No.5ベストアンサー
- 回答日時:
teru-araiです。
モレキュラークローニングの方法でしたか。それなら、コンタミしているRNAが原因
じゃないですかね。
>吸光度にたくさんのRNaseが反映されていたんですね。
わかりにくい書き方をしてしまいすみませんでしたが、260nmの吸光度が高くなるのは
主としてRNAのためです。RNaseによってRNAが分解してモノヌクレオチドやオリゴ
ヌクレオチドになっても吸光度が減るわけでは有りません。エタ沈等で短くなったRNA
を取り除く操作をしないと吸光度は減りません。分解されたRNAを取り除くだけなら、
フェノール抽出無しで、いきなりエタ沈でも大丈夫です。
加えたRNaseも吸光度に多少反映されるでしょうが、この段階での吸光度の大半はRNA
そのものだと思います。
RNaseは失活しにくい酵素です。我々は(たぶん大半の人は)RNAも扱うので、RNaseの
コンタミを防ぐために苦労しています。プラスミド抽出液にRNase入れっぱしではコン
タミ源がどんどん増えるので、それは無いだろうと思うしだいです。吸光度と直接関係な
い話をつい書いてしまい、わかりにくくしてすみませんでした。
>タンパク質のコンタミについてのスペクトルとありますが、これは280nmの数値をチェ
ックするということですか?
スペクトルは300nmあたりから200nmぐらいまでとります。数値だけなら、230nm、
260nm、280nmを読みます。タンパク質の吸光度はは230のほうが280よりおおざっぱ
で10倍くらい大きくなりますので、230の方がタンパク質のコンタミを感度良く検出で
きます。ただし、この領域は妨害物質も増えます。280は感度が鈍い(多少コンタミしてても
わからない)ですが安定性は高いです。
teru-arai様
ありがとうございます!
よくよく考えれば、RNAaseを入れっぱなしなので吸光度が上がってしまうのは当たり前。なのに今まで深く考えずにやっていました…。
確かに、コンタミのことを考えてもRNAse入れっぱなしは良くないですね。
これからは、必ずRNAse後にエタ沈を入れるようにします。
あと、タンパク質って230nmも吸光するんですね!
今までやったことないですが、230nmの数値もチェックしてみようと思います。
いろいろとても勉強になりました。ありがとうございました!
No.4
- 回答日時:
私は市販のミニプレップキットでやっていますので、そこまで電気泳動と吸光度の差は感じません。
もし、キットをお使いでなければ、タンパク質は除かれているようなので、他の方がおっしゃるように、他の核酸(RNAやゲノム)が含まれている可能性があります。
ちなみに私が電気泳動で定量っぽいことをする場合、質問者様とちょっと違うやり方をします。
質問者様は結構な時間電気泳動して、細かくマーカーのそれぞれのバンドのDNA量を計算して出して、プラスミドの量を見ていらっしゃるようです。
私は、マーカーを適当な濃度、例えば、0.01、0.1、1μgとサンプルを同時に泳動して、DNAがゲルに入った直後(と思った時)に(5~10分後くらい?)で観察します。このとき、マーカーはまだバンドが分離していなくて、1つのバンドです。その光かたとサンプルの光りかたを比べるのです。もし、電気泳動の色素があって見づらかったら、抜いたものを作製して使います。
別に質問者様の方法と比べて、格段に良いということではありませんが、もし、別の核酸が含まれている場合、この方法だと少なくとも最初のうちはサンプルが吸光度ではかった通りの量かもしれません。
プラスミドに混入した核酸が存在しているならば、この方法だとまだ分離していない状態で分離すると見えなくなるものをも観察することになるので。
ま、どうでもいいですけど、参考まで。
ご回答ありがとうございます!
今回はキットではなく手作業でのミニプレップなので他の核酸の可能性が高いと思います。
otx様の電気泳動での定量、初めて知りました~。
時間がかからなくていいですね!!
今度やってみます!
No.3
- 回答日時:
ここ10年くらい市販のキットばかり使っていますけど、昔はせっせとやってました。
アルカリSDSのミニプレップと言ってもいくつも変法がありますが、私がやってた方
法だと吸光度と電気泳動した時のDNA量はまあそんなもだろうという感じでした。
細かい方法が書いてないのでしかとはわかりかねますが、吸光度と見た目のプラスミ
ド量が違うのはコンタミのせいだと思います。主としてコンタミしてくるものは
1) 大腸菌のゲノムDNA、2)RNA、3)タンパク質の3つです。質問者さんのやり方
がわからないので、モレキュラークローニング(Sambrook&Russell, 第3版)のプロトコ
ールと同じとします。
まず、ゲノムDNAはsolution 1, 2, 3を加えた時の処理が丁寧じゃないとどんどんコンタ
ミしてきます。大量にゲノムDNAがコンタミすると電気泳動で見えるようになります。
コンタミしたゲノムDNAは超遠心する以外除きようがないので、solution 1, 2, 3での処
理は要注意です。
この本の通りに調整したプラスミドだとすると、RNAがまるで除けていませんので、260nm
の吸光度は恐ろしく高くなります(このプロトコールを私は推奨しません。RNaseAいれっぱ
なし!)。もしこのプロトコールでおやりでしたら、吸光度とプラスミド量が違うのは至極当
然です。タンパク質のコンタミについてはスペクトルをとればすぐわかります (もちろんスペ
クトルは毎回調べてますよね?)。
昔私はRNaseAを加え37度インキュベート後、フェノール処理、エタ沈とやってました。
こうすればRNAやタンパク質のほとんど入らないきれいなプラスミドがとれます。吸光度
と電気泳動したときのプラスミド量がだいぶ違うなと言うこともまずありません。
市販のキットを使えばすごい短時間できれいなプラスミドがとれます(ただし、ゲノムD
NA のコンタミは本人次第)から、今後何度もプラスミド調整をもやるなら、おすすめです。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます!
teru-arai様のご意見を頂いてハッとしました…。
まさにRNase入れっぱなしでした。
吸光度にたくさんのRNaseが反映されていたんですね。
RNase後にフェノール処理、エタ沈をしてから吸光度を測定してみます。
タンパク質のコンタミについてのスペクトルとありますが、これは280nmの数値をチェックするということですか?(知識不足ですみません)
No.2
- 回答日時:
アルカリミニプレップで調製したDNA溶液の吸光度は、
DNA濃度を反映しません。
ご経験になられたように、吸光度の方が高値を示します。
理由はよく知りませんが、短鎖のDNA、ヌクレオチド、
タンパク質、その他のコンタミが除かれないためだと
思います。
キアーゲン等のカラムやCs密度勾配遠心で精製した場合
には吸光度とDNA濃度は一致します。
早速のご回答ありがとうございました!
ということは、アルカリミニプレップ後は吸光度を測定しても無意味ということですね。
精製にはやはりカラム等を使用しようと思います。
No.1
- 回答日時:
DNA定量時の純度はどのくらいだったのでしょうか?
電気泳動でバンドの濃さを見たとありますが、プラスミドと何と比較されたのでしょうか?どのように比較されたのでしょうか?
この回答への補足
早速のご回答ありがとうございます!
DNA定量時の純度というのはAbs260nm/Abs280nmのことでよろしいでしょうか?
それでしたら平均して2.03を示していました。
電気泳動でのバンドの濃さの確認は、DNAマーカー(λDNAをHindIIIでカットしたもの)を500ng分一緒に電気泳動しています。
λDNAの塩基数:バンドそれぞれの塩基数 = 全体量(500ng):バンド(Xng)を計算しておきます。
それでマーカーのバンドの濃さと比較してサンプルの量を得るというものです。
見た目での確認ですので正確さはありませんが、目安にはなると思います。
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