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盆迎えにうどんを食べる慣わしがあります。
どうしてうどんなのか判りませんか。
葬式の精進料理に関係あるのでしょうか

A 回答 (1件)

盆は儀式、風習が仏教化していますが、その根底には日本古来の収穫に伴う先祖祭り(収穫祭)が深く関わるといわれます。



まず日本人にとっての神(カミ)は先祖ですが、それは子孫に繁栄や豊穣などの幸いをもたらす和んだ面と、災害や疫病などの災いをもららす荒ぶる面を持ちます。そこで定期的な祭りを行い、幸いを求め災いを鎮めます。

さて、「盆と正月がいっしょに来たようだ」という俗諺がありますが、この二行事は密接なつながりがあり、共に先祖を家に向かえる収穫祭であり、正月は餅に表される「米の収穫祭」、盆はうどんや素麺、瓜に表される「麦・野菜の収穫祭」です。
そして季節も関係するのでしょう。正月は平穏な季候の春なので先祖に幸いを求める祭り。対して盆は、台風・干ばつそして疫病がはやりやすい時期でもあるため、災いを鎮めるための先祖祭りですが変化したものです。

日本に仏教が伝わったとき、日本人は仏教に対して解脱とか個人の救済ではなく、「仏の力は罪を滅ぼす力がある」「その滅罪の功徳によって荒ぶる御霊を鎮めることができる」という滅罪と鎮魂を期待し受け入れました。御霊が荒ぶるのは、故人の生前の罪のよって、あるいは生きている者が罪を犯したために、御霊が怒っていると考えたからこそ滅罪が重要視されたのです。
そのような理由もあって、麦や野菜の収穫祭として行っていた、夏の先祖祭りが「鎮魂」をキーワードに仏教化していき、またそこに仏教的意義付けがなされて、現在ある「盆」という仏教行事が築かれていきます。

現在は正月が先祖祭りであるという意識がほとんどありませんが、『徒然草』にも“東国では正月に先祖を祭る”と兼好法師が興味深く書いているように、その時代からでも既に都では正月が先祖祭りだという意識が薄れていた証拠です。
これは正月の先祖が鎮魂を必要としない先祖であるためでしょう。対して、外来思想である仏教と融合した盆の方が、日本古来の信仰観・祖霊観を残しているというのも面白いことです。

長くなりましたが、正月に餅を、盆にうどんや素麺などの麦で作ったもの、またキュウリやナス、マクワウリなどの瓜を食べるのは、そのような日本古来の収穫祭に由来するものとされます。
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この回答へのお礼

yuhkohさま
詳しいご回答を頂きありがとうございました。
収穫祭は判りやすいですね。そういえば、この時期は麦の収穫が終わる時期と重なります。正月の米に対して麦は理にかなっています。
盆や正月の起源なども大いに参考にさせていただきます。

お礼日時:2008/06/19 12:20

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