意味のある成分は何か?という意味と受け取りますと、次のようになります。
重力場は電磁場同様、ゲージ理論ですから、ゲージ対称性により意味のない成分は取り除いた上で、理論の量子化等を考えます。その意味では、結論から言うと、古典的にはスピン2で質量ゼロの場の理論と理解できるので、意味のある自由度は2つだけと絞り込むことができます。
こういった意味のない自由度を固定して、いろいろ考えるやり方は、たとえば拘束条件の下での量子化として有名ですので、詳細はその方面の専門書等ご覧ください。具体的にテンソル10成分のうち、どれを選ぶかは、たしかh11とh22の線形結合だった気もしますが、調べてみてください。量子論といわなくとも、重力波の解説でも出てくる話です。そこで、さらに場の量子化を摂動的に行おうとすると、紫外発散の問題など起きて手に負えなくなります。
(質問3)
これに関しては、私も 今 勉強しながら考えました。そもそもスピンに掛っている共変微分の意味と定義が何なのかを考える必要があります。
スピンそのものは平坦時空を前提としたローレンツ変換のもとでの表現(対称性を反映した場)です。微分を共変微分に書き換えているのは、局所的なローレンツ変換に対する対称性を明確にするためのに、そう書いているのでしょう。つまり、一般相対論では、『曲った(重力のある)時空においても、一般座標変換(自由落下に対応する)により、その観測者だけにとっては重力のない座標系(局所慣性系)をとることはでき、その座標系では物理法則は、ミンコフスキー時空と基本的には同等に考えることができる』という等価原理がありますので、重力場中のディラック方程式も、そのような局所的なローレンツ変換に対しても共変な形になるように(重力のある場合にも通用するように)書き換えておく必要があるわけです。
すなわち、そのような重力場中のスピノルを記述するのに便利なやり方として、計量を平坦な接空間に射影するための四脚場を導入して書き換えることと、さらに、その平坦空間上でのローレンツ変換に対する共変性を保証するためのスピン接続という物理量を新たに導入することが、一般に行われています。(スピン接続は、曲った時空での共変性を保証するためのクリストッフェル接続と同様の概念です。)
「スピンに作用する共変微分として、スピン接続を導入することで、局所的なローレンツ変換と一般座標変換に対する共変性の両方が満たされる形式に書くことができる」ようです。スピノルの前に掛っている共変微分はそのようにして定義(構成)された微分であると理解すべきのようです。(はずかしながら、私はいまだ自分でこのことを計算して確認していませんが、専門書にはそう書いてます。)
一般座標変換に対するスピンの共変性は、スピン接続の存在によって実現されていることなので、(通常のスピンはあくまでミンコフスキー空間のスピノルで、一般座標変換の表現ではないです)すすんだ内容の一般相対論で出てくるスピンも、あくまで局所平坦座標系で見たときに、ちゃんとスピンの性質を保持しているように、法則の形を書き換えているだけ、と理解すべきかと。
ちょっとややこしいですね、。。。
なので私のできうる回答としては、ご指摘の方程式は共変微分がそのように定義されているなら、たしかに一般座標変換に対しても不変(共変)である、となります。
たとえば少し専門的な解説として
http://www2.kobe-u.ac.jp/~066s154s/files/jc05/oh …
を参考にしてみてください
この回答への補足
お返事有り難う御座います。
すいません。下記について教えて下さい。
(質問1)ですが、量子力学の式ならば、どんな場合でも、∂ψ_j = Hψ_j
と表されるのでは無いでしょうか?Hがどのような式になるかは?
難しいとは思いますが、如何でしょうか?
(質問2)
>質問の意味がよくわからないのですが、本当に意味のある成分は何か?
>という意味と受け取りますと、次のようになります。
そういう意味ではございません。一般相対論の計量は、
s^2=g_11 x1・x1+ g_22 x2・x2+ g_33 x3・x3+ g_44 x4・x4+ g_12 x1・x2+ g_13 x1・x3+ g_14 x1・x4+ g_23 x2・x3+ g_24 x2・x4+ g_34 x3・x4
となります。
もしi ∂ψ_j = Hψ_jと表されるのでしたら、
あまり時空が曲がっていないときには、ψ_1~ψ_4(g_11~g_44)だけが値を持ち、ψ_5~ψ_10(g_12~g_34)はほとんど“0”になると思われます。時空が大きく曲がっているときに、ψ_5~ψ_10は“0”以外の値を持つと思ったのです。
(質問3)
なんとなくわかりました。
すいません。とんちんかんな点をご指摘頂きましたら幸いです。
すいません。よく考えますと、質問は間違っていることに気がつきました。
下記の通り訂正しますので、よろしくご教示願います。
下記HPが正しいとしますと
一般座標変換に不変なエネルギー・運動量の関係は
g_ij p^ip^j =m^2 c^2
となり両辺に波動関数をかけると
g_ij p^ip^j ψ=m^2 c^2 ψ
となります。全部書き出すと
(g_00p^0 p^0+ g_11p^1p^1+g_22p^2 p^2+ g_33p^3p^3+g_01p^0p^1
+ g_02p^0p^2+g_03p^0p^3+ g_12p^1p^2+g_13p^1p^3+g_23p^2p^3)ψ
=m ψ 式(1)
となります。
また一般座標変換に不変なディラック方程式は
g_ijγ^i p^j ψ =m ψ
となるとしますと、全部書き出すと
(g_00γ^0 p^0+ g_11γ^1p^1+g_22γ^2 p^2+ g_33γ^3p^3+g_01γ^0p^1
+ g_02γ^0p^2+g_03γ^0p^3+ g_12γ^1p^2+g_13γ^1p^3+g_23γ^2p^3)ψ
=m ψ 式(2)
となります。
式(1)または式(2)は、特に一般座標変換に不変でない場合
(g_00p^0 p^0+ g_11p^1p^1+g_22p^2 p^2+ g_33p^3p^3)ψ
=m ψ 式(3)
(g_00γ^0 p^0+ g_11γ^1p^1+g_22γ^2 p^2+ g_33γ^3p^3)ψ
=m ψ 式(4)
となりますが、式(1)または式(2)と、式(3)または式(4)の違いは
時空が曲がっていないときには、式(3)または式(4)になり、
時空が曲がっているときに、式(1)または式(2)になるはずですが、
具体的にどの物理量(例えばスピン)をどのように調べれば、時空が
曲がっていないときと異なる結果が得られるのでしょうか?
HP
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/t2366/%91%E6%82W%8 …
No.3
- 回答日時:
もう少し ご自分でも考えて頂いて 質問してもらった方が お互い時間を価値的に
(質問1)量子力学の式なので、ハミルトニアンを定義してそのように書きたいのですが、H自体が(物理的なエネルギーと解釈したいのに)正かどうか、確定できないなどの、難しい問題がある、ということです。
詳細は、別の専門書など参照してください。
(質問2)
たしかに非対角成分を平坦時空からのずれとして解釈することができます。
今、読んでおられる本にもそう書いているはずですが、平坦時空からのずれが小さい時、重力方程式を線形近似して調べた場合、これは質量のないスピン2(もっと正確にはヘリシティー2)の場の理論であるという結果になります。
この場合の、場の理論のたとえばスピンの大きさをどうやって調べるかは、私も思い出している時間がないので、ご自分で調べてみてください。スピンオペレータを作用させたら、その固有値として出てくるものだったとも記憶していますが。
また、平坦時空から大きくずれた場合、摂動的な場の理論のアナロジーは通用せず、古典的な解として解釈するので、スピンとか、ふつうは考えないと思います。
私も時間があまりないので、協力できないですが、これだけいろいろ独学するガッツがあるなら、他の参考書を当たったり、自分で考えて何とかなりますよ! がんばってください。
お返事有り難う御座います。
>もう少し ご自分でも考えて頂いて 質問してもらった方が お互い時間を価値的に
すいません。波動関数について、ずーと勘違いしておりました。しかしここで
勘違いに気がついたことも収穫でした。
>(質問1)量子力学の式なので、ハミルトニアンを定義してそのように書きたいのですが、H自体が(物理的なエネルギーと解釈したいのに)正かどうか、確定できないなどの、難しい問題がある、ということです。
重力の量子論の難しい状況が少しわかりました。
>(質問2)
> また、平坦時空から大きくずれた場合、摂動的な場の理論のアナロジーは通用せず、古典的な解として解釈するので、スピンとか、ふつうは考えないと思います。
この問題が大変難しい問題であることがわかりました。疑問を持ったのですが、
この問題にはあまり触れないようにします。
>私も時間があまりないので、協力できないですが、これだけいろいろ独学するガッツがあるなら、他の参考書を当たったり、自分で考えて何とかなりますよ! がんばってください。
有り難う御座います。がんばります。
No.1
- 回答日時:
重力場単独では その問題は起きません。
また、基本的に4次元重力自体の量子論は完成されていないです。古典的に重力場が存在する状況で、フェルミオンの量子効果を計算したら 対称性を反映しない異常項が現れた、という話だと思います。
参考URL:http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~sg/award_s/sg- …
この回答への補足
>重力場単独では その問題は起きません。また、基本的に4次元重力自体の量子論は完成されていないです。
>古典的に重力場が存在する状況で、フェルミオンの量子効果を計算したら 対称性を反映しない異常項が現れた、という話だと思います。
わかりました。お返事ありがとうございます。
更に下記につきましてご教示願います。
質問1
重力場の量子論のハミルトニアンをHとしますと、方程式は、簡単に
i ∂ψ_j = Hψ_j
と表されるのでしょうか?
質問2
もしi ∂ψ_j = Hψ_jと表されるのでしたら、
あまり時空が曲がっていないときには、ψ_1~ψ_4だけが値を持ち、ψ_5~ψ_10はほとんど“0”になると思われます。時空が大きく曲がっているときに、ψ_5~ψ_10は“0”以外の値を持ちますが、具体的にどの物理量(例えばスピン)をどのように調べれば、時空があまり曲がっていないときと異なる結果が得られるのでしょうか?
質問3
一般座標変換に不変なエネルギー・運動量の関係式は
g_ij p^i p^j =m^2 c^2
と表されます。自由場のディラック方程式は、
γ^i p_i ψ =m ψ
なので、
g_ij γ^i p^j ψ =m ψ
は、一般座標変換に不変なディラック方程式なのでしょうか?
下記HP参照願います。
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/t2366/%91%E6%82W%8 …
すいません。よく考えますと、質問は間違っていることに気がつきました。
下記の通り訂正しますので、よろしくご教示願います。
下記HPが正しいとしますと
一般座標変換に不変なエネルギー・運動量の関係は
g_ij p^ip^j =m^2 c^2
となり両辺に波動関数をかけると
g_ij p^ip^j ψ=m^2 c^2 ψ
となります。全部書き出すと
(g_00p^0 p^0+ g_11p^1p^1+g_22p^2 p^2+ g_33p^3p^3+g_01p^0p^1
+ g_02p^0p^2+g_03p^0p^3+ g_12p^1p^2+g_13p^1p^3+g_23p^2p^3)ψ
=m ψ 式(1)
となります。
また一般座標変換に不変なディラック方程式は
g_ijγ^i p^j ψ =m ψ
となるとしますと、全部書き出すと
(g_00γ^0 p^0+ g_11γ^1p^1+g_22γ^2 p^2+ g_33γ^3p^3+g_01γ^0p^1
+ g_02γ^0p^2+g_03γ^0p^3+ g_12γ^1p^2+g_13γ^1p^3+g_23γ^2p^3)ψ
=m ψ 式(2)
となります。
式(1)または式(2)は、特に一般座標変換に不変でない場合
(g_00p^0 p^0+ g_11p^1p^1+g_22p^2 p^2+ g_33p^3p^3)ψ
=m ψ 式(3)
(g_00γ^0 p^0+ g_11γ^1p^1+g_22γ^2 p^2+ g_33γ^3p^3)ψ
=m ψ 式(4)
となりますが、式(1)または式(2)と、式(3)または式(4)の違いは
時空が曲がっていないときには、式(3)または式(4)になり、
時空が曲がっているときに、式(1)または式(2)になるはずですが、
具体的にどの物理量(例えばスピン)をどのように調べれば、時空が
曲がっていないときと異なる結果が得られるのでしょうか?
HP
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/t2366/%91%E6%82W%8 …
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