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 漢字の“竜・龍”に関して幾つかお教えいただきたいのですが、どうかよろしくお願い申しあげます。

 1. “龍”は旧字(体)ということで、旧字(体)というのは新字(体)の対義語で、1949年(昭和24)内閣告示の「当用漢字字体表」に入っていない字とのことだそうです。
 http://wpedia.search.goo.ne.jp/search/14121/ε/detail.htmlによりますと、“竜”の方が古いのだということになっています。
 そうであるならば、“竜”という字の方が典拠もしっかりしており、本来は正規の字なのだ、ということになるのでしょうか?

 2. “那珂龍樹または、那伽龍樹”の表記では“龍”の方がより一般的でしょうか?

 3. 聖獣としての“龍”はインド(インドの伝説や物語)いなく、インドにおける、水神的なものや、生命性象徴の蛇を中国に引き当て、“龍”としたという解説を読んだ記憶がありますが、中国にも蛇はおります。
 “聖獣”たる“龍”には中国での蛇とは異なる、インドでの蛇の象徴する水神的なものや、生命性象徴のようなものを具有しているのでしょうか。中国ではそれは“蛇”で済ますことができないのでしょうか?

A 回答 (4件)

補足&お礼を拝見しました。



“那珂龍樹または、那伽龍樹”は、確かにナーガールジュナの音訳であり、「龍樹」には、いわゆる想像上の動物(?)である「龍」の意味はありません。

ただ、手許の『仏教辞典』を見ますと、「ナーガ」(那伽と書く場合が多い)の訳として、
1.龍。2.象。大力なるを喩へたるもの。
とあります。また「龍樹」の項にはナーガールジュナの意訳として「龍猛・龍勝」とあり、「ナーガ」の部分を「龍」と訳し、「アルジュナ」の部分を「猛」「勝」と訳しているようです。

中国や日本で考えられている仏教用語としての「那伽」と言えば、即ち「龍」を指す場合が多いように思います。その「龍」のイメージとは、蛇であるとか、爬虫類のようなものではなく、海に住み、雲を自由に自由にあやつるなどの霊力をもった「神獣」ではないかと思います(このあたりは自信はありませんが……)。

龍樹の場合は、音訳にも意訳にも、どちらにも「龍」の字が入っていますが、これがたまたまなのか、「ナーガ」という語が入っているから音訳にも「龍」の字を用いたのかまでは分かりませんが……。

この回答への補足

 【その「龍」のイメージとは、蛇であるとか、爬虫類のようなものではなく、海に住み、雲を自由に自由にあやつるなどの霊力をもった「神獣」であろう】というご解説とご講義はとても説得性と納得させ力があります。思えばかのナーガルジュナの出自も海洋方面とかきいてもおりますし。
 ありがとう御座いました。

補足日時:2008/07/12 08:32
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この回答へのお礼

 度々ありがとう御座いました。

 仏教の分野のことなのに、自ら仏教辞典も参照せずに聞きたいにお教えを乞う失礼をどうかお許し下さい。お調べ下さり厚くお礼申し上げます。
 「ナーガ」が、龍、象、あるいや大いなる力の隠喩があるとは存じませんでした。只、中国にいう龍というのはインドには神話や物語にも出てこなく、蛇(力=クンダリニとか、マハバ-ラタではDraupadiが隠喩象徴)という意味であると聞いており、そういう大いなる力の意味があるのでしょうね。中国に限定した言葉の聖獣より神獣というのであれば、納得できるものです。
 「龍猛・龍勝」のお話も、理解を広めるものです。腰骨マニュピューラの克己のところ、臍下丹田に開く部位ですから、「龍猛・龍勝」は矛盾しない理解となります。
 龍樹という漢字の使用は漢字の使用に長けた中国人の絶妙な翻訳として、仰せのことも意識しながらの翻訳なのでしょう。
 そうなるとナーガルジュナとは個人のお名前とはいえ、サンスクリットでは、意味なく名前をつけることはしませんので、そういう象徴があるのでしょうね。
 ありがとうございました。

お礼日時:2008/07/12 07:47

「龍」「竜」の成り立ちについては、詳しい説明があるようですし、私自身、あまりしっかりした理解がないので、2. に関してだけ。



>“那珂龍樹または、那伽龍樹”
というのは、いわゆる、龍樹菩薩のことですよね。大学で仏教学を学びましたが、 ほとんどの書物は「龍樹」でした。ごくたまに「竜樹」としてある書物もありましたが、それはいわゆる啓蒙書の類に多く、学術関係の書物で「竜樹」という表記を見ることはごく稀だったように記憶しています。

仏教学においては、おかみの決めた新字だの旧字だのにとらわれることなく、個々の研究者の好みによって、新字を採用したり旧字を採用したりということが行なわれているようです。
中でも、固有名詞や仏教独特の専門用語に関しては、意識して旧字を使う方が多いように思います。人名漢字として認められているから「龍」を使うというよりは、「竜樹」という文字の見てくれに違和感を覚えたり、新字にしてしまうことで仏教独特の雰囲気が壊れてしまうと、感覚的に思ってしまう人が圧倒的に多いのだと思います。

かくいう私も、「竜樹」と書かれれば、あの龍樹のことだと分かるまでに一瞬、間があいてしまいます。また、これは私の偏見ではありますが、「竜樹」と書かれた書物に関しては、まず、「筆者は専門家ではないな」と思ってしまい、そこから書かれている内容まで疑ってしまいます。

ですから、仏教の専門家であるならば「龍樹」とする人の方が圧倒的に多い(一般的である)と思います。

この回答への補足

 私の聞きかじりでは、“那珂龍樹または、那伽龍樹”は、ナーガリュジュナというのでしょうか、この音の当て字的漢訳かなと存じました。
 龍も蛇も確かに水生の爬虫類に属するのはどうも、たまたまなのではないだろうかと存じております。
 もしそうだとすると、
http://wpedia.search.goo.ne.jp/search/%CE%B6%BC% …​における説明【ナーガは蛇(蛇神転じて竜)】は不十分ではないかな、と存じております。
 アルジュナは確かに、パンドゥ五戦士、クシャトリアの一人であり、ナーガは蛇であり、蛇は力を示し、ヴィシュヌの座にも千匹もおりますが、それを中国の龍とすることは、ことばが足りないと存じましたのです。
 ですから、“那珂龍樹または、那伽龍樹”はあくまでも音訳の限りでしかないと存じますが、そういう判断は妥当ではないでしょうか?


 

補足日時:2008/07/11 18:02
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この回答へのお礼

 ありがとう御座いました。仰せの通り、確かにいわゆる龍樹のことであります。竜樹とも表記することがあるにしても、斯道ではやはり龍樹の方がより一般的なのですね。
 ありがとう御座いました。
 

お礼日時:2008/07/11 18:01

ANo.1のjo-zenです。

続きを回答します。

3.については、先人たちがさまざまに研究されており、考察がされています。

以下のURLを参考にしてみてください。

  http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=408 …
  『アジアをゆく 龍と蛇 権威の象徴と豊かな水の神』(集英社刊)

「龍」は、中国で「権威の象徴」として創造されたものですから、「蛇」にそれを求めるのは無理があるかと思います。
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この回答へのお礼

 そうですよね。龍顔ということばもあるくらいですし、いわゆる蛇ではないでしょうね。
 だから、生命の象徴や水神というような意味の、インドでの蛇は、中国にもってきても、心性的には当てはまるものはないのではないでしょうか。ちょいと投げやりな言い方なのですが。
 気持ちも一緒にもってくるなら、やはり、インドにおける蛇とだけで、ナーガ(*インドでは蛇を観念している)という表現の仕方しかなく、蛇も龍も当てはめては、不正確だと思います。
 ご賛成いただけないでしょうか?
 抱かされるイメージが文化毎(ごと)に、違っているので無理にあるものに当てはめるのは無理ではないかと存じまして。
 重ねてありがとう御座いました。厚く御礼申し上げます。

お礼日時:2008/07/11 11:47

1.について



昭和21年11月(1946年)に定められた「当用漢字表(1850字)」には、「竜」も「龍」も入っておりません。なお、1949年の「当用漢字字体表」は、旧字から新字にするにあたって、字体をかなり恣意的に変えるものであった為、その模範を示したものになります。

  http://www.bunka.go.jp/kokugo/main.asp?fl=show&i …

「当用漢字表」には「龍」は入らなかったのですが、この字を一部に含む「瀧」及び「襲」は当用漢字として認められています。但し、「瀧」は「滝」という字体に変えられた上認められました(「瀧」の形では当用漢字にはならなかった)が、「襲」は元のままにされるという事態になったのです。≪その辺も含めて、あえて”恣意的”と上述させていただきました≫

昭和26年(1951年)には、「龍」の字は”人名漢字”として認められましたが、「竜」の字は認められませんでした。

昭和29年(1954年)になって、「竜」の字が”当用漢字”に追加されました。以後、「竜」が当用漢字で、「龍」は人名漢字ということになったのです。

昭和56年(1981年)に、当用漢字から常用漢字に変わりましたが、その際、「竜」が常用漢字となりましたが、「龍」は選ばれず、人名漢字からも外されてしまったのです。ただし、世論を考慮して”人名用漢字許容字体”として、当分の間は認められることになったのですが、その後平成16年(2004年)に、「龍」が正式に”人名用漢字表”に採用されたという経緯があります。

なお、人名用漢字表の「龍」は、コンピュータでは普通はそうとしか表記できないので、そのまま「龍」と書いていますが、正確には、一画目は縦ではなく、横に引くように決められています。「龍」と縦にするのも許容字体ではあるようですが。

質問文のリンクが有効でなかったため、質問文にかかれた説は根拠を確認できませんせしたが、以上のことから、

 “竜”という字の方が典拠もしっかりしており、本来は正規の字なのだ、ということになるのでしょうか?

の答えは、そうではなく、前述したような内容が正確であると思います。

なお、もっといえば、「龍」を省略して書いた俗字として「竜」が生まれた経緯があるので、「龍」は「竜」の正字とされています。しかし、実は「龍」も正字ではありません。「龍」の元々の字は、「龍」の下に「示」という形をしたものなのです。今では「龍」の「古字」という言い方もされますが。以下のURLを参考にしてみてください。

  http://www.ffortune.net/symbol/12si/s05/kanzi.htm

2.について

人名でという意味でしょうか?法律上は「那珂(那伽)」さんが、子どもに名前をつけようとした場合、「龍」も「竜」も使えます。字のバランスということで考えると「竜」は違和感がありますので、「龍」の方がより一般的であると思われます。

3.について  (文字数がオーバーしそうなので別の機会に)



  
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この回答へのお礼

 早速ご懇切なるお教えを賜り、感謝申し上げます。
 まことに、役所の当用漢字表とは首を傾げ(かしげ)たくなることがたくさんあるものなのですね。ご回答でまざまざと認識しました。

 せっかくURLを参照してくださったのに、申し訳ないことでした。
 改めて以下にそのURLを貼り付けさせていただきます。
http://wpedia.search.goo.ne.jp/search/%CE%B6%BC% …

 再度、ご回答に心よりお礼申し上げます。

お礼日時:2008/07/11 11:35

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