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お世話になります。
私は鉛ガラス(クリスタルガラス)という、鉛が13パーセント位入ったガラスでアクセサリーを作ってます。
ガスバーナーで鉛ガラスを溶かして形を作るわけですが、ひょっとして気化している鉛を吸い込んでいるのでは?と、鉛中毒が気になり、どの位の温度で鉛が蒸発するか知っておきたくなりました。
いろいろ調べましたが、下記の所までしかわかりませんでした。素人には分かりづらいので、どなたか解説していただけますでしょうか。

融点 600.61 K(327.46 ℃, 621.43 °F)
溶け出す温度が327度でしょうか。
沸点 2022 K(1749 ℃, 3180 °F)
沸騰する温度が1749度で、ここから蒸発がはじまるのでしょうか。それともすでに蒸発しているのでしょうか。
気化熱 177.7 kJ·mol−1
これは関係ないのでしょうか。
融解熱 4.799 kJ·mol−1
これも関係ないのでしょうか。

全くの素人ですみません。どうぞよろしくお願いします。

A 回答 (5件)

> 鉛中毒が気になり、どの位の温度で鉛が蒸発するか知っておきたくなりました。



孫引きで申し訳ありませんが(汗)、こちらの「01A-152」のところに、
「内藤 裕史、『中毒百科』(南江堂、1991)」から、
> 七宝焼きの釉薬には20~30%の鉛が含まれていて、800~900度に
> 加熱する過程で鉛のヒュームが発生して中毒を起こす。
との引用をされています。
http://www.water.sannet.ne.jp/masasuma/alchemst/ …

引用元でも言われているように、これは鉛ガラスそのものではありませんが、
鉛の含有形態としては鉛ガラスと同様のはずですので、鉛ガラスでも同様に
ヒュームが発生するものと考えて対策を採られた方がよいと思います。

*「ヒューム」についてはこちらを参考に:
http://anzenmon.jp/page/199179


対策としては・・・作業をされる部屋の換気をよくするのは当然として・・・
もちろんマスクもするべきなのですが、「酸化鉛(II)」で調べたところ、
「P3有毒粒子用フィルター付マスク」(→1ページ目左下の『漏洩物処理』の最終行)
と、ちょっと大仰なものになってしまうのが・・・(汗)

一番よいのは、(ものによっては加工性が変化してしまうとは思いますが)
鉛フリーの素材を使われること、ではないかと思います。
http://www.tonbodama.com/shopping/glass_rod/inde …
http://www.aist.go.jp/aist_j/sst/exhibition_guid …


なお、「蒸発」は「沸点」よりも低温から始まります(具体的にどの程度から
有害濃度になるか、というのは、ちょっとわかりませんでしたが)。
*水についても、沸点の100℃よりはるかに低い常温でも気化するのと
 同様です(→沸点までいかなければ蒸発しないとなると、洗濯物を干す
 のは大変です)。
また、「融解熱」「蒸発熱」というのは、それぞれ融解・蒸発する際にどの程度の
熱を周りから奪うか(→水を肌につけて蒸発させると冷たく感じるのも、熱を
奪われるから)ですので、今回のご質問の内容には関係ないと思っていただいて
よいと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
ものすごく丁寧で分かりやすい説明でした。
800度~ですと、私の作業の範疇の温度なので、やはり今後少し心配です。出来れば鉛フリーへ移行したいと考えております。
取りあえずは出来ることから。。。換気します。

> 具体的にどの程度から有害濃度になるか、というのは、ちょっとわかりませんでしたが
との事ですが、鉛は人体に蓄積されるので有害になるそうです。なのでちょっとのヒューム(勉強した言葉を使ってみました)でも害は害だと思われます。

お礼日時:2008/08/04 00:03

> 使用する炎は酸化炎です。

還元炎だとすすがガラスへ入るので。
> そうすると、加熱して酸素を離す事になるのでしょうか?
> ちなみに調べましたら、入っているのは酸化鉛だそうです。
No4さんがかかれたところによれば、温度が上がれば結局酸素を離してPbです。温度を上げたとき金属が酸素を離すというのはありえる話だと思いす。(手元に資料が無くて自信がないので書けませんでした。)

>酸化鉛も、鉛と同じような有害になるものではないのでしょうか?
ウィキペディアで「鉛」を引き、そこの「毒性」、「鉛中毒の歴史」をお読みになってください。またウィキペディアには「鉛中毒」の項目もありますので、そちらも参照なさってください。摂取されたら毒になります。

> ちなみに私一人自営業でガラスを扱ってます。
それでは大黒柱の質問者さんが将来健康被害にあう可能性が大いにあります。Pbを毎日すこしずつ吸っていると思います。
鉛中毒が危険なものであるゆえに、日本では企業は安全衛生法の鉛則の遵守を求められますし、EUでの電子電気機器の規制であるRoHS指令でもPbは槍玉にあがっています。EUに製品を輸出できなくなるので日本企業も必死になって鉛フリー製品、鉛フリーハンダなどを開発しています。

鉛フリーへ切り替えられるのでしたらそれがベストです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
しれべれば調べるほどに恐ろしくなってきます。
鉛ガラスを扱って5年くらいになります。そんなに長いキャリアではないので気がついてよかったと思ってます。
今日は頭中で鉛フリーへ切り替える方法を模索中です。

お礼日時:2008/08/04 19:43

鉛ガラスと鉛釉薬は、ほぼ成分が同じ(ゼーゲル式がほぼ同じ)です。

ほぼ同じ挙動を示すと考えてください。
というのは、mpを合わせるためにMO+M2O = 1モルの時のM2O3 , MO2のモル数を示したのがせ゛ゲル式ですが、Mo+Mo2の構成が多少異なっていてもM2O3とMO2の分量が同じならばほぼ同じ融点になるという性質を使っているので、金属の反応性(MP)はほぼ同じになってしまいます。
MP、融点がほぼ同じ、乱雑さがほぼ同じであるならば、濃度の違いによる蒸発の分量が多少違いますが、蒸発することには代わりないです。

ガスバーナーをお使いになっているということから、バーナーの「酸化炎」と「還元炎」のことはわかるでしょう。
PbO →(下に△、上に還元炎) → PbnOm(亜酸化鉛) + CO2 → Pb + CO2 (価数は適当に合わせてください)という還元反応がおこります。 亜酸化鉛は、M2O3の挙動を示します。つまり融点が高くなります。

この反応で、比較的低温で鉛ヒュームが飛びます。500度くらいからは派手に飛びます。だから、鉛ゆを使うときには還元にしてはならないといわれてます。

酸化炎の場合には
PbO →(下に△、上に酸化炎) → PbnOm(亜酸化鉛) + O2 → Pb + O2
の反応(価数は適当に合わせてください)で、Pb-Oの結合が切れてOが飛び出します。

ガスバーナー、プロバンガス+空気バーナーか都市ガス+空気ハーナーと解釈すると、簡単に3000-10000度が取れますので、部分的に酸化炎の反応がおこってから解け始めるだろう、と見当がつきます。

>換気します。
ぜんぜん足りません。ドラフト内でやってください。
日本の労働安全衛生法の規定では、軽度の鉛中毒患者を大量に作ったり、鉛神経炎は精神疾患であるとして治療の対象にしていません。
なるべく早く他の業につく様にしてください。
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この回答へのお礼

御丁寧な説明ありがとうございます。
個人的に酸化炎が好きなので酸化炎を使ってますが、作業によって還元炎を使用するときがあります。

ドラフト内との事ですが、たぶんこれは換気扇のフードの中の様な状態ですよね。うちは幸い炎の先(1.2m位)に換気扇があるので、背中側から扇風機を軽く当てると、扇風機→私→炎→ガラス→換気扇の風の流れを作れると思います。どこか窓を開けます。
それでは足りないでしょうが、貧乏ガラス作家としてはなかなか回避策が難しいのが実情です。数十万円ある鉛ガラスの在庫をとっとと使い切り鉛フリーにスイッチします。

お礼日時:2008/08/04 13:20

一般論として、液体(今の例では溶けた鉛)の平衡蒸気圧は、


dP/dT=ΔH/RT^2...(1)
で与えられます。ここでΔHは蒸発のエンタルピー変化で、吸熱だからプラスです。Rは気体常数です。(1)を積分すると
lnP=-ΔH/RT+C(積分定数)...(2)
になります。R=8.31で、ΔH(177.7 kJ/mol)と、任意の温度(今の場合沸点;2022K)でのガスの圧力(1気圧=10^5 Pa)が判っていますから、(2)から各温度での溶けた鉛の平衡蒸気圧も計算できるわけです。
なお、これは純粋に気化した鉛でNo2さんの言及されたヒュームがでるなら、それはまた別の危険です。
また入っているものがNo1さんの御指摘の酸化鉛なら加熱して酸素を離してなまりになるのか調べる必要があります。

なお労働安全衛生法の中に鉛則があります。もし職場ですとその法に従わなければなりません。(職場でなくて趣味であっても参考にすべきと思いますが。)

この回答への補足

ありがとうございます。

> また入っているものがNo1さんの御指摘の酸化鉛なら加熱して酸素を離してなまりになるのか調べる必要があります。
との文章が不明だったのですが、酸化鉛も、鉛と同じような有害になるものではないのでしょうか?
使用する炎は酸化炎です。還元炎だとすすがガラスへ入るので。そうすると、加熱して酸素を離す事になるのでしょうか?
ちなみに調べましたら、入っているのは酸化鉛だそうです。
無知ですみませんが、もし分かられましたら教えてください。

ちなみに私一人自営業でガラスを扱ってます。

補足日時:2008/08/04 13:05
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融点 600.61 K(327.46 ℃, 621.43 °F)


溶け出す温度が327度でしょうか。
その通りです。

沸点 2022 K(1749 ℃, 3180 °F)
沸騰する温度が1749度で、ここから蒸発がはじまるのでしょうか。それともすでに蒸発しているのでしょうか。
水の沸点と同じ考え方です。100度で沸騰して気化が始まりますよね。
沸点よりも高い温度にさらしていれば、どんどん気化していきます。

とここまで、調査なさったとおりですが、鉛ガラスに入っているのは金属の鉛
そのものが入っているわけではなく、酸化鉛(PbO)が入っています。
実際には酸化鉛のことを調査なさったほうがよろしいかと思います。
それと、ガスバーナーの炎の温度、これも説明書などで確認してみてください。酸化鉛の分解点(分解する温度)との比較ができるためです。

ちなみに、wikiでは詳しい情報はありませんでした。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E9%85%B8% …
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この回答へのお礼

早速ありがとうございます。
なるほど、なるほど。酸化鉛ですか。分解点とはたぶん蒸発の事でしょうか。
難しい言葉が沢山で私の脳味噌が沸騰しそうです。
引き続新しい言葉で調べてみます。

お礼日時:2008/08/03 21:54

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