私は高校3年生で、独学で有機化学を勉強しているものです。
SN2反応における脱離基と求核試薬についての質問です。
まず、求核剤の強さとは電気陰性度の減少する方向(電子を相手に渡しやすい)に強くなる、つまりハロゲン化イオンであるなら、I->Br->Cl->F-の順になることは理解できます。
一方、脱離基としての優劣はその対応する酸が強酸であるかどうかということなので(以下にHXがH+とX-になりやすいか)、これもI->Br->Cl->>F-となることは理解できます。
私が疑問に思ったのはここからです。たとえばCH3BrにI-が求核攻撃を行い、I…CH3…Brという遷移状態になります。参考書ではここではBrが抜けていますが、Brが抜けると先ほどの脱離基としての優劣に逆らってしまうのではないでしょうか?
そもそも、I-は「強い求核性を持ち、優れた脱離基」でというところに強い矛盾を感じます。
ネットで探しても「溶媒で変わる」とありますが、溶媒でどう変わるのかも分かりません。
どなたか私にも分かりやすいようにご説明をお願いします。
よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
『I-は「強い求核性を持ち、優れた脱離基」で』というところは次のように理解して下さい。
CH3Brは強い求核性をもつI-と反応する。生じたCH3IはIが優れた脱離基であるために、CH3Brよりも反応性が高い。
しかしながらその反応の相手となるのは、Br-ではなく、求核性の大きいI-であるので、生じるのはCH3Iであり、結果的に正味の変化はない。もちろん、反応の前後で別のヨウ素原子がCH3にくっついている。
同様にして、その時点で反応していないCH3Brも最終的にはCH3Iになる。
・・・ということで矛盾しませんよね?
溶媒云々は下記のとおりです。NaIはアセトンに溶けるがNaBrは溶けない。
したがって、CH3BrなどにNaIのアセトン溶液を加えれば、CH3Iが生じ、NaBrの沈殿が生じる。沈殿というのは、反応系外に存在すると考えるので、反応溶液の化学平衡は沈殿の生じる方向に一方的に移動する。したがって、CH3BrとCH3Iのどちらが生じるかということを心配しなくて済むのでわかりやすいということです。
しかしながら、わかりやすいかどうかに関わりなく、前半で述べたようにCH3Iが優先的に生じますので、アセトンを使うメリットというのは、反応の進行が視覚的にわかりやすいとか、ろ過することによって容易にNaBrを除けると言ったような、操作上の利点ということになると思います。それが拡大解釈されたということもあるでしょう。
なるほど、生じたCH3IはBr-ではなくI-によって攻撃を受けるわけですね!
納得しました。
また、溶媒についての議論は単純に操作上の利点だったわけですね!
とてもわかりやすい説明、ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
難しい問題でお悩みですね。
博士課程前期の学生さんでも十分説明できません。>求核剤の強さとは電気陰性度の減少する方向(電子を相手に渡しやすい)に強くなる…
これも「必ずしも正しくない」のです。
>脱離基としての優劣はその対応する酸が強酸であるかどうかということなので…
こっちの方はかなり信頼できます。
1.解離する結合と生ずる結合の「結合強度」の問題。
例えばC-F結合は容易には切れません。
2.soft-hard acid and base の問題。
ヨウ素はソフトでフッ素は非常にハード、原子/イオンの大きさと荷電の関係で「分極」が起き易いか否か決まります。
溶媒もソフト/ハードがあり、対イオンもソフト/ハードがあります。
ソフト/ハードの問題は難しいですが知っていると非常に役立つので、調べてみて下さい。
回答ありがとうございます!
HSAB理論のことですね!参考書でチラっと見た気がしますので、
もう少し復習してみようと思います。
ありがとうございました。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 化学 アルキン合成における立体性に関する質問 1 2023/01/27 21:59
- 化学 化学:塩素の製法について 5 2022/12/27 10:31
- 化学 『化学とは』 5 2022/11/01 06:45
- 化学 下記の界面活性剤で、どうして親水基は水に馴染むのでしょうか? 2 2022/11/28 18:10
- 睡眠障害・不眠症・過眠症 ブロチゾラムとサイレースをMAX飲んでいました。 サイレースは辞められました。 ちなみに前、ラボナを 2 2023/03/28 17:55
- HTML・CSS HTMLソースの質問 3 2022/07/28 13:29
- 化学 アンモニア水の緩衝溶液に酸(塩酸)を添加する場合 化学 3 2022/07/13 11:13
- 地球科学 地球内核最中心部における核融合反応の可能性について質問です。 現在地球内核の熱源は地球始原時のエネル 2 2022/05/08 15:57
- 飲み会・パーティー 女子大生のアルコール離れは本当に起きていると思いますか? 1 2022/05/02 14:45
- 物理学 バネの弾性力について 3 2023/02/21 20:16
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
教えてグーは質問によってです...
-
酢酸エチルの活性化エネルギー...
-
インスタのストーリーでよくあ...
-
実験のレポートで収率を書くとき…
-
バーフォード反応について
-
オゾンの半反応式の作り方
-
好きな女性と職場で偶然手が触...
-
過マンガン酸カリウムとシクロ...
-
ラジカル重合において、高分子...
-
塩化ブチル実験の収率について
-
有機合成(n-ブチルアルコール...
-
CuS+HNO3=??
-
Pb、Hg、Agの熱湯における溶解
-
今まで、いちいちビクビク反応...
-
HF(フッ酸)に反応しない金...
-
酢酸エチルの収率について。
-
安息香酸の収率が100パーセント...
-
話しかけてないのに反応する人...
-
苛性ソーダはなぜ97%換算で数...
-
ステンレスのHF腐食のメカニズム
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
インスタのストーリーでよくあ...
-
マインクラフトの操作ができない。
-
好きな女性と職場で偶然手が触...
-
「また誘ってもいいですか」は本...
-
今まで、いちいちビクビク反応...
-
話しかけてないのに反応する人...
-
驚いたとき大声を上げるのをや...
-
SBS(重亜硫酸ソーダ)と次...
-
dry fan 24についてです 22が点...
-
毛を剃った事のある看護婦の方...
-
仲良い男子にわざわざ「別にお...
-
苛性ソーダはなぜ97%換算で数...
-
ステンレスのHF腐食のメカニズム
-
反応しないですか?
-
CuS+HNO3=??
-
化学基礎の中和反応について 硫...
-
知り合いからたまにラインがく...
-
HF(フッ酸)に反応しない金...
-
濃硝酸
-
妻のスカートを
おすすめ情報